2021-12-13

子供が一輪車に乗れるようになるまで

以前「子供が自転車に乗れるようになるまで」のタイトルで記事を書きましたが、最近下の子も一輪車に乗れるようになって楽しんでいます。


2,3日前までは5メートルも行けなかったのに今では50メートル以上楽に行けるのでもう乗れるようになったということでしょう。私も小学校の夏休みに学校のプールの帰りに友達(しんちゃん)と校庭で一輪車の練習をしましたが私は結局10メートルぐらいしかできませんでした。その後はやる機会が無く結局乗れずじまいでした。

上の子の場合小学1年生の時にはスイスイ乗って、友達とメリーゴーランドなどをして遊んでいました。下の子も小学校に上がる前から興味があったようで、じいじに一輪車を買ってもらって玄関前に置いていたのですが、一度上手くいかなかった(こけて怪我した)ので敬遠していたみたいです。2年間ほど玄関前のアクセサリーと化していた一輪車ですが、最近、学校で遊ぶことがあったらしくようやく興味を持ってくれました。自転車の時と同じように何も教えなくても勝手に乗れるようになったのには驚きました。親ができることは環境を作ってあげることぐらいです。高学年になると習得に時間が掛かる気がするので、小学2年生ぐらいまでに興味を持ってもらって自主的に練習し始めたら、結果はどうであれすかさず褒めてあげれば勝手に乗れるようになると思います。自転車の時と同様、一輪車に乗れるようになって喜ぶ子供の様子は見ていて感慨深いです。これも子育ての印象的なハイライトの一つですね。

2021-12-05

シングルス市民大会 2021

今年のシングルス大会が今日で終了しました。今年からシニア(45歳以上)でエントリーしたので初めて対戦する人ばかりでしたが、皆さん試合巧者でミスが少なく勉強になりました。結局、4回戦目のベスト8で敗戦となりました。単純に実力不足だったのでこれからも練習あるのみです。体重を落としてケガのリスクを減らしつつ、同時にもっと動けるようにしたいと思います。今年はダブルスもシニアの枠で初めてエントリーしました。ダブルスの方は、くじ運とペアに恵まれて準優勝できました。シングルスもベスト4行けるかななんて余計なことを考えたのが良くなかったです。一戦一戦、目の前の対戦相手に集中して行かないと。これからはシニアのカテゴリーで楽しく真剣にテニスに取り組んでいけたらと考えています。今日は反省点が多く悔やまれるポイントも多々ありましたが、それが自分の今の実力と受けとめて来年の試合に活かしたいと思います。

2021-11-28

ヤクルト20年ぶり日本シリーズ優勝

 今年は久しぶりにプロ野球の日本シリーズを楽しく観ました。ここ数年ソフトバンクが投打とも圧倒していたので観る前から結果が予想できたのですが、今年は6ゲームとも流れが行ったり来たりして試合展開が読めず目の離せない好ゲームでした。レギュラーシーズンを全くフォローしていなかったので日本シリーズになって初めて観る選手ばかりでした。侍ジャパンに選ばれていた山田、村上、吉田正尚、山本由伸選手やベテランの青木、T岡田、能見選手、また甲子園で活躍した奥川、宮城投手ぐらいしか知りませんでした。日本シリーズに出るくらいなのだから皆一流なのでしょうが、オリックスの宗選手のバッティングが良かったのが印象的でした。NHKのBSで最後まで放送してくれる安心感も手伝って、解説者の詳しい状況説明に納得しながら楽しく観戦できました。特に、藤川、宮本、小早川さんの解説が良かったです。あと、実はこれが一番の要因ですが、期末試験直前の長女が試合の終盤になると付き合って観てくれたのが素直に嬉しかったです。

今回私が一番唸ったのは高津監督が抑えのマクガフを信頼して使い続けた点でした。初戦のサヨナラ負けが痛すぎたので普通なら、短期決戦では調子のいい選手を使うべしのセオリーから、2戦目以降マクガフは使いづらいだろうな思っていましたが、高津監督は「そういうこともある」と不問に付しその後も抑えとして大事な場面で使い続けたのには驚きました。それを意気に感じて監督の起用に全力で応えようとするマクガフの気持ちは画面から良く伝わりました。第5戦でアダム・ジョーンズにストレートを投げて勝ち越しHRを打たれたときは、だからやめとけばよかったのになんてと外野の私は思ってしまいましたが、高津監督の信念は全くぶれませんでした。ちなみにあの時、それまでのアダム・ジョーンズのスイングから低めの変化球を投げておけば打ち取れるはずだから直球だけはHRになるからやめとけよとTVに叫んでいたのになんで投げるかな~マクガフ、なんて思っていましたがジョーンズのコメントによるとお互い助っ人外人だからストレートで勝負してくると予想していたそうです。そういうもんなのでしょうか?まあ、一発で仕留めたジョーンズがすごかったのですが。とにかく、高津監督は第6戦目も抑えは君しかいないという形でマクガフに試合を託したのが最終的には優勝できた要因のように感じました。多少ミスしても選手を信頼して使い続け、そのことを選手に伝えるというというリーダーの姿から周りの選手もやってやろうという気持ちになったのではないでしょうか。高津監督は現役時代に抑えだったので抑え投手がどのように感じているかについては充分すぎるほど分かっていたのでしょう。また、メジャーだけでなく韓国・台湾、独立リーグでの豊富な経験から外国人選手の性格をよく理解していたことも大きいと思います。一方、捕手出身の中嶋監督は、セオリー通り調子の悪かったヒギンズバルガス両投手をもう使わないとばかりに第6戦でベンチ外ににしました。その判断自体は妥当なのでしょうが、勝ちへの意識が強すぎて他の選手にミスしたら外されるかもという気持ちを暗黙のうちに与えてしまったかもしれません。実際、第6戦はオリックスの選手の方にプレーの硬さが出ていたように感じました。山本投手の踏ん張りが無ければ(内野)守備のミスから早めに勝ちこされていた気がします。藤川さんが触れていたように無駄な四球2つからあっけなく山田にスリーランを打たれたヒギンズは普通だったらさすがに起用できないでしょう。とはいえ、ベンチ外にするのには驚きました。もしかしたらオリックスの選手もそう感じていたかもしれません。

2021-11-24

井上靖の幻の文庫本:三ノ宮炎上

 以前は入手できなかった井上靖の文庫『三ノ宮炎上』


を電子書籍で見つけたので、先日読了しました。井上靖の初期の社会派小説で戦後の世相を知ることのできる興味深い短編集でした。井上靖と言えば歴史小説、自伝小説のイメージがあるかと思いますが、『氷壁』に代表されるようにこのような社会派小説も同じぐらい書いています。人気作家だけあって新聞連載や編集者からの依頼に応える形でやっつけ仕事的にどんどんと書いて行ったように感じます。私は詩集から入って『しろばんば』、『あすなろ物語』に代表される自伝物に感銘を受け、『天平の甍』、『楼蘭』といった歴史・西域物に手が伸び、最後に折角だからと大衆向けの社会派小説をいくつか読みました。『四角な船』など新聞連載の長編はあまり面白くなかった記憶がありますが、短編集『愛』の中にあった『石庭』という作品は良かったです。結婚したばかりの女性が龍安寺の石庭を見て離婚を決意するというだけの話ですがとても印象的でいまでも覚えています。

2021-11-07

シジュウカラの巣箱掃除2021 vol.2

 11月になったのでシジュウカラの巣箱を掃除しました。今年は玄関の方の巣箱から2度ヒナが巣立ちました。


もう一方の巣箱は何故か空でした。近くに巣箱があると同時には巣作りしないようなので今年はタイミングが悪かったのでしょうか。



来年も来てくれるかな。巣箱を乾かしている間にチューリップの球根を買いに行きましたがなかったのでシクラメンを植えました。



屋外ですが冬の間も咲いてくれるみたいなので楽しみです。以前、室内の鉢植えで育てていた時は育ちすぎて困ったぐらいでした。一月ほど前ですが、今年はシマトネリコの強剪定も行いました。


太い枝を何本か切ったのでスカスカです。11月ですが新しい葉っぱが育っているみたいです。これからも大きくなり過ぎないようにこまめに剪定する必要がありそうです。ちなみに右下の木はハナミズキです。葉っぱがほとんど落ちたのでようやく落ち葉拾いをしなくて済みそうです。巣箱を掃除しているときに巣立ったシジュウカラでしょうか珍しい鳴き声で鳴いていました。

2021-10-31

No sports, no life

 今日は雨でナイターテニスができません。時間ができたのでこれまでのスポーツとの関わりについてざっと書いてみようと思います。私にとってはスポーツとは球技です。小学校でのドッジボールや放課後にやる友達との野球とサッカーが大好きでした。球技をするまではメンコとかプラモデル、団子作り、プロレス観戦、蝉取りなど一過性のイベントにに夢中でしたが、小学校3年生の時に木製バットとミズノのグローブを買ってもらってからは野球、4年生の時にサッカーボールを買ってもらってからはサッカーが楽しかったです。同じマンションで仲の良かったしんちゃんとしんちゃんのお兄ちゃんたちと野球やサッカーを学年関係なく一緒にワイワイ遊んだり、5,6年生からは同級生の友達と放課後に遊んだりして、どんどん友達が増えました。野球の上手い子たちが少年野球チームに入っているので自分も入りたいと一度母に頼みましたが、うちはムリやという感じでそっけなかったです。今考えると母も自分のテニスで忙しかったので子供の遊びにかまってられなかったのでしょう。その代わり、休日によくテニスコートに連れて行かされました。母も罪悪感があったのか一度コートでテニスさせられましたが、私としては野球がしたかったので反抗の意味も込めてホームラン狙いのスイングをしていると呆れられてそれ以来コートには入れてもらえませんでした。4年生からは神戸FCのコーチの方がボランティアで登校前に早朝サッカーのレッスンをしてくれたのでそこに通うようになりました。しんちゃんが熱心に練習するので私も一緒になってやっていました。休みの日には外大グラウンドで早朝ランニングにいったり、夜にマンションの駐車場でドリブル練習をしました。しんちゃんは一人でもやっていたようでどんどん上手くなっていました。(その後、高校では兵庫県選抜に入り大学はサッカーで関学に行ったそうです!)今ではクラブチームに入っている子が多いでしょうけど私たちの頃は殆んどの子は放課後に公園でサッカーして遊びながら体力をつけていました。サッカーやらないときは野球をしていました。私はどちらも好きで中学になったらサッカーか野球かどっちにしようかなあなんて考えていました。

多分しんちゃんがサッカーやるから自分もサッカーかななんて思っていましたが、なんと中学から東京に引っ越すことになってしまいました。中学ではサッカー部に入るつもりでしたが当初は越境通学で早朝練習に参加できないため一緒に仮入部して入るかどうか迷っていた井上君と相談して陸上部に入ることにしました。井上君は中1で180cmあったので2人でバレー部に誘われましたが、何となく結局楽そうな陸上部にしました。あのときバレー部に入っていたら父の後輩になっている所でした。そう、父も目黒十中でバレー部でした。その頃、男子バレーは大人気だったそうです。目黒十一中に木村という選手がいたそうで、父は木村、木村と呼び捨てにしていましたが、なんとミュンヘンオリンピックで金メダルを獲得し数年前までバレーボール協会の会長をされていた木村憲治さんのことでした。陸上部では短距離をやりました。とにかくタイムを出すことがゴールなのでストイックに繰り返し練習することが重要になるのですが、記録が伸びないこともあり私には単調すぎたため高校になったら小学校の時に想っていたように野球かサッカーをやろうと決めていました。

カローラフィールダー、バックドアガラス取替

 先日15時に妻から連絡があり変な時間に電話来るなあと思ってでると、出先の駐車場で車止めが無かったため後方の木に突っ込みリアガラスが全壊したとのこと。親切な近くの方に目張りしてもらい無事帰宅できたのですが、トランクに破片が散らばっており雨になると水漏れの可能性もあったのですぐにディーラーに連絡して17時頃に乗っていきました。10/27水曜日のことです。割った本人は廃車にして新車買おうなどと抜かしていたので、内心ふざけんな~と思いながらも「20万とかそんなに高くつくことは無いはずだから、これからも大事に乗ろう!」と協力を依頼しました。これまでの経緯を考えると妻の運転では新車にしても事故る可能性が高いので、現状通りもしもの時の対応がいいトヨタ車に乗り続けたいと考えています。見積もりはガラスの取替だけなら8万5千円ぐらいとのことだったので即お願いしました。車検の時に引っ掛かったフロントガラスの取替には10万かかったのでまあ妥当な値段なのでしょう。

2021-10-24

カーナビ(ユピテル)交換してから1年2カ月

以前こちらで紹介したユピテルのカーナビですが、2013年購入の古いもの(YUPITERU drive navi YPL514SI)を去年の夏に2019年バージョンのもの(YUPITERU MOGGY YPB555ML)に取り換えました(中古品で14,800円)。その夏に北陸・山陰、そして今年の春に近畿・四国、夏に東北に行きましたが地方の新しい道は分かる範囲では全てカバーされており運転しやすかったです。地元の東八道路や伏見通りの延伸情報が載っていないのが不便ですが、これまで特に問題なく利用できています。以前のものと同じサイズを購入しましたが、ケースのサイズが変更されていた為、テープで強引に固定しました。


アダプターコードは取り換える必要はありませんでした。上手く固定できなかったら古いケースを剥がして新たにつけないとなぁと思っていましたが今の所大丈夫です。

最近開通した中部横断道をはじめとしてオリンピックをキッカケに整備された高速道・一般道の最新情報は当然ながらカバーされていませんが家族旅行や登山へのドライブで当面困ることはなさそうです。いつになるか分かりませんが、外環道が延伸されたらナビも交換しようかな。あと10年は掛るかな。さすがにその前には車替えるか?!

2021-10-11

ロシア国歌解読

日本語訳付



ロシア語の歌詞はカチューシャの時と同様にWebサイト『世界の民謡・童謡』から引用。単語や文法、ロシア語的なニュアンスについては初めの動画でも解説されています。ここでは初学者学習用に単語別の意味を調べて行きます。以前同様、手元のロシア基本語辞典に載っていない単語はネットで調べましたが、時間が掛かるので最近の辞書


を(中古で)購入することにしました。ロシア国歌はロシア語で Гимн России (ギームン ラスィー)です。

Россия -- священная наша держава,
Россия -- любимая наша страна.
Могучая воля, великая слава --
Твоё достоянье а все времена!

[ПРИПЕВ:]
Славься, Отечество наше свободное,
Братских народов союз вековой,
Предками данная мудрость народная!
Славься, страна! Мы гордимся тобой!

От южных морей до полярного края
Раскинулись наши леса и поля.
Одна ты на свете! Одна ты такая --
Хранимая Богом родная земля!
[ПРИПЕВ:]

Широкий простор для мечты и для жизни.
Грядущие нам открывают года.
Нам силу даёт наша верность Отчизне.
Так было, так есть и так будет всегда!
[ПРИПЕВ:]

2021-10-10

2021年10月 雨の毛無山

曇りのち晴れの予報だったのでいつもより遅めに出発。登山口に着いたのは9時前でした。


駐車場代500円を備え付けの紙袋に入れて投函





2021-10-07

ロシア歌謡「カチューシャ」解読

日本語訳付

ダンス
(さすがバレエの本場!)

以下のロシア語歌詞はWebサイト『世界の民謡・童謡』から引用。タイトルの Катюша は Екатерина / Катя (エカテリーナ/カーチャ) の愛称とのこと。

Расцветали яблони и груши,
Поплыли туманы над рекой;
Выходила на берег Катюша,
На высокий берег, на крутой.

Выходила, песню заводила
Про степного, сизого орла,
Про того, которого любила,
Про того, чьи письма берегла.

Ой, ты песня, песенка девичья,
Ты лети за ясным солнцем вслед,
И бойцу на дальнем пограничье
От Катюши передай привет.

Пусть он вспомнит девушку простую,
Пусть услышит, как она поёт,
Пусть он землю бережёт родную,
А любовь Катюша сбережёт.

Расцветали яблони и груши,
Поплыли туманы над рекой;
Выходила на берег Катюша,
На высокий берег, на крутой.

有名な曲ですが、日本語訳が無いと何を言っているのか全く意味不明です!検索しましたが歌詞の解説文が無かったので自分で調べることにしました。以下では、学習を兼ねて一行ずつ単語の意味を調べて行きます。手元のロシア基本語辞典に載っていない単語や活用ははwiktionaryで調べました。発音もカタカナでルビを振りました。母音の(ヰ、ヱ)についてはこちらを参照してください。アクセントの表示はこちらを参考にしました。全てではありませんがカタカナで伸ばしているところはアクセントに対応しています。

2021-10-03

ロシアレストラン初体験

今日は誕生日なので家族で外食することになり、いつもは大体イタリアンに行くのですが、今回は初めてロシア料理に挑戦しました。吉祥寺にある КАФЕ РОССИЯ (CAFE RUSSIA)、ランチでしたが念のため予約して行ったら予約席以外満席だったので大正解でした。初めてのロシアレストラン、ちょっと敷居が高い気がしていましたが、ランチだったので1人1600円ぐらいでお腹いっぱい御馳走を頂けました。家族で分け合いながらボルシチ (борщ)、ピロシキ (пирожки)、ビーフストロガノフ (бефстроганов)、キエフチキン (котлета по-киевски)、前菜盛り合わせ (ассорти)、サーロ (сало) を頂きました。ボルシチは野菜が盛りだくさんでおいしかったです(было вксно)。子供たちも満足してくれました。個人的にはボルシチもそうですが、前菜の盛り合わせ、サーロ(豚の脂身の塩漬けを黒パンに乗せて食べる)が美味しかったです。ワインで有名なジョージアの料理も多くありました。また機会があったら寄ってみようと思います。日本でロシア語のレシートは初めて見た。


ピロシキ (пирожки) の単数形は пирожок となるらしい。(複数形でも母音の出没あんのか、めんどくさ。)

ロシア語の母音と(ヰ、ヱ)

 ロシア語をはじめて気になったことをメモしていきます。まずロシア語の母音について。ロシア語には10個の母音があります。そのうち5つ (а, ы, у, э, о) は硬母音、他の5つ (я, и, ю, е, ё) は軟母音と呼ばれます。

      
硬母音 а   ы   у   э   о
軟母音 я   и   ю   е   ё   (й 行)йа  йы  йу  йэ  йо  (йо 以外は不使用)
         

硬母音(あ、ゐ、う、え、お)に軟子音 й(短いイ)を付けると軟母音(や、い、ゆ、ゑ、よ)に対応します。上記 (йо 以外は不使用) とありますが、йо も外国語を表記するとき以外に見たことはありません。例えば、йогурт (ヨーグルト), госпадин Йокояма (横山さん) など。

硬母音の「ゐ」は旧字でワ行の wi の音に相当します。カタカナでは「ヰ」になります。今でも、ウヰスキーと表記されます。また森鷗外の小説に「ヰタ・セクスアリス」というのがあります。

一方、軟母音の「い」はヤ行の yi (=i) の音と同じです。「ゑ」は旧字で ye の音に相当します。(wikiによると平安時代まではワ行の we の音だったが、鎌倉時代になるとヤ行の je の音になったそうです。)カタカナでは「ヱ」、今でも、ヱビスビールやゑべっさんと表記されます。

ロシア語のカタカナ表記では ы を「ウィ」、е を「ィエ」とおくことが多いですが、上記の対応からこれらはそれぞれ「ヰ」、「ヱ」と理解するのが適当だと思います。1000年以上前の和語と露語の間に共通する母音があったのではないかと想像するのは興味深いです。

さて、今回ロシア語を学び始めてもう一つ面白いと思ったのはロシア語の数字です。英語、スペイン語と全く違うのでなかなか覚えられませんでした。5, 9, 10, 40, 90などなんでそうなるのって言ってもしょうがないのですが、これが分からないと買い物できません。昔旅行した時はよく電卓で数字を見せてもらった気がします。あと単位が不思議です。1は単数主格で普通なんだけど、2~4が単数生格、5以上が複数生格になるって単位が変わるのは困るんだけどな~。とにかくロシア語の数字は単語が長かったりアクセントの移動があったりロシア語の特徴がよく出ている気がします。カタカナでルビを振って発音を暗記したいと思います。ちなみに 4 は「チトーリ」です。


おすすめのロシア語入門書

前回の続きです。旅行で困らない程度のロシア語をオンラインで学習しようということで色々見てみました。





47歳からロシア語はじめてみる?!

先月末に子供たちにバレエの発表会がありました。


去年は無かったので久しぶりの発表会でした。以前こちらで紹介したように「バレエ入門」、「闘うバレエ」などでバレエの知識を得てもう10年近く子供の発表会は観ていますが、本場のバレエは観ていません。コロナ以前に妻からウラジオストクに行ってみないかと言われた際には、ロシア語出来ないからムリかなぁと断ったことがあります。

ロシア語は中2の秋にNHKロシア語講座を3カ月ぐらい聞いたことがあります。その時、買った辞書がこれ。


当時の教科書、ノートは大切に取って置いたのですが紛失してしまいました。格変化の辺りで大変になり他の勉強や部活が忙しくなりやめてしまいました。大学に入って第二外国語はスペイン語にしましたが、1年やってだいぶ自信が付いたので他の言語もやってみようということで、ポルトガル語、イタリア語、中国語、ロシア語の授業を取りましたがロシア語だけは2,3回出ただけで再び挫折しました。とにかく、キリル文字に慣れないし、数字すらも覚わらないし性・数の区別と6つの格変化に圧倒されて片手間ではとうていモノにならないと諦めました。

大学院でアメリカに行ってからはロシア語のことはすっかり忘れていましたが国際学会でロシアに行くことになったのでその時、ついでにモスクワ、ペテルブルグを観てこようと思い、さすがに英語だけじゃダメだろうということで、購入したのがこれ。







モスクワからペテルブルグまで夜行電車の切符を購入するのはロシア語では無理だったので英語のできる親切な若者にロシア語でメモを書いてもらいました。その時の筆記体がまるで解読できず、不思議な言語だなあと改めて思いました。RでなくてЯと書くとか左利きか!なんて思ったものです。(ちなみに私は左利きですが、字だけは右で書きます。)ただ、上記の会話用の本では細かい文法は関係なくとりあえず暗記して喋れたらOKという実践的なものだったので短期の旅行では役立ちました。片言ながら喋っているとスペイン語の文法や活用と似てるなあなんて思いました。その時、学会で知り合ったイタリア人も表面的には分かりにくいけど意外と簡単だよと言っていました。確かに同じインド・ヨーロッパ語族なので似てないこともない?!けど、やはりキリル文字(д, й, ж, ш, щ, ч, ю, я, ...)が取っ付きにくいし、(Рを[r]、Нを[n]と発音するとか)紛らわしいし、長い単語(Здравствуйте , четырнадцать, ...)が多いし、語尾の変化が分からやんとしゃべられやんやん(なぜか三重弁)ということでその後は特に必要もないので放置していました。

2021-09-21

右手薬指突き指 テーピング

昨日の登山で痛めた突き指が一日経っても治りません。以前足首を捻挫したときのようにひどく腫れ上がってはいないのですが「薬指を伸ばすと痛い!」という当初からの症状はそのままです。シップを貼って軽くテーピングで固定したのですが、骨折あるいは腱の損傷の疑いがあるので病院に行った方がいいのか悩ましい所です。が、とりあえずネットで自己診断して自宅治療することにしました。参考になったサイトはこちらです。

突き指の応急処置はRICE (Rest, Icing, Compression, Elevation) とのこと。とにかく患部を休ませて、冷やす、そしてテーピングなどで(鬱血しないように)圧迫して、(できれば)患部を心臓より上に挙げて血流を抑える、とのことです。テーピングの仕方はこちらを参考にしました。以前、捻挫したときのテープが残っていたのでそれを使っています。関節は曲がるのですが、第二第三関節の間が腫れています。カバンの中を手探りしたり、運転中にウィンカーを出したり何気ない折に不意に指が伸びてしまうと痛みが走ります。1,2週間はテーピングで固定して徐々に動かしていけばよいとのことですが、当分、手洗い、洗い物が不便になります。ゴム手袋するか。あと明後日にテニスのシングルス練習(2人だけ)に誘われているのですが、右手使わずに片手バックで対応しないとダメそうです。これを機会にサーブアンドボレーの練習をしてみようと思います。(追記:練習相手もぎっくり腰をやっちゃったそうなので結局キャンセルしてもらいました。)

2021年9月 浅間山:前掛山、外輪山

晴れの予報だったので早めに出発しようと思ったのですが、起床したのがなんと6時。登山口に到着したのが9時20分頃でした。駐車場が満車のため迷っていたら登山者の方から少し下がったところに停められるとのお言葉。何とか駐車できました。9時半出発なので前掛山まで行っても18時には帰ってこられるだろうということで予定通り出発。秋晴れのもと楽しい登山になりそうです。




2021-09-18

QCD 量子色力学 note18: sine-Gordon方程式

ワインバーグの訃報に接し開始した昔のノートのデジタル化ですが、ようやく最後のエントリーとなりました。電弱標準模型の話からだいぶ離れてしまいましたが、今回はsine-Gordon方程式を扱います。
\[ \begin{eqnarray} \L &=& \hf (\d \varphi )^2  - \frac{\mu^2}{\al^2} ( 1- \cos \al \varphi ) \\ V&=&  \hf \left( \frac{\d \varphi}{ \d x} \right)^2 + \frac{\mu^2}{\al^2} ( 1- \cos \al \varphi )  \end{eqnarray} \tag{1} \]
ただし、$(\d \varphi )^2 = (\d_t \varphi )^2 - (\d_x \varphi )^2$である。真空では$V (\varphi ) = 0$ なのでその定常解を
\[ \varphi_0 (n) = \frac{2 \pi n}{\al} \]
とおく。$\varphi = \varphi_0 + \et$としてラグランジアンを展開すると
\[ \L = \hf (\d_t  \et )^2 - \hf ( \d_x \et )^2 + \frac{\mu^2 \eta^2}{2} - \frac{\mu^2 \al^2}{4!} \et^4 + \cdots  \]
有限エネルギー条件は$|\vec{x}| \rightarrow \infty$で$\varphi \rightarrow \varphi_0$となる。ラグランジアン(1)からsine-Gordon方程式は
\[ \left( \frac{\d^2}{\d t^2} - \frac{\d^2}{\d x^2} \right) \varphi + \frac{\mu^2}{\al} \sin \al \varphi   = 0 \tag{2} \]
となる。伝播速度$v$ $(|v| < 1 $) をもつ波動を考えると sine-Gordon方程式は以下のソリトン解をもつ。
\[ \varphi_{sol} = \frac{4}{\al} \tan^{-1} \left[ \exp \left( \pm \frac{\al^2}{\mu} \frac{1}{\sqrt{1-v^2}} \Big( (x- x_0 ) - v ( t - t_0 ) \Big) \right) \right] \tag{3} \]
ただし、$|\vec{x}| \rightarrow \infty$のとき$\varphi \rightarrow \varphi_0$, $\d_x \varphi \rightarrow 0$ の境界条件と積分公式
\[ \frac{\al}{2} \int_{\varphi (x_0 )}^{\varphi (x) } \frac{ d \varphi}{ \sin \frac{\al}{2} \varphi} = \Bigg[ \ln \left( \tan \frac{\al}{4} \varphi \right) \Bigg]_{\varphi (x_0 )}^{\varphi (x) } \]
を用いた。この時、全空間のエネルギーは $U ( \varphi ) =  \frac{\mu^2}{\al^2} ( 1- \cos \al \varphi ) $とおくと
\[ {\cal E} = \int_{- \infty}^{\infty} U ( \varphi ) dx = \frac{4 \mu}{\al^2} \sqrt{1 - v^2} \]
と有限になるので(3)はソリトン(孤立波)解である。

2021-09-13

2021年9月 御座石鉱泉から鳳凰三山

 以前こちらで紹介したとおり2年半前の2019年3月に御座石鉱泉から燕頭山へ向かう途中で雪山装備不足のため引き返しました。それ以来、雪のないときに同じルートで鳳凰三山まで行こうと考えていましたが、膝の不安があるので後回しにしていました。とはいえ最近は定期的に登山しているので早めに行けば何とかなるだろうと判断して決行。行程が長いので武尊山の時のように日の出前からヘッドライトを点けて登り始めました。ところが、おにぎり食べながらで注意散漫になっていた為いきなりルートロストしてしまいました。以前、御正体山に登った時のことを思い出しながら冷静にルート復帰できたので助かりました。奥多摩湖から御前山までの登りを思い出しながらの急登。

祠のある旭岳に着くころにはだいぶ明るくなりました。

旭岳到着


QCD 量子色力学 note17: フレーバーカイラル対称性

以前のノートnote11でQCDの「フレーバーカイラル対称性の破れの階層性」について触れましたが、今回のエントリーではこの点について更に詳しく見て行くことにする。

QCDのフェルミオン部分のラグランジアンは
\[ \L = - \sum_{i = 1}^{N_f} \bar{q}_i \ga \cdot D q_i + \mbox{(質量項)} \tag{1}\]
で与えられる。ただし、$D = \d + A$, $A$はグルーオンである。古典レベルでこのラグランジアンの最大の対称性は$U(N_f)_L \times U(N_f )_R$となる。これは
\[ \L = - \bar{q}_{Li} \ga \cdot \d q_{Li} - \bar{q}_{Ri} \ga \cdot \d q_{Ri} + \cdots \tag{2} \]
と書き下せば明らかである。実際にはこのフレーバーカイラル対称性は実現されていない。以下ではカイラル対称性が破れる原因を紹介していく。

(1) 電弱相互作用
電弱ゲージ群 $G_W \subset U(N_f)_L \times U(N_f )_R$ によって明示的にカイラル対称性が破れる。この対称性の破れはクォークと$W, Z$ボソンとの相互作用、クォークとヒッグス場との相互作用を通して起きる。これらの相互作用はQCDラグランジアンの摂動的な補正として扱われ、クォークの質量項だけが残る。これは電弱摂動理論のゼロオーダーであり、そのラグランジアンは
\[ \L = - \bar{q}_i \ga \cdot (\d + A ) q_i - m_i \bar{q}_i q_i \tag{3} \]
で与えられる。このラグランジアンの対称性はとても小さい。全ての軸性対称性は質量項のために自明的に破れる。もし全ての$m_i$が等しければ$U(N_f )_{L+R}$対称性が保たれる。しかし、質量差を考量すると$U(N_f )_{L+R}$より小さな対称性しか持ちえない。$N_f =3$の場合、
\[ U(N_f )_{L+R} = U(3)_V \approx SU(3)_V \times U(1) \]
となる。ここで、$SU(3)_V$はGellMann-Ne'emanによって提唱されたクォーク模型の$SU(3)$群である。$U(1)$はバリオン数を表す。

(2) 強い相互作用によるカイラル対称性の自発的な破れ
クォークの質量も含めて全ての電弱相互作用項が無視できる場合、古典的な対称性は$U(N_f )_L \times U(N_f )_R$ である。この対称性は強い相互作用の閉じ込め効果により$U(N_f )_{L+R}$へ自発的に破れる。これは実験的な事実であるが、理論的に証明されたわけではない。これは自発的な破れの効果によるものでオーダーパラメータを使って記述できる。簡単なオーダーパラメータとして複合演算子$\bar{q}_{Li}q_{Rj}=M_{ij}$を採用する。
\[ \bra \bar{q}_{Li}q_{Rj} \ket = \bra M_{ij} \ket = c \del_{ij} \tag{4} \]
$U(N_f )_L \times U(N_f )_R$変換のもとで$M \rightarrow h^\dagger M g$ ($h \in U(N_f )_L $, $g \in U(N_f )_R )$となる。$\bra M \ket = c {\bf 1}$のとき$U(N_f )_{L+R}$は保存される。$\bra M \ket$が${\bf 1}$に比例しない場合($c$-数でない場合)対称性の破れ方は異なる。このことからパリティは自発的に破れないことを示すことができる。実際、ベクトル的な対称性は自発的に破れないことが示されている。よって、(自発的な対称性の破れによって)$U(N_f )_{L+R}$より小さな対称性が得られることは無い。

ゴールドストンの定理により自発的な対称性の破れ $U(N_f )_L \times U(N_f )_R \rightarrow U(N_f )_{L+R}$ によってコセット多様体$\frac{U(N_f )_L \times U(N_f )_R}{U(N_f )_{V}}$に対応するゴールドストン・ボソンが導かれる。これらは標準的な擬スカラーメソン $\pi, K , \eta ,\eta'$ を与える。元となるカイラル対称性$U(N_f )_L \times U(N_f )_R$はクォークの質量とその他の電弱相互作用によって自明的に破れるので理論の完全な対称性ではない。そのため、これらの擬スカラーメソンは現実世界では無質量とならない。

(3) 軸性アノマリー
軸性アノマリーについて詳しくはnote07を参照のこと。古典的な対称性は$U(N_f )_L \times U(N_f )_R \rightarrow U(N_f )_{L+R}$であるが、フレーバー1重項の軸性$U(1)$対称性はアノマリーによって破られる。このアノマリーは


\[ q \rightarrow e^{i \ga_5 \al } \]
\[ \del_\al \Ga = 2 \al N_f \left[\frac{1}{16 \pi^2} \int F_{\mu\nu}^{a} \widetilde{F}_{\mu\nu}^{a}  \right]  = 2 \al N_f Q\tag{5} \]
となる。ただし、$Q$は整数でインスタントン数を表す。$U(1)_A$は完全に破れるわけではなく離散的な部分群は残る。(この点については後で議論する。)

2021-09-09

QCD 量子色力学 note16: ハドロンとレプトンの深非弾性散乱

前回のnote15の続きです。(ノートはあと3つ!)今回はQCDの発展に歴史的に重要な深非弾性散乱を取り上げる。この実験によりクォーク(ファインマンはパートンと呼んでいたらしい)の存在が実証されQCDの研究が進んだ。ここでは例として電子$e$と陽子$p$の散乱について考える。
 

上記のように運動量を指定する。散乱後の陽子の状態を$X$、その運動量を$P_X$とおく。基本的なローレンツ共役な変数は$\nu = p \cdot q$と$q^2$になる。ただし、$q = k - k'$とおく。相互作用のラグランジアンは
\[ \L_{int} = e A_\mu J_\mu + e A_\mu \bar{\Psi} \ga_\mu \Psi \tag{1} \]
となる。ここで、$J_\mu$はハドロンの電磁カレント
\[ J_\mu = \sum_{i} Q_i \bar{q}_i \ga_\mu q_i \tag{2} \]
であり、$i$はフレーバーの指標である。
\[ \begin{eqnarray} Q_i = \frac{2}{3} &~~& \mbox{for} ~~ q_i = u , ~c,~ t \\  Q_i = - \frac{1}{3} &~~&  \mbox{for} ~~ q_i = d, ~s,~ b \end{eqnarray} \]
散乱過程の振幅は(1)より
\[ \A = i e^2 \sqrt{\frac{m}{E_k V} \frac{m}{E_k' V} \frac{M}{E_p V} } \bar{u}_{k'} \ga_\mu u_k \frac{\del_{\mu\nu}}{q^2}\int \bra X | J_\nu (x) | P \ket e^{-iq x } d^4 x \tag{3} \]
とおける。$P$は(4次元)運動量演算子なので
\[ J_\mu (x) = e^{iPx} J_\mu (0) e^{- iPx} \tag{4} \]
と表せる。よって、
\[ \begin{eqnarray} \int d^4 x ~ \bra X | J_\mu (x) | P \ket e^{-iqx} &=& \int d^4 x~ e^{-i (p+q-P_X ) x}  \bra X | J_\mu (0) | P \ket \\ &=& (2 \pi )^4 \del (p+ q -P_X )  \bra X | J_\mu (0) | P \ket  \tag{5} \end{eqnarray} \]
となる。

フラックスが$F= 1/V$となる陽子の静止系($E_p =M$)で考える。また、状態$|X \ket$にある粒子の波動関数因子($\sqrt{\frac{m}{E V}}$など)は省略する。というのも、それらの因子は$V \rightarrow \infty$極限でローレンツ不変な形で位相因子に組み込まれるためである。式(3), (5)から散乱断面積は
\[  \begin{eqnarray}  d \si &=& \sum_{k' , P_X} \frac{|\A|^2}{\tau F} = \frac{V}{(2 \pi )^3} d^3 k' \sum_X \frac{e^4 V}{\tau } \frac{m}{E_k V}\frac{m}{E_{k'} V} \frac{1}{V} \frac{1}{q^4} \tau V (2 \pi )^4 \del (p + q - P_X ) \\ && ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~\times \hf \sum_{s, s'} \left( \bar{u}_{k'}^{s} \ga_\mu u_{k}^{s'} \, \bar{u}_{k}^{s'} \ga_\nu u_{k'}^{s} \right) \hf \sum_{P: \mbox{偏極}} \bra X | J_\mu (0) | P \ket \bra P | J_\nu (0) | X \ket  \\ &=& \frac{2 \pi e^4}{q^4} \frac{m}{E_k} \frac{m}{E_{k'}} \left[ \hf \sum_{s, s'} \left( \bar{u}_{k'}^{s} \ga_\mu u_{k}^{s'} \, \bar{u}_{k}^{s'} \ga_\nu u_{k'}^{s} \right)  \right] \\ && ~~ \times \left[ \hf \sum_{P: \mbox{偏極}}\sum_X (2 \pi )^3 \del^{(4)} ( p + q -P_X ) \bra X | J_\mu (0) | P \ket \bra P | J_\nu (0) | X \ket   \right] \frac{d^3 k'}{(2 \pi )^3} \tag{6} \end{eqnarray} \]
ここで、
\[ \sum_s u_k^s \bar{u}_k^s = \frac{{k \!\!\! /} + m}{2m} \]
を用いると
\[ \begin{eqnarray} \frac{2 \pi e^4}{q^4} \frac{m}{E_k} \frac{m}{E_{k'}} \left[ \hf \sum_{s, s'} \left( \bar{u}_{k'}^{s} \ga_\mu u_{k}^{s'} \, \bar{u}_{k}^{s'} \ga_\nu u_{k'}^{s} \right)  \right] &=& \frac{2 \pi e^4}{q^4} \frac{m}{E_k} \frac{m}{E_{k'}} \hf \frac{1}{2m \cdot 2m} \tr \left[ ( {k' \!\!\! /} + m ) \ga_\mu ({k \!\!\! /} + m) \ga_\nu \right] \\ &\simeq& \frac{2 \pi e^4}{q^4} \frac{\big[ k_\mu {k'}_\nu +k_\nu {k'}_\mu - \del_{\mu\nu} k \cdot k'  \big]}{2 E_k E_{k'}} \end{eqnarray} \]
となる。ただし$m= m_e$は$|\vec{k}|^2$あるいは$|\vec{k'}|^2$に比べて充分小さいと仮定した。よって、散乱断面積は
\[ d \si = \frac{2 \pi e^4}{q^4} \frac{\big[ k_\mu {k'}_\nu +k_\nu {k'}_\mu - \del_{\mu\nu} k \cdot k'  \big]}{2 E_k E_{k'}}  W_{\mu\nu} \frac{d^3 k'}{(2 \pi )^3} \tag{7} \]
となる。ただし、$W_{\mu\nu}$は
\[ \begin{eqnarray} W_{\mu\nu} &=& \hf \sum_{P: \mbox{偏極}}\sum_X (2 \pi )^3 \del^{(4)} ( p + q -P_X ) \bra P | J_\nu (0) | X \ket \bra X | J_\mu (0) | P \ket \\ &=& \hf \sum_{P: \mbox{偏極}}\sum_X  \frac{1}{2 \pi} \int d^4 x ~ e^{-i (p+q - P_X) }  \bra P | J_\nu (0) | X \ket \bra X | J_\mu (0) | P \ket \\ &=&  \hf \sum_{P: \mbox{偏極}}\sum_X  \frac{1}{2 \pi} \int d^4 x ~ e^{-i q } \bra P | J_\nu (x) | X \ket \bra X | J_\mu (0) | P \ket \\ &=&  \hf \sum_{P: \mbox{偏極}}  \frac{1}{2 \pi} \int d^4 x ~ e^{-i q } \bra P | J_\nu (x)  J_\mu (0) | P \ket  \end{eqnarray} \]
で与えられる。これはさらに
\[ W_{\mu\nu} = \hf \sum_{P: \mbox{偏極}}  \frac{1}{2 \pi} \int d^4 x ~ e^{-i q } \bra P | \big[ J_\nu (x) ,   J_\mu (0) \big] | P \ket  \tag{8}\]
と書き換えられる。交換子に出てくる余分な項 $J_\mu (0) J_\nu$ はデルタ関数 $\del^{(4)} ( P_X + q - p)$ を与えるが、これは$W_{\mu \nu}$に寄与しない。というのも、このデルタ関数は$P_{X0} = M - q_0$を意味するが、実験室系では$q_0 = E_k - E_k' > 0$なので、中間状態$| X \ket$のエネルギーは$P_{X0} = M - q_0 < M$となるが、そのような状態は散乱過程に寄与しない。(つまり、陽子が崩壊するような状態は存在しない。)よって、$q_0$が正となる状態$| X \ket$は存在しない。我々が関心を持つ現象は$q_0 \rightarrow \infty$の極限である。

2021-09-05

2021年9月 日光白根山

フリーになる日曜日。前々から鳳凰三山を狙っていたのですがあいにくの雨。家に居てもつまらないので朝起きてから浅間山か日光白根山か迷った挙句、ロープウェイがある後者に決めました。家を出たのが8時過ぎ、11時過ぎにロープウェイ山麓駅に着きました。道の駅片品までは尾瀬に行くのと同じ道でした。帰りは日光の方へ抜けようかと考えましたが、いろは坂とか山道が大変そうなので素直に引き返しました。




2021-09-02

QCD 量子色力学 note15: 電荷の定義と閉じ込め

前回のnote14の続きです。今回の内容は前半の電荷に関する部分がナイアの教科書(基礎編)


の10章、後半の閉じ込めについては教科書(発展編)


の19章に詳しい解説があります。ここで紹介するノートはメモ程度のものなので詳細を知りたい方は教科書を参考にして下さい。

ゲージ理論の電荷演算子

\[ S = - \qu \int F_{\mu\nu}^{a}F_{\mu\nu}^{a} d^4 x = + \hf \int \Tr \left( F_{\mu\nu} F_{\mu\nu} \right) d^4 x \tag{1}\]
ただし、$F_{\mu\nu } = -i t^a F_{\mu\nu}^{a} $であり、$SU(3)$の生成子$t^a$は$\Tr ( t^a t^b) = \hf$を満たす。この作用の変分は
\[ \begin{eqnarray} \del S &=& \hf \int \Tr \left[ F_{\mu\nu} D_\mu (\del A_\nu) \right] 4 d^4 x \\&=& 2 \oint \Tr \left( F_{\mu\nu} \del A_\nu \right) d \Si^\mu + (\mbox{運動方程式}) \tag{2}\end{eqnarray}\]
となる。無限小ゲージ変換では$\del A_\mu  = D_\mu \th$とおける。ただし、$\th$は無限小のゲージパラメータ。式(2)より空間表面上での変分は
\[ \del_\th S = 2 \int \tr \left( F_{0i } D_i \th \right) d^3 x \tag{3} \]
となる。このゲージ変換のもとで状態$| \Psi \ket $は
\[ | \Psi \ket_\th = e^{i2 \int \tr (F_{0i} D_i \th ) d^3 x} | \Psi \ket \tag{4} \]
と変換する。ただし、
\[ F_{0i} D_i \th = D_i ( F_{0i} \th ) - \th D_i F_{0i} ~, ~~~~~ F_{0i} = E_{i} \]
である。物理的な状態はガウス則$(D \cdot E = 0)$を満たすので
\[ \tr \th ( D \cdot E ) | \Psi \ket = 0 \tag{5} \]
よって、物理状態は
\[ | \Psi \ket_\th = e^{-i2 \oint_{|\vec{x}| \rightarrow \infty} \tr \th E_i d s^i } | \Psi \ket \]
と変換する。表面積分は無限遠での2次元球面上で評価される。無限小ゲージ変換$\del A_\mu  = D_\mu \th$はネーター対称性として作用するので対応する電荷演算子$Q^a$は
\[ | \Psi \ket_\th = e^{i Q^a \th^a} | \Psi \ket \]
と定義できる。よって、$E_i = - i t^a E_i^a$, $\th = t^a \th^a$とすると 
\[ Q^a = i \oint_{|\vec{x}| \rightarrow \infty}  E_i^a ds^i \tag{6} \]
を得る。ガウス則が自動的に満たされると考えると(4)から直接
\[ Q (\th ) = 2 \int \tr (E_i D_i \th ) d^3 x \tag{7} \]
ともおける。これは2次元面ではなく3次元空間全体での積分として評価される。

2021-08-29

QCD 量子色力学 note14: グルーオン伝播関数の1ループ量子補正

前回のnote13の続きです。グルーオンの作用はnote13の式(4):
\[\begin{eqnarray} S_q &=& \int \Big[ \hf A_\mu^a (- \d^2 ) A_\mu^a + \bar{c}^a ( -\d^2 ) c^a + g f^{abc} A_\mu^b A_\nu^c \d_\mu A_\nu^a  \\ && ~~~~~~~~~~~~~~~~~ + \qu g^2 f^{abc}f^{apq}A_\mu^b A_\nu^c  A_\mu^p A_\nu^q - g f^{abc} \d_\mu \bar{c}^a A_\mu^c c^b \Big] d^4 x \tag{1} \end{eqnarray} \]
で与えられる。またフェルミ粒子との相互作用はnote13の式(5)より
\[ S_{int} = \int \bar{q} ( \ga \cdot D + m ) q = \int \Big[ \bar{q} ( \ga \cdot \d + m ) q - ig \bar{q} \ga \cdot A q \Big] \tag{2} \]
と表せる。これよりグルーオン伝播関数の$g^2$オーダーでの補正は下記の(1), (2), (3), (4)のファインマン図で与えられることが分かる。


ただし、(1),(2)はグルーオンのループ補正、(3)はゴースト場のループ補正、(4)はフェルミ粒子によるループ補正を表す。ここでは、例として(4)の1ループ量子補正の計算を行う。
\[ e^{- S_{int} } = 1 - S_{int} + \frac{(-ig)^2}{2!} \bra \bar{q} {A \!\!\! /} \cdot t q ~\bar{q} {A \!\!\! /} \cdot t q \ket + \cdots \]
なので、グルーオン伝播関数の$g^2$オーダーの項は
\[ \begin{eqnarray} I_{1loop} &=& \frac{(-ig)^2}{2!} \int A_\mu^a (x) \bra \bar{q} (x) t^a \ga_\mu q(x) \, \bar{q} (y) t^a \ga_\nu q(y)  \ket A_\nu^b (y) d^4 x d^4 y \\ &=& \frac{g^2}{2} \int A_\mu^a (x) t_{ij}^{a} t_{kl}^{b} \tr \ga_\mu \bra q^j (x) \bar{q}^k (y) \ket \ga_\nu \bra q^l (y) \bar{q}^i (x) \ket A_\nu^b (y) d^4 x d^4 y \\ &=& \frac{g^2}{2} \int A_\mu^a (x) A_\nu^b (y) \tr (t^a t^b ) ~ \tr \int \ga_\mu \frac{e^{p (x- y) }}{i {p \!\!\! / } + m} \frac{d^4 p}{(2 \pi)^4 } \int \ga_\nu \frac{e^{q (y- x) }}{i {q \!\!\! / } + m} \frac{d^4 q}{(2 \pi)^4 } ~ d^4 x d^4 y  \end{eqnarray} \]
ここで、
\[ A_\mu^a (x) = \int \frac{d^4 }{(2 \pi)^4} A_\mu^a (k ) e^{ikx} \]
などの運動量表示$A_\mu^a (k)$を用いると
\[ \begin{eqnarray} I_{1loop} &=& \frac{g^2}{2} \int \tr (t^a t^b ) A_\mu^a (k) A_\nu^b (k') \del ( p-q + k) \del (q-p + k')  \\ && ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ \tr \left( \ga_\mu \frac{1}{i {p \!\!\! / } + m}  \ga_\nu \frac{1}{i {q \!\!\! / } + m} \right) \frac{d^4 p}{(2 \pi)^4 }\frac{d^4 q}{(2 \pi)^4 } \, d^4 k d^4 k' \\&=& \frac{g^2}{2} \int \tr (t^a t^b ) A_\mu^a (k) A_\nu^b (-k) \, \tr \left( \ga_\mu \frac{1}{i {p \!\!\! / } + m} \ga_\nu \frac{1}{i ({p \!\!\! / } + {k \!\!\! / }) + m} \right) \frac{d^4 k}{(2 \pi)^4 }\frac{d^4 p}{(2 \pi)^4 }   \tag{3}\end{eqnarray} \]
ここで一時的にフェルミ粒子の質量を無視すると
\[ \begin{eqnarray} \tr \left( \ga_\mu \frac{-i{p \!\!\! / }}{p^2} \ga_\nu \frac{-i ({p \!\!\! / } + {k \!\!\! / }) }{(p+k)^2} \right) &=& - \frac{\tr \big[ \ga_\mu {p \!\!\! / } \ga_\nu ({p \!\!\! / } + {k \!\!\! / }) \big]}{p^2 (p+k)^2 } \\ &=& - \frac{4 \big[ p_\mu ( p+k )_\nu + p_\nu (p+k)_\mu - \del_{\mu\nu} p \cdot (p + k) \big] }{p^2 (p+k)^2 }  \end{eqnarray} \]
なので
\[ I_{1loop} =  -2 g^2 \int  \frac{d^4 k}{(2 \pi)^4 } \tr (t^a t^b ) A_\mu^a (k) A_\nu^b (-k) ~ I_{\mu\nu} (k) \tag{4}\]
となる。ただし、
\[ \begin{eqnarray} I_{\mu\nu} (k) &=& \int \frac{d^4 p}{(2 \pi)^4 } \frac{ \big[ p_\mu ( p+k )_\nu + p_\nu (p+k)_\mu - \del_{\mu\nu} p \cdot (p + k) \big] }{p^2 (p+k)^2 } \\&=& \int \frac{d^4 p}{(2 \pi)^4 } \int_0^1 dz \frac{ \big[ p_\mu ( p+k )_\nu + p_\nu (p+k)_\mu - \del_{\mu\nu} p \cdot (p + k) \big] }{\big[ p^2 (1-z) + (p+k)^2 z \big]^2} \\&=& \int \frac{d^4 p}{(2 \pi)^4 } \int_0^1 dz \frac{ \big[ p_\mu ( p+k )_\nu + p_\nu (p+k)_\mu - \del_{\mu\nu} p \cdot (p + k) \big] }{\big[ (p+kz)^2+ k^2 z (1- z) \big]^2} \end{eqnarray} \]
ここで、ファインマン積分公式
\[ \frac{1}{AB} = \int_0^1 dz \frac{1}{\big[ A (1-z) + B z \big]^2} \]
を用いた。$p \rightarrow p - kz$と変数変換すると
\[ I_{\mu\nu} (k) = \int_0^1 dz \int \frac{d^4 p}{(2 \pi)^4 } \frac{ 2 p_\mu p_\nu - p^2 \del_{\mu\nu} + z(z-1) \left( 2 k_\mu k_\nu - k^2 \del_{\mu\nu}  \right)}{\big[ p^2+ k^2 z (1- z) \big]^2} \tag{5} \]
となる。分子の計算で$p$の次数が奇数の場合は$p$についての対称積分のため消去されることに注意。つぎに、$d$次元ユークリッド空間での積分
\[ \begin{eqnarray} \int \frac{d^d p}{(2 \pi )^d} \frac{1}{( p^2 + m^2 )^n} &=&  \frac{1}{(4 \pi)^{d/2}}\frac{\Ga (n-\frac{d}{2})}{\Ga (n)} \left( \frac{1}{m^2} \right)^{n - \frac{d}{2}} \\ \int \frac{d^d p}{(2 \pi )^d} \frac{p^2}{( p^2 + m^2 )^n} &=&   \frac{1}{(4 \pi)^{d/2}} \frac{d}{2} \frac{\Ga (n-\frac{d}{2} -1)}{\Ga (n)} \left( \frac{1}{m^2} \right)^{n - \frac{d}{2}-1} \end{eqnarray} \tag{6}\]
を使って式(5)を変形する。

2021-08-27

QCD 量子色力学 note13: 色力学の量子化

古典的な作用は
\[ S = \int \qu F_{\mu\nu}  F_{\mu\nu} \tag{1}\]
で与えられる。前回のノートnote12の式(8)から、
\[ S_q = \int \left[ \qu F^2  + \frac{1}{2 \al} f^2 - \bar{c} \left( \frac{\del f }{\del \La} \right) c \right] \tag{2} \]
を使って摂動論を定義できる。今の場合はゲージ群が$SU(3)$なので8個のゲージパラメータがあり、ゲージ固定に必要な$f$の数も8となる。例えば、$f^a ( A) = \d \cdot A^a$ $(a = 1,2, \cdots, 8)$ とおける。(一般にゲージ群を$G$とすると$a = 1,2, \cdots , {\rm dim} G$となる。)
\[ \begin{eqnarray} \frac{\del f^a}{\del \La^b } &=& \frac{\del}{\del \La^b} (\d_\mu A_\mu^a ) = \frac{\del}{\del \La^b} (\d_\mu D_\mu \La^a ) \\ &=& \frac{\del}{\del \La^b} \d_\mu \left(\d_\mu \La^a + g f^{apq} A_\mu^p \La^q \right) \\ &=& \d_\mu \left( \d_\mu \del^{ab} - g f^{abc} A_\mu^c \right) \del ( x- y) \end{eqnarray} \tag{3} \] 
よって、式(2)のゴースト項は
\[ - \int \bar{c}^a \d_\mu  \left( \d_\mu \del^{ab} - g f^{abc} A_\mu^c \right)  c d^4 x = \int \d_\mu \bar{c}^a \left( \d_\mu c^a -g f^{abc}A_\mu^c c^b \right) d^4 x \]
となる。また、
\[ F_{\mu\nu}^{a} = \d_\mu A_\nu^a - \d_\nu A_\mu^a + g f^{abc}A_\mu^b A_\nu^c \]
なので
\[ \qu F_{\mu\nu}^{a} F_{\mu\nu}^{a} = \hf \left[ \d_\mu A_\nu^a \d_\nu A_\mu^a - (\d \cdot A )^2 \right] + g f^{abc}A_\mu^b A_\nu^c (\d_\mu A_\nu^a ) + \qu g^2 f^{abc}f^{apq}A_\mu^b A_\nu^c  A_\mu^p A_\nu^q \]
以上より、$\al = 1$とすると式(2)は
\[\begin{eqnarray} S_q &=& \int \Big[ \hf A_\mu^a (- \d^2 ) A_\mu^a + \bar{c}^a ( -\d^2 ) c^a + g f^{abc} A_\mu^b A_\nu^c \d_\mu A_\nu^a  \\ && ~~~~~~~~~~~~~~~~ + \qu g^2 f^{abc}f^{apq}A_\mu^b A_\nu^c  A_\mu^p A_\nu^q - g f^{abc} \d_\mu \bar{c}^a A_\mu^c c^b \Big] \tag{4} \end{eqnarray} \]
となる。これより理論に出てくるファインマン図は


2021-08-26

QCD 量子色力学 note12: 汎関数積分表示 QEDの場合

このノートでは量子電磁気学(QED)を例にゲージ理論の汎関数積分表示を考える。汎関数積分の基本についてはナイアの教科書(基礎編)


の第8章を参考にして下さい。自由場のラグランジアンは
\[ \L = -\qu F_{\mu\nu}F_{\mu\nu} \]
で与えられる。スカラー場やフェルミオン場の理論からの類推で$S$行列の生成汎関数として
\[ Z[ J] = \int e^{ -\qu \int F_{\mu\nu} F_{\mu\nu} d^4 x }e^{\int J_\mu A_\mu} [d A_\mu ] \tag{1} \]
を考える。ここで、
\[ \begin{eqnarray} \int \qu F_{\mu\nu} F_{\mu\nu} d^4 x  &=& \int \hf \left[ \d_\mu A_\nu \d_\mu A_\nu - \d_\nu A_\nu \d_\nu A_\mu \right] d^4 x \\ &=& \int \hf \left[ \d_\mu A_\nu \d_\mu A_\nu - ( \d \cdot A )^2 \right] d^4 x \\ &=& \int \hf A_\mu \left[ - \d^2 \del_{\mu \nu} + \d_\mu \d_\nu \right] A_\nu d^4 x \end{eqnarray} \]
なので、
\[ M_{\mu \nu} (x, y) = \left( - \d^2 \del_{\mu \nu} + \d_\mu \d_\nu \right) \del (x- y) \tag{2}\]
とおく。このとき、$M$の逆行列$M^{-1}$は存在しない。というのも$4 \times 4$行列$( - \d^2 \del_{\mu \nu} + \d_\mu \d_\nu )$が特異行列、つまり光子$k^2 = 0$に対して$\det ( - k^2 \del_{\mu\nu} - k_\mu k_\nu ) = 0$となるためである。この問題はゲージ不変性に起因する。それを見るためにゲージ変換 $A_\mu \rightarrow A_\mu + \d_\mu \La$ を考えよう。 $\phi_\mu = \d_\mu \La$の形で表せるモードに対して
\[ \int d^4 y M_{\mu\nu} (x , y) \phi_\nu (y)  = \left( -\d^2 \phi_\mu + \d_\mu ( \d \cdot\phi ) \right) = 0 \tag{3} \]
となる。つまり、$\phi_\mu = \d_\mu \La$は固有値がゼロとなる$\M_{\mu\nu}$の固有ベクトルである。汎関数積分(1)を定義するに当たりそのようなゲージあるいは物理的でない自由度は$A_\mu$から除かれる必要がある。

そこでまず関数空間$\A$を
\[ \A = \{ A_\mu (x) \}= \{ \mbox{すべてのポテンシャルの空間} \} \]
と定義する。$A_\mu (x)$はリー代数の要素でもある。
\[ [dA_\mu ] = \prod_{x, \mu , a} A_\mu^a (x) \]
$\A$はアフィン空間である。
\[ A_\mu (x) = A_{\mu}^{(0)} + \xi_\mu \]
ただし、$\xi_\mu (x)$はリー代数の値をもつベクトル場。理論の物理空間$\A_{phys}$は
\[ \A_{phys}  = \A / {\cal G}_* \]
\[ {\cal G}_* = \{ \La (x) \} = \{ \mbox{$|\vec{x}| \rightarrow 0$のとき$\La (x) \rightarrow 0$}となるすべてのゲージ変換 \} \]
と表せる。${\cal G}_*$の要素は理論の中で非物理的な(重複のある)変数を表す。その意味で${\cal G}_*$は理論の真のゲージ対称性と言える。

$\La = 0$から始めて変換の連続を考えると、ゲージ変換は$\A$においてある流れを生成することが分かる。ゲージ自由度を除外するには、これらの流れのラインを横断するような断面$S$を選ぶ必要がある。$S$上の点は$\A_{phys}$の表現を与える。$S$をどのように選ぶかはポテンシャルに課される条件によって決まる。そのような条件はゲージ固定条件と呼ばれ、例えば、$\d \cdot A = 0$や$f(A)=0$などがある。($f(A)$は$A$の汎関数。)

2021-08-21

2021年8月 那須岳(茶臼岳、朝日岳、三本槍岳)

 久しぶりの晴天を利用して那須岳まで。朝8時過ぎに出発、11時20分にロープウェイ山麓駅に到着。何とか11時半のロープウェイに乗れました。

ロープウェイから山頂駅を見上げる

山頂駅の地図

ネットから印刷した簡単な地図しか持参しなかったため準備不足でしたが、とりあえず茶臼岳、朝日岳、三本槍岳まで行く予定で、弁当の入った手提げを持って登りました。標識案内が充実していたので無事予定通り楽しい登山になりました。


茶臼岳山頂



茶臼岳、朝日岳付近の荒涼とした火山の様子。そして、熊見曽根分岐から三本槍岳までのなだらかな湿原のような草原歩き。少し歩くだけで対照的な景色を楽しめました。山歩き自体も岩場から木道までバリエーション豊かで遠くまで行った甲斐がありました。

朝日岳山頂

朝日岳から



三本槍岳到着

三本槍岳から朝日岳、茶臼岳方面

三本槍岳を振り返る

朝日岳と雲の中の茶臼岳

朝日岳付近からの茶臼岳

ここから駐車場へ下山

帰りはロープウェイ山麓駅まで下山。11時半に出て16時半には車まで戻ることが出来ました。赤トンボが多く飛んでいました、三本槍岳までの道でヘビに2度出会いました。清水平にカラスが居ましたがそれ以外の鳥の鳴き声は聞き取れませんでした。火山からの硫黄ガスのためでしょうか鳥が少ないのかもしれません。高山植物は色々と咲いていました。百名山に登るときは早朝から登り始めて12時までには山頂から下山するよう心掛けているのですが、今回もロープウェイのおかげで形だけですが茶臼岳を12時過ぎに下山できました。八甲田山の時もそうでしたが、日帰り登山ではロープウェイを利用して時間節約するのもいいですね。

ルートなど詳しくはこちらから。