2024-07-24

2024年夏 金時山

母をゴルフ場に送迎する間を利用して金時山へ。御殿場からアクセスも良くトンネルで乙女峠を越えるとすぐに金時神社の登山口に。8時過ぎでしたが神社の無料パーキングは既に満車。近くの有料駐車場を利用しました。



2024-07-03

都知事選 2024

わけわからん立候補者が乱立している都知事選、都民として看過できない事態です。とはいえ、一都民としてできるのはまともな候補者に投票することだけなので、今回もフラットな視点で候補者を選ぶことにしました。4年前の前回、こちらで報告したように小野さん、山本さん、小池さんで迷った挙句、結局、無電柱化を唯一公約に掲げていた小池さんに入れました。しかし、未だ公約は実現されず地元の道路もずっと工事中のままです。公約を守らず、守る気もなく、守れなかった理由の説明もない人を再選するのはさすがにバカなので今回はほかの人に入れる予定です。前回出てた小野さんはどうなったのかと調べてみるとなんと日本維新の会から比例で衆議院議員になっていました。山本さんは2022年に参院選で再選されたみたいです。

 今回の候補者でまず目を引いたのがドクター中松候補。以前から挑戦されていて私も毎回投票していましたが、今回はさすがにご高齢なので難しいのではないかと。ただ、そのご健在ぶりには感服するばかりです。つぎに気になったのがエンジニアの安野さん。起業家、AIエンジニア、SF作家という経歴の人が政治にチャレンジしてくれるというのはありがたい。ぜひ応援したいのですが、いきなり東京のトップになって大丈夫なのか少し不安があります。むしろ、トップのブレインとして才能を活かせるのではないか?その点、安芸高田市長だった石丸さんは首長の経験もあり、政策も明確なので安心です。バンカーとして約束された地位を投げ打って政治の世界に挑戦された意志の強さに世襲議員に代表される旧来の政治家にはない可能性を感じます。石丸さんと安野さんが組んで都政を改革してくれれば若い世代もより政治に関心を持ちわけわからん立候補者の数も減るのではと期待します。

2024-07-02

新訳で読む「赤毛のアン」

次女(10歳)がネットで「赤毛のアン」のアニメを見始めたので、一緒に見ることにしました。構成、キャラクターデザイン、背景、音楽、演出など全ての要素が素晴らしく、引き込まれて原作を読むことにしました。


「赤毛のアン」のアニメと言えば、小学5年生頃、登校すると友達の何人かが「マシューが死んだ~」と大騒ぎになっていたので「なにそれ~」と聞いたのが印象に残っていますが、子供が同じ歳になってようやくその感慨が分かりました。以前、NHKの「100分de名著」で茂木健一郎さんが取り上げていたのを興味深く観ましたが、その時は、女の子の作品だからなぁと、原作を手にすることはありませんでした。


その印象は今でも変わりませんが、二人の娘を持つ父親として読んでみるとその内容の深さに新鮮な驚きがあり、楽しく読めました。アニメとの相乗効果で理解が深まりました。折角なので、英語の勉強もしてみようということでこちら


を購入。舞台となったプリンス・エドワード島の様子がカラー写真でふんだんに紹介されておりとても参考になりました。イギリス古来のケルト系文化に由来する自然崇拝とスコットランド国教会を中心としたコミュニティの温かさに何故か懐かしさを感じました。そして主人公の素直な感情表現には、ツッコミどころはあるものの共感せずにはいられない筆力にさすが名著と呼ばれるだけあるなあ、むしろ何故いままで敬遠したのかと反省し、最近時間を持て余している感のある母に一冊送ることにしました。

2024-07-01

11. 共形対称性 vol.3

 11.3 共形代数と臨界現象の普遍性


この節ではまず共形アイソメトリーの代数、つまり共形代数を導出する。この代数は10.2節で導いたアイソメトリーに対するポアンカレ代数の自然な拡張と見做せる。ポアンカレ代数
\[\begin{eqnarray}    \left[ P_\mu , P_\nu \right] &=& 0     \nonumber \\    \left[ M_{\mu \nu} , P_{\al} \right] &=&    i \left( \eta_{\mu\al} P_{\nu} - \eta_{\nu\al} P_{\mu} \right)     \tag{10.29}\\    \left[ M_{\mu \nu} , M_{\al\bt} \right] &=&    i ( \eta_{\mu\al} M_{\nu\bt} - \eta_{\nu\al} M_{\mu\bt}    - \eta_{\mu\bt} M_{\nu\al} + \eta_{\nu\bt} M_{\mu\al} )     \nonumber \end{eqnarray}\]
との類推から、共形対称性の代数は11.1節で導いた共形変換
\[    \xi_\mu  \, = \,    \left\{    \begin{array}{ll}    a_\mu + \om_{\mu \al} \, x^\al    & \mbox{: ポアンカレ変換} \\   \ep \, x_\mu    & \mbox{: スケール変換} \\    b^\al ( x^2 \eta_{\mu \al} - 2 x_\mu x_\al )    & \mbox{: 特殊共形変換}    \end{array}    \right.    \tag{11.6} \]
の生成子を用いて構成できる。一般に、場の演算子の変換の生成子 ${\cal O}$ は
\[\begin{eqnarray}    \phi (x)  ~ \longrightarrow ~ \phi (x + \xi ) & = & \phi (x) +    \xi^\mu \frac{\d \phi}{\d x^\mu}    \nonumber \\    & \equiv &  \phi (x) + i \O \cdot \phi    \tag{10.27} \end{eqnarray}\]
で定義された。よって、共形変換の生成子は演算子
\[\begin{eqnarray}    \O &=& a^\mu \left( - i \frac{\d}{\d x^\mu} \right)    + \om^{\mu\nu} x_\nu \left( - i \frac{\d}{\d x^\mu} \right)    \nonumber \\    &&     + \,\ep \, x^\mu \left( - i \frac{\d}{\d x^\mu} \right)    + \, b_\al \left( x^2 \eta^{\mu \al} - 2 x^\mu x^\al \right)  \left( - i \frac{\d}{\d x^\mu} \right)    \nonumber \\    & \equiv & a^\mu P_\mu    - \frac{\om^{\mu\nu}}{2} M_{\mu\nu} + \ep \, D - b^\mu K_\mu     \tag{11.42} \end{eqnarray}\]
から読み取れる。これより、共形変換の生成子は
\[    \begin{array}{ll}    P_\mu = - i \d_\mu   & \mbox{: 並進変換}    \\    M_{\mu \nu} = x_\mu P_\nu - x_\nu P_\mu  & \mbox{: 回転変換}    \\    D = - i x^\mu \d_\mu & \mbox{: スケール変換}    \\    K_\mu = - i ( 2 x_\mu x^\nu \d_\nu - x^2 \d_\mu ) &    \mbox{: 特殊共形変換}    \end{array}     \tag{11.43} \]
で与えられることが分かる。したがって、共形代数はポアンカレ代数(10.29)と以下の交換関係の組み合わせで構成される。
\[\begin{eqnarray}    \left[ D , P_\mu \right] &=& i P_\mu \, , ~~~~ \left[ D , M_{\mu\nu} \right] \, = \, 0     \nonumber \\    \left[ D , K_\mu \right] &=& - i K_\mu \, , ~~~~ \left[ K_{\mu} , K_{\nu} \right] \, = \, 0     \nonumber \\    \left[ K_\mu , P_\nu \right] &=& i2 ( \eta_{\mu\nu} D + M_{\mu\nu} )     \nonumber \\    \left[ M_{\mu\nu} , K_\al \right] &=& i ( \eta_{\mu \al} K_\nu - \eta_{\nu \al} K_\mu )     \tag{11.44} \end{eqnarray}\]
共形代数は任意の次元 $d$ で成り立つ。$d$ 次元の共形代数は $(d+2)$ 次元ローレンツ代数、あるいは $SO(1, d+1)$ 代数と見做せる。これは次のように理解できる。

 まず、$A, B$ を複合添え字として $A, B = 0, 1,2, \cdots, d-1 , d ,d+1$ とおく。一方、$d$ 次元の添え字はこれまで同様、$\mu ,\nu = 0, 1, 2 ,\cdots d-1$ とする。生成子の集合 $( P_\mu , M_{\mu \nu} , D , K_\mu )$ を表す複合生成子 $J_{AB}$ を
\[\begin{eqnarray}    J_{AB} &=& - J_{BA}  \tag{11.45} \\    J_{\mu \nu} &=& M_{\mu \nu}  \tag{11.46} \\    J_{\mu  d} &=& \frac{ P_\mu + K_\mu}{2}  \tag{11.47} \\    J_{\mu \, d+1} &=& \frac{P_\mu - K_\mu }{2}   \tag{11.48} \\    J_{d \, d+1} &=& D \tag{11.49} \end{eqnarray}\]
と定義する。このとき、共形代数(10.29), (11.44)を用いると複合生成子は交換関係
\[    [ J_{AB} , J_{CD} ] =    i \left( \eta_{AC} J_{BD} - \eta_{BC} J_{AD} - \eta_{AD} J_{BC} + \eta_{BD} J_{AC} \right)    \tag{11.50} \]
を満たすことが確認できる。ただし、ミンコフスキー符号は $\eta_{AB} = (+ -- \cdots - )$ とした。これらの交換関係は $SO(1, d+ 1) $ 代数を成す。言い換えると、$J_{AB}$ は $SO(1, d+1)$ 対称性変換の生成子である。よって、d 次元共形代数は SO(1, d+1) 代数で与えられることが分かる。

 $SO(1, d+ 1) $ 代数の生成子の数は $\frac{1}{2} (d+2)(d+1)$ である。一方、$d$ 次元の共形代数には並進変換が $d$ 個、回転変換が $\frac{1}{2} d(d-1)$ 個、スケール変換が1つ、特殊共形変換が $d$ 個ある。よって、生成子の数の合計は確かに
\[    d + \frac{d(d-1)}{2} + 1 + d = \frac{(d+2)(d+1)}{2}     \tag{11.51} \]
となる。


臨界点と共形対称性

 統計力学において臨界点での2次相転移は長距離の相関関係で特徴付けられる。質量ゼロ・スカラー粒子の $d$ 次元自由理論を考える。この理論の2点相関関数は長距離極限 $| x - y | \rightarrow \infty$ で
\[    \bra \phi (x) \phi (y) \ket \, \sim \, \frac{1}{|x-y|^{d-2+\eta} }    \tag{11.52} \]
と表せる。ここで、$\eta$ は臨界指数と呼ばれる。この長距離相関は物質の局所的な構造とは無関係であり、大域的な幾何学に関係する。平坦なミンコフスキー空間において質量ゼロの点粒子の(大域的な)対称性は共形アイソメトリーで与えられる。よって、2次転移(あるいは臨界点)の物理は共形不変な理論で記述されると考えられる。

 臨界指数 $\eta$ は普遍的な量である。すなわち、その値は物質の詳細に依らない。これは臨界現象の普遍性として知られている。別の臨界指数として $\nu$ があり、これは関係式
\[\begin{eqnarray}    \bra \phi (x) \phi (y) \ket & \sim & e^{ - \frac{|x-y|}{\xi}  }    \tag{11.53} \\    \xi & \sim & ( T - T_c )^{-\nu}    \tag{11.54} \end{eqnarray}\]
で定義される。ただし、$T_c$ は臨界温度であり、$\xi$ は相関長 (correlation length) と呼ばれる。臨界現象はこれらの臨界指数で特徴付けられる。上の考察から、これらの指数の理論的な基礎づけは共形アイソメトリーよって与えられると推測できる。言い換えると、臨界点のタイプは共形変換(と何かしら追加の演算)の表現によって分類されると考えられる。

2024-06-28

11. 共形対称性 vol.2

11.2  共形理論の例



この章では共形理論の例を取り上げて、計量テンソルのスケール変換のもとで理論の作用が不変であることを具体的に見ていく。

マクスウェル電磁理論

 共形理論の典型的な例は光子の理論、つまりマクスウェルの電磁理論で与えられる。平坦なミンコフスキー空間におけるマクスウェル理論の作用は
\[    \S \, = \, - \frac{1}{4} \int d^4 x \, F_{\mu\nu} F^{\mu\nu}    \tag{11.9} \]
で定義される。ただし、$F_{\mu\nu}$ は電磁場のテンソル(場の強さテンソル)
\[    F_{\mu \nu} = \d_\mu A_\nu - \d_\nu A_\mu     \tag{11.10} \]
である。光子の場 $A_\mu = ( A_0 , A_i )$ は静電ポテンシャル $A_0$ とベクトル・ポテンシャル $A_i$ $(i = 1,2,3)$ で構成される。$F_{\mu \nu}$ は$\mu$, $\nu$について反対称であるので、6つの非自明な成分があり、これらは3成分の電場 $E_i$ と3成分の磁場 $B_i$ で表せる。具体的には
\[\begin{eqnarray}    F_{0i} &=& \d_0 A_i - \d_i A_0 \, = \, E_i      \tag{11.11} \\    F_{ij} &=& \d_i A_j - \d_j A_i \, = \, \ep_{ijk} B_k     \tag{11.12} \end{eqnarray}\]
となる。電磁場を用いると $F_{\mu\nu} F^{\mu\nu}$ は
\[\begin{eqnarray}    F_{\mu\nu} F^{\mu\nu} &=& \eta^{\mu \al} \eta^{\nu \bt} F_{\mu\nu} F_{\al\bt}    \nonumber \\    &=& \eta^{00} \nu^{\nu \bt} F_{0 \nu} F_{0 \bt} + \eta^{ij} \eta{\nu \bt} F_{i \nu} F_{j \bt}    \nonumber \\    &=& 2 \eta^{ij} E_i E_j + \eta^{ij} \eta^{kl} F_{ik} F_{jl}    \nonumber \\    &=& 2 \eta^{ii} E_i E_i + \ep_{ikm} \ep_{ikn} B_m B_n    \nonumber \\    &=& -2 E^2 + 2 B^2    \tag{11.13} \end{eqnarray}\]
と表せる。ただし、$E^2 = \vec{E}^2$, $B^2 = \vec{B}^2$ である。これより、作用(11.9)は
\[    \S \, = \, - \frac{1}{4} \int d^4 x ~ F_{\mu\nu} F^{\mu\nu}   \, = \,    \frac{1}{2} \int d^4 x \left( E^2 - B^2 \right)     \tag{11.14} \]
と書ける。

つぎに、曲がった空間での作用を考える。9章で議論したように、強い等価原理(あるいは重力理論のゲージ原理)から、曲がった空間の作用は平坦空間の作用において通常の微分 $\d_\mu$ を共変微分 $\nabla_\mu$ に置き換えることで導出できる。ここで、電磁場テンソル $F_{\mu\nu} $ はこの処方のもとで不変であることに注意する。
\[\begin{eqnarray}    {\cal F}_{\mu\nu} &=& \nabla_\mu A_\nu - \nabla_\nu A_\mu    \nonumber \\    &=& \d_\mu A_\nu - \d_\nu A_\mu \, = \, F_{\mu\nu}    \tag{11.15} \end{eqnarray}\]
ただし、共変微分は $\nabla_\mu A_\nu = \d_\mu A_\nu - \Ga^{\bt}_{\mu\nu} A_\bt$ と定義される。クリストッフェル記号 $\Ga^{\bt}_{\mu\nu}$ は$\mu$, $\nu$について対称である。添え字を計量テンソル $g_{\mu\nu}$ で縮約し変数変換のヤコビアン $\sqrt{-g} = \sqrt{ - \det g}$ を挿入すると曲がった空間上のマクスウェル理論の作用は
\[    \S \, = \, - \frac{1}{4} \int \sqrt{-g} \, d^4 x ~    F_{\mu\nu} F_{\al\bt} \, g^{\mu\al} g^{\nu\bt}     \tag{11.16} \]
と定義される。

 9.1節で言及したように強い等価原理はスピンを持つ粒子には適用されない。一方、弱い等価原理は光子と曲率との相互作用項を作用(11.16)に追加することを許容する。そのような相互作用項は
\[    \S_{int} \, = \,  \int \sqrt{-g} \, d^4 x ~    {\cal R}^{\al}_{\mu\nu\bt} \, F^{\mu\nu} F^{\ga\bt} \, g_{\al\ga}    \tag{11.17} \]
と表せる。ただし、${\cal R}^{\al}_{\mu\nu\bt}$ はリーマン曲率テンソルである。潮汐力に代表されるように物理現象において曲率の関与する項は微小である。よって、(11.17)のような相互作用項を無視して、(11.16)をマクスウェル理論の曲がった空間上の作用と見做せる。作用(11.16)は任意の4次元時空間で共形不変である。これは計量に関わる量の変換則
\[\begin{eqnarray}    && g_{\mu\nu} \rightarrow e^\Om g_{\mu\nu} \, ,    ~~~~ g^{\mu\nu} \rightarrow e^{-\Om} g^{\mu\nu} \, ,    \nonumber \\    && g = \det g \rightarrow e^{4\Om} g \, ,    ~~~~ \sqrt{-g} \rightarrow e^{2\Om} \sqrt{-g}     \tag{11.18} \end{eqnarray}\]
から確認できる。歴史的には、マクスウェル理論の共形不変性は1910年頃に BatemanCunningham によって初めて示された。


質量ゼロ・スカラー粒子の理論

 共形理論のもう1つの例はスカラー粒子の理論である。質量のあるスカラー粒子の曲がった空間上での作用は
\[    \S \, = \,  \int \sqrt{-g} \, d^4 x     \left( \frac{1}{2} \nabla_\mu \phi \, \nabla_\nu \phi \,   g^{\mu\nu}  -  \frac{m^2}{2}  \phi^2 \right)    \tag{11.19} \]
と書ける。ただし、$\phi$ はスカラー場を表す。共変微分の一般的な定義
\[\begin{eqnarray}    \nabla_\mu  T^{\al_1 \al_2 \cdots \al_p}_{\bt_1 \bt_2 \cdots \bt_q}    &=&    \d_\mu T^{\al_1 \cdots \al_p}_{\bt_1  \cdots \bt_q}    + \Ga^{\al_1}_{\mu \al} T^{\al \al_2 \cdots \al_p}_{\bt_1 \cdots \bt_q}    + \cdots    + \Ga^{\al_p}_{\mu \al} T^{\al_1 \cdots \al_{p-1} \al }_{\bt_1 \cdots \bt_q}    \nonumber \\    &&    ~~~~~~~~~~    - \Ga^{\bt}_{\mu \bt_1} T^{\al_1 \cdots \al_p}_{\bt \bt_2 \cdots \bt_q}    - \cdots    - \Ga^{\bt}_{\mu \bt_q} T^{\al_1 \cdots \al_p}_{\bt_1 \cdots \bt_{q-1} \bt}     \tag{10.7} \end{eqnarray}\]
から $\nabla_\mu \phi = \d_\mu \phi$ とおける。しかし、作用(11.19)の運動方程式を考えると2階微分
\[    \nabla_\mu ( \nabla_\nu \phi )  =     \nabla_\mu ( \d_\nu \phi ) = \d_\mu \d_\nu \phi - \Ga_{\mu\nu}^{\la} \d_\la \phi    \tag{11.20} \]
が現れるので、作用(11.19)はクリストッフェル記号の寄与により一般の時空間では共形理論とはならない。よって、共形理論を求めるには平坦なミンコフスキー空間上の作用
\[    \S \, = \, \int \sqrt{-g} \, d^4 x    \left( \frac{1}{2} \d_\mu \phi \, \d_\nu \phi \,    g^{\mu\nu}  -  \frac{m^2}{2}  \phi^2 \right)    \tag{11.21} \]
を考えることが望ましい。ここで、計量は $g_{\mu\nu} = \eta_{\mu\nu} = \diag ( + --- )$ である。計量のスケール変換(11.18)のもとでスカラー場 $\phi$ が
\[    \phi \, \rightarrow \, e^{-\frac{1}{2} \Om} \phi     \tag{11.22} \]
と変換すると仮定すると、質量ゼロ $m= 0$ の場合、作用(11.21)は共形不変となる。これは4次元の質量ゼロ・スカラー理論はミンコフスキー空間上で共形不変であることを意味する。

 同様に、$d$ 次元時空間の質量ゼロ・スカラー場の作用は
\[    \S \, = \, \int  \sqrt{-g} \, d^d x  \left(  \frac{1}{2} \d_\mu \phi \, \d_\nu \phi \, g^{\mu\nu} \right)    \tag{11.23} \]
と表せる。ただし、$g_{\mu\nu} = \eta_{\mu\nu} = \diag ( + - \cdots - )$ である。計量のスケール変換 $g_{\mu\nu} \rightarrow e^{\Om} g_{\mu\nu}$ のもとでスカラー場の変換を
\[    \phi \, \rightarrow \, e^{- \frac{1}{4} ( d -2 ) \Om} \phi    \tag{11.24} \]
と定義すると、作用(11.23)はスケール変換 $g_{\mu\nu} \rightarrow e^{\Om} g_{\mu\nu}$ のもとで不変であることが分かる。つまり、ミンコフスキー空間上の質量ゼロ・スカラー理論は次元に依らず共形不変である


曲がった空間上の質量ゼロ・スカラー理論

 スケール因子が座標の関数 $\Om =\Om (x)$ である場合、スカラー場と曲率の相互作用項を追加することで、曲がった空間上で共形不変な質量ゼロ・スカラー理論を構成することができる。4次元時空においてその作用は
\[\begin{eqnarray}    \S & = & \S_0 \, + \, \S_{int}  \nonumber \\    &=&  \int  \sqrt{-g} \, d^4 x  \left(  \frac{1}{2} \nabla_\mu \phi \, \nabla_\nu \phi \,  g^{\mu\nu} \right)     +  \int \sqrt{-g} \, d^4 x \left(  \frac{\cal R}{6}   \, \phi^2 \right)    \tag{11.25} \end{eqnarray}\]
と表せる。ただし、${\cal R} = {\cal R}_{\nu \al} g^{\nu \al}$ はスカラー曲率(リッチ・スカラー)である。以下では、この作用(11.25)がスケール変換
\[    g_{\mu \nu} \rightarrow \tilde{g}_{\mu\nu} = e^{\Om (x) } g_{\mu\nu} \, , ~~~~    \phi \rightarrow \tilde{\phi} = e^{-\hf \Om (x) } \phi     \tag{11.26} \]
のもとで如何に不変であるかを見ていく。

 作用の自由項 $\S_0$ のスケール変換は
\[    \widetilde{\S}_0 = \int \sqrt{-g} \, d^4 x \,     \left( \frac{1}{2}  \d_\mu \phi \, \d^\mu \phi + \frac{1}{4} ( \d \cdot \d \, \Om ) \phi^2    + \frac{1}{8} (\d_\mu \Om ) ( \d^\mu \Om ) \phi^2 \right)     \tag{11.27} \]
と計算できる。ただし、全微分項は無視した。スカラー場に作用する共変微分は定義より $\nabla_\mu \phi = \d_\mu \phi$ と表せる。よって、クリストッフェル記号 $\Ga_{\mu \nu}^{\la}$ の変換は $\widetilde{\S}_0$ に影響を及ぼさない。一方、(8.45)で見たようにリーマン曲率テンソル ${\cal R}^{\la}_{\mu \nu \al}$ は $\Ga_{\mu \nu}^{\la}$ で定義されるので、リッチ・スカラーのスケール変換を求めるには、$\widetilde{\Ga}_{\mu \nu}^{\la}$ の効果を考慮する必要がある。実際、$\Ga_{\nu \al}^{\la}$ のスケール変換は
\[\begin{eqnarray}    \Ga_{\nu \al}^{\la} ~ \rightarrow ~  \widetilde{\Ga}_{\nu \al}^{\la}     &=& \frac{1}{2} \tilde{g}^{\la \mu} \left(    \d_\nu \tilde{g}_{\mu \al} + \d_\al \tilde{g}_{\mu \nu} - \d_\mu \tilde{g}_{\nu \al} \right)    \nonumber \\    &=& \Ga_{\nu \al}^{\la} + C_{\nu \al}^{\la}    \tag{11.28} \end{eqnarray}\]
と表せる。ただし、$C_{\nu \al}^{\la}$ は
\[\begin{eqnarray}    C_{\nu \al}^{\la} &=& \frac{1}{2} g^{\la \mu} \left(    ( \d_\nu \Om )  g_{\mu \al} + ( \d_\al \Om )  g_{\mu \nu} - ( \d_\mu \Om )  g_{\nu \al}     \right) \nonumber \\    &=& ( \d_\nu \Om ) \, \del_\al^\la - \frac{1}{2} ( \d^\la \Om ) \, g_{\nu \al}     \tag{11.29} \end{eqnarray}\] 
と定義される。また、10.1節の(10.4)で見たように、ベクトル $\phi^\al$ に作用する共変微分は関係式 $\nabla_\mu \phi^\al  =   \d_\mu \phi^\al + \Ga^{\al}_{\mu \bt} \phi^\bt$ で与えられる。スケール変換のもとでこの式は
\[\begin{eqnarray}    \nabla_\mu \phi^\al ~ \rightarrow ~     \widetilde{\nabla}_\mu \phi^\al &=& \d_\mu \phi^\al + \widetilde{\Ga}_{\mu \bt}^{\al} \phi^\bt    \nonumber \\    &=& \nabla_\mu \phi^\al + C_{\mu \bt}^{\al} \phi^\bt     \tag{11.30} \end{eqnarray}\]
と表せる。ここで、$\widetilde{\nabla}_\mu \phi^\al$ を用いるとリーマン曲率テンソルのスケール変換 $\widetilde{\cal R}^{\la}_{\mu \nu \al}$ は
\[    \widetilde{\nabla}_\mu \widetilde{\nabla}_\nu \phi^\al - \widetilde{\nabla}_\nu \widetilde{\nabla}_\mu \phi^\al    \, = \, \widetilde{\cal R}^{\al}_{\mu \nu \bt} \phi^\bt     \tag{11.31} \]
と定義される。これより、
\[    \widetilde{\cal R}^{\la}_{\mu \nu \al} = {\cal R}^{\la}_{\mu \nu \al}     + \nabla_\mu C_{\nu \al}^{\la} - \nabla_\nu C_{\mu \al}^{\la}     +  C_{\mu \bt}^{\la}  C_{\nu \al}^{\bt} - C_{\nu \bt}^{\la}  C_{\mu \al}^{\bt}    \tag{11.32}\]
と求まる。対応するリッチ・テンソル $\widetilde{\cal R}_{\nu \al}  =\widetilde{\cal R}^{\la}_{\la \nu \al}$ は
\[\begin{eqnarray}    \widetilde{\cal R}_{\nu \al} &=& {\cal R}_{\nu \al}     + \nabla_\la C_{\nu \al}^{\la} - \nabla_\nu C_{\la \al}^{\la}    +  C_{\la \bt}^{\la}  C_{\nu \al}^{\bt} - C_{\nu \bt}^{\la}  C_{\la \al}^{\bt}    \nonumber \\    &=& {\cal R}_{\nu \al}    + \d_\la C_{\nu \al}^{\la} - \d_\nu C_{\la \al}^{\la}    - \Ga_{\la \al}^{\bt} C_{\nu \bt}^{\la} + ( \Ga_{\la \bt}^{\la} + C_{\la \bt}^{\la} ) C_{\nu \al}^{\bt}    \nonumber \\     && \hskip 3.5cm + \Ga_{\nu \al}^{\bt} C_{\la \bt}^{\la} - ( \Ga_{\nu \bt}^{\la} + C_{\nu \bt}^{\la} ) C_{\la \al}^{\bt}    \tag{11.33} \end{eqnarray}\]
と計算できる。ただし、共変微分の一般的な定義式(10.7)を用いた。

 式(11.19), (11.20)で述べたように作用(11.25)の自由項 $\S_0$ で共変微分を用いると運動方程式のレベルで共形不変性が破れる。このことから平坦空間での共形理論(11.21)を導いた。しかし、曲がった空間では $\Ga_{\mu\nu}^{\la}$ はゼロとはならず、その構成から平坦な背景場を用いて共形不変性を導くことはできない。この問題を回避するために、(11.30)で定義したスケール変換された共変微分 $\widetilde{\nabla}_\mu$ に注目して有効的な平坦性の条件を課すことを考える。つまり、「平坦性」の条件
\[    \widetilde{\Ga}_{\nu \al}^{\la} \, =  \, \Ga_{\nu \al}^{\la} + C_{\nu \al}^{\la} \, = \, 0     \tag{11.34} \]
を要請する。この条件はスケール変換された量がある種の平坦空間で定義されることを意味するが、実際の物理空間は $\Ga_{\nu \al}^{\la} = - C_{\nu \al}^{\la} \ne 0$ を満たすゼロでない曲率を持つ。以下で見るように、この条件は曲がった空間上での質量ゼロ・スカラー理論(11.25)の共形不変性に不可欠であることが分かる。条件(11.34)のもとでスケール変換されたリッチ・テンソル(11.33)は
\[    \widetilde{\cal R}_{\nu \al} \, = \, {\cal R}_{\nu \al}     + \frac{1}{2} \d_\nu \d_\al \Om - \frac{1}{2} ( \d \cdot \d \, \Om ) \, g_{\nu \al}    + \frac{1}{4} \d_\nu \Om \, \d_\al \Om - \frac{1}{4} \d_\la \Om \, \d^\la \Om \, g_{\nu \al}     \tag{11.35} \]
と表せる。これに対応するリッチ・スカラーは
\[    \widetilde{\cal R} \, = \, \widetilde{\cal R}_{\nu \al} \tilde{g}^{\nu \al} \, = \,     e^{- \Om} \left( {\cal R} - \frac{3}{2} ( \d \cdot \d \, \Om ) - \frac{3}{4} \d_\la \Om \,  \d^\la \Om \right)     \tag{11.36} \]
となる。式(11.27), (11.36)から作用
\[    \S = \int \sqrt{-g} \, d^4 x \left( \frac{1}{2} \d_\mu \phi \d_\nu \phi \, g^{\mu\nu}    + \frac{1}{6} {\cal R} \phi^2 \right)    \tag{11.37} \]
が計量テンソルのスケール変換(11.26)のもとで不変であることが確認できる。ここで、通常の微分 $\d_\mu$ を共変微分 $\nabla_\mu$ で置き換えることはせず、「平坦性」の条件(11.34)から、恒等式 $\widetilde{\nabla}_\mu = \d_\mu$ を課していることに注意する。

 作用(11.37)の運動方程式は
\[    \d_\mu \d_\nu \phi \, g^{\mu \nu} + \frac{1}{3} {\cal R} \phi \, = \, 0     \tag{11.38} \]
で与えられる。スケール変換(11.26)のもとで、これは
\[\begin{eqnarray}    \widetilde{\nabla}_\mu \widetilde{\nabla}_\nu \tilde{\phi} \, \tilde{g}^{\mu\nu}    + \frac{1}{3} \widetilde{\cal R} \tilde{\phi}    &=& \d_\mu \d_\nu \tilde{\phi} \, \tilde{g}^{\mu\nu} + \frac{1}{3} \widetilde{\cal R} \tilde{\phi}    \nonumber \\    &=& e^{- \frac{3}{2} \Om } \left( \d_\mu \d_\nu \phi \, g^{\mu\nu} + \frac{1}{3} {\cal R} \phi \right)    \tag{11.39} \end{eqnarray}\]
と表せる。ただし、(11.36)の $ \widetilde{\cal R}$ を用いた。上式は運動方程式(11.38)が共形不変であることを明示している。(11.39)には共変微分が関与しない。このことから曲がった空間上の共形不変なスカラー場の作用として(11.25)ではなく(11.37)を用いるのが妥当であることが分かる。

 まとめると、曲がった空間での質量ゼロ・スカラー理論の共形不変性は作用(11.37)と条件式(11.34)によって実現される。この条件式はスケール因子 $\Om (x)$ の座標依存性を関係式 $C_{\mu \nu}^{\la}  = - \Ga_{\mu \nu}^{\la}$ で決定する。ただし、$C_{\mu \nu}^{\la}$ は(11.25)で定義される。

2024-06-21

庭木の剪定2024: ヒイラギモクセイ、金木犀、シマトネリコ

先日、強剪定したのですが、まだしっくりこないので太い枝をバッサリ切ることにしました。玄関前のヒイラギモクセイ。



2024-05-27

11. 共形対称性 vol.1


この章では前章に引き続いてアイソメトリーについて考える。物理においてスケールに依らない事象が多々存在する。例えば、質量ゼロの光子の振る舞いはスケールに依らない。絶対温度 $T \simeq 2.7 \, {\rm K}$ での宇宙マイクロ波背景放射は $ \frac{1}{e^{\om / T} -1} $ の関数で表されるプランク分布で説明できる。($\om$ は光子の角運動量。) この関数は温度$T$を適当に再定義すればスケール変換のもとで不変である。これは次のように理解できる。スケール因子を $a = a(t)$ とすると、平坦なFLRW計量は $ds^2 = dt^2 - a ^2 (dx^2 + dy^2 + dz^2 )$ となる。このとき光子の波動方程式は $\left( \frac{\d^2}{\d t^2} - \frac{1}{a^2} \nabla^2 \right) A = 0$ と表せるので、平面波の解 $A \sim e^{\pm i px}$ に対して、$\om^2 \sim \frac{k^2}{a^2}$ と求まる。ここで、$ k^2 = | \vec{k}|^2 $ であり、$\vec{k}$ は運動量ベクトルを表す。つまり、$\om$ は光子が質量ゼロである限り $\om \sim 1 / a$ の形でスケール因子に依存する。一方、10.3節で議論したように温度は宇宙の膨張とともに下がり $T \sim 1 / a$ と振る舞う。よって、分布関数 $\frac{1}{e^{\om / T} -1}$ はスケール変換のもとで不変であることが分かる。しかし、この例ではスケール因子 $a$ は計量の対称性ではない。理論のスケール不変性を実現するには、一般に、拡張された対称性が必要となる。これは計量のスケール変換のもとでの対称性であり、共形アイソメトリーあるいは共形対称性と呼ばれる。この章ではこの共形対称性について考える。

11.1 共形対称性と共形キリング方程式



共形対称性(あるいは共形アイソメトリー)は計量のスケール変換 $g_{\mu \nu} \rightarrow e^\Om g_{\mu\nu}$ のもとでの対称性である。ここで、$\Om$は定数である。スケール変換のもとで計量の変分は
\[    \del g_{\mu\nu} \, = \, \la g_{\mu\nu}    \tag{11.1}\]
と表せる。ただし、$\la$は定数。この対称性は深遠な意味を持つ。10.1節で議論したアイソメトリーとキリング方程式の導出(10.9)-(10.14)に従うと、共形アイソメトリーは
\[    \nabla_\mu \xi_\nu + \nabla_\nu \xi_\mu    \, = \, \la g_{\mu\nu}    \tag{11.2} \]
で定義されることが分かる。ただし、$\nabla_\mu$ は共形微分(10.6)であり、$\xi_\mu$ は座標変換 $x^\mu \rightarrow x^\mu + \xi^\mu (x)$ で与えられる。式(11.2)は共形キリング方程式と呼ばれる。計量テンソルの逆元 $g^{\mu\nu}$ で縮約をとると、(11.2)は $2 \nabla_\mu \xi^\mu  =  4 \la$ となる。つまり、
\[    \la \, = \, \hf \nabla \cdot \xi     \tag{11.3} \]
を得る。よって、共形キリング方程式は
\[    \nabla_\mu \xi_\nu + \nabla_\nu \xi_\mu - \frac{1}{2} ( \nabla \cdot \xi )  g_{\mu\nu}  \, = \, 0     \tag{11.4} \]
と表せる。この方程式の任意の解 $\xi_\mu$ は与えられた計量テンソル $g_{\mu\nu}$ に対する共形変換を与える。

 つぎに、簡単のため、平坦なミンコフスキー空間 $g_{\mu\nu} = \eta_{\mu\nu}$ を考える。ただし、符号は $\eta_{\mu\nu} = (+---)$ とおく。平坦空間ではクリストッフェル記号がゼロとなるので ($\Ga_{\mu\nu}^{\la} = 0$) 共形キリング方程式は
\[    \d_\mu \xi_\nu + \d_\nu \xi_\mu - \hf ( \d \cdot \xi ) \eta_{\mu\nu}    \, = \, 0     \tag{11.5} \]
と書ける。この共形キリング方程式の解は以下で与えられる。
\[    \xi_\mu  \, = \,    \left\{    \begin{array}{ll}    a_\mu + \om_{\mu \al} \, x^\al    & \mbox{: ポアンカレ変換} \\   \ep \, x_\mu    & \mbox{: スケール変換} \\    b^\al ( x^2 \eta_{\mu \al} - 2 x_\mu x_\al )    & \mbox{: 特殊共形変換}    \end{array}    \right.    \tag{11.6} \]
ただし、$a_\mu$, $b_\mu$ は任意の4元ベクトルを表す。また、$\ep$ は定数である。$\om_{\mu \al}$ は$\mu$, $\al$について反対称であるので、トレース・ゼロ $\om_{\mu}^{\mu} = 0$ となる。よって、ポアンカレ変換が共形キリング方程式の解であることは明らかである。スカラー変換 $\xi_\mu = \ep x_\mu$ の解は関係式
\[\begin{eqnarray}    \d_\mu \xi_\nu + \d_\nu \xi_\mu &=& 2 \ep \, \eta_{\mu\nu}     \nonumber \\    (\d \cdot \xi ) &=& \ep \, \d_\mu x^\mu = 4 \ep     \nonumber \end{eqnarray}\]
から簡単に確認できる。また、特殊共形変換 $\xi_\mu = b^\al ( x^2 \eta_{\mu \al} - 2 x_\mu x_\al )$ についても関係式
\[\begin{eqnarray}    \d_\mu \xi_\nu &=&    b^\al ( 2 x_\mu \eta_{\nu\al} - 2 \eta_{\mu\nu} x_\al - 2 \eta_{\mu\al} x_\nu )     \nonumber \\    \d_\nu \xi_\mu &=&    b^\al ( 2 x_\nu \eta_{\mu\al} - 2 \eta_{\mu\nu} x_\al - 2 \eta_{\nu\al} x_\mu )     \tag{11.7} \\    \d \cdot \xi &=&    b^\al ( 2 x_\al - 8 x_\al - 2 x_\al ) \, = \, - 8 b^\al x_\al     \nonumber \end{eqnarray}\]
から、$\xi_\mu$ が共形キリング方程式(11.5)を満たすことがチェックできる。以上から、共形アイソメトリーはポアンカレ変換で表される通常のアイソメトリーだけでなく、スカラー変換と特殊共形変換で表される対称性を含むことが分かる。

 特殊共形変換の物理的な意味を見るために、座標の逆元 $y^\mu = x^\mu / x^2$ を考える。(複素座標の場合、逆座標 $z \rightarrow 1 / z = \bz / (z \bz )$ をとることは正則性の変換に対応することに注意。)$| b^\mu | $が微小であるとして$y^\mu$の微小変換 $y^\mu \rightarrow y^\mu + b^\mu$ を考えると、この変換のもとで $x^\mu = y^\mu / y^2$ の変換 $x^\mu \rightarrow x^{\prime \mu }$は
\[\begin{eqnarray}    x^{\prime \mu } \, = \, \frac{(y+b)^\mu}{(y+b)^2}    \, \simeq \, \frac{y^\mu + b^\mu }{ y^2 + 2 y \cdot b}    & \simeq & \frac{y^\mu}{y^2} + \frac{b^\mu}{y^2}    - \frac{y^\mu}{y^2}\frac{2 y \cdot b}{y^2}    \nonumber \\    &=& x^\mu + b^\al ( x^2 \eta_{\al}^{\mu} - 2 x^\mu x_\al )     \tag{11.8} \end{eqnarray}\]
と計算できる。これより、特殊共形変換は逆座標 $y^\mu  = x^\mu / x^2$ の4元ベクトル $b^\mu$ 分の並進変換であると見做せることが分かる。

2024-05-23

宇宙論:入門書から専門書まで紹介

 最近、久しぶりに手元にある宇宙論の本を見直したので少し古いですが紹介します。入門書としておススメは断然、真貝寿明(著)「現代物理学が描く宇宙論」


歴史的な側面も理論的な側面も初学者に分かりやすく充分に説明してくれている意欲作。図解や人物画もふんだんに取り入れていて、内容に親しみが持てるようとても配慮されています。ハッキリ言って素晴らしい。大学は入ったときにこういう本で勉強したかった!いまの学生はいいですね。

つぎに、ある程度全体像が分かったらおススメなのが松原隆彦(著)「現代宇宙論――時空と物質の共進化」


専門的な分野についてもとても丁寧に解説されていて、これを読み通せば現代宇宙論の研究が始められるのではないでしょうか。宇宙論を目指す学生必読の書です。

より最近の話題も含めた教科書としては辻川信二(著)「現代宇宙論講義」


がとても良かったです。最後まで読み通せていませんが、大学院レベルの講義録が手軽に読めるのはありがたいです。宇宙論の全体像を把握した後で読むとより理解が深まることでしょう。

2024-05-22

10. アイソメトリーと宇宙論的な解 vol.4

前回のエントリでは一様等方宇宙のFLRW計量からフリードマン方程式
\[\begin{eqnarray}       \frac{\dot{a}^2}{a^2} + \frac{k}{a^2}  &=& \frac{8 \pi G}{3} (\rho + \La )     \tag{10.43}\\     \dot{\rho} +  \frac{3 \dot{a}}{a} ( \rho + P )    & = & 0     \tag{10.47}\end{eqnarray}\]
を導出した。今回はこの方程式の解を考えることで、一様等方宇宙を3つの時代に分類する。

1. 暗黒エネルギー優勢時代

 まず、宇宙定数$\La$が優勢となる場合 $\La \gg \rho$ を考える。宇宙定数は暗黒エネルギーの主な候補の1つなので、この場合は暗黒エネルギー優勢時代と呼ばれる。このとき、方程式(10.43)は
\[    \frac{\dot{a}^2}{a^2} + \frac{k}{a^2} \, = \, \frac{8\pi G}{3} \La     \tag{10.49} \]
となる。平坦空間 $k=0$ の場合、
\[    \frac{\dot{a}}{a} \, = \,  \pm \sqrt{\frac{8 \pi G \La }{3}}     \tag{10.50} \]
を得る。観測によると宇宙は膨張しているので、正の符号を選択すると
\[    a (t) \, = \, a (0) \exp \left( {\sqrt{\frac{8 \pi G \La }{3}} t} \right)     \tag{10.51} \]
と求まる。これは、暗黒エネルギー優勢時代では宇宙がインフレーション(急激な膨張)を起こしていることを示す。ここでは $k = 0$ を仮定したので、インフレーション宇宙における空間は基本的に平坦である。現在の宇宙では宇宙定数$\La$は未知の何か別の理由によってその大部分が相殺されている。よって、現在の宇宙ではインフレーション宇宙の段階から抜け出していると考えられる。

2. 放射優勢時代

 この時代は宇宙がほとんど光子で満たされる相対論的な極限に対応する。等方宇宙が断熱膨張しているとすると、関係式
\[    P \, = \, \frac{1}{3} \rho     \tag{10.52} \]
が成り立つ。よって、方程式(10.47)は
\[    \frac{\dot{\rho}}{\rho} + \frac{ 4 \dot{a}}{a} \, = \, 0    ~~ \longrightarrow ~~    \rho \, = \, \frac{\si}{a^4}    \tag{10.53} \]
となる。ただし、$\si$は定数である。シュテファン-ボルツマンの法則 ($\rho \sim T^4$) と比較すると、放射ガスの温度は $T \sim 1/a$ と見做せる。$k = 0$ の場合、方程式(10.43)は
\[    a \dot{a} \, = \, \sqrt{\frac{8 \pi G \si}{3}}     \tag{10.54} \]
と書ける。この一般解は
\[    a^2 \, = \, 2 \sqrt{\frac{8\pi G \si}{3}}\, t    ~~ \longrightarrow ~~   a \sim \sqrt{t}      \tag{10.55} \]
で与えられる。宇宙の温度 $T \sim 1/a$ は時間とともに冷却する。これは、ある時点で荷電粒子(主に電子と陽子)の再結合が起こり電気的に中性なガス(主に水素原子)が現れることを示唆する。さらに、物質から光子の放射が分離される(宇宙の晴れ上がり)。宇宙が中性化し膨張すると宇宙はさらに冷却する。こような宇宙の熱的な遷移の描像は宇宙マイクロ波背景放射の観測やヘリウム、リチウムの元素合成の割合についての観測結果から正しいと確認されている。

3. 物質優勢時代

 宇宙の晴れ上がりが起きると、エネルギー密度 $\rho$ が優勢になり、圧力 $P$ と宇宙定数 $\La$ を無視できる。さらにインフレーション宇宙では $k=0$ と仮定できる。このとき、基本方程式(10.47), (10.43)はそれぞれ
\[\begin{eqnarray}     \rho &=& \frac{\si^\prime}{a^3}     \tag{10.56} \\     \sqrt{a} \dot{a} &=& \sqrt{\frac{8 \pi G \si^\prime}{3}}    \tag{10.57} \end{eqnarray}\]
と書ける。ただし、$\si^\prime$は定数である。(10.57)から
\[    \frac{d}{dt} \left( a^{\frac{3}{2}} \right)    \, = \,    \frac{3}{2} \sqrt{\frac{8 \pi G \si^\prime}{3}}    ~~ \longrightarrow ~~    a \sim t^{2/3}        \tag{10.58} \]
が分かる。(10.56)と合わせると、$\rho \sim \si^\prime / t^2$ となる。$\rho$ と $t$ の関係性は放射優勢時代(10.53)と変わらない。また、(10.55)と(10.58)から宇宙の膨張率は放射優勢時代よりも物質優勢時代のほうが大きいことが分かる。

2024-05-20

10. アイソメトリーと宇宙論的な解 vol.3

10.3 FLRW計量と宇宙論的な解

この節では宇宙の計量として最も蓋然性の高いものとその解を考える。まず初めに、宇宙の計量に時間並進の不変性を課すことはできない。というのも、もしそうなら歴史は存在しないためである。そこで、宇宙について次の二つの原理を課す。
  1. 特別な原点を持たない一様宇宙(空間並進不変性)
  2. 特別な方向を持たない等方宇宙(空間回転不変性)
よって、宇宙の計量は空間並進と空間回転のキリング・ベクトルを持つと推測できる。そのような計量の試行関数はフリードマン・ルメートル・ロバートソン・ウォーカー計量 (FLRW計量) 
\[    d s^2 \, = \,    dt^2 - a^2 (t) \left(    \frac{dr^2}{1 - k r^2} + r^2 d \th^2 + r^2 \sin^2 \th \, d \varphi^2    \right)     \tag{10.32} \]
で与えらえる。ただし、$a(t)$は時間に依存するスカラー因子を表す。動径座標$r$の規格化は$a$に吸収されるので、$k$として3つの場合のみを考えればよい。すなわち、 $k = 0, + 1, -1$ である。$k = 0$ の場合、FLRW計量の空間部分は $ d r^2 + r^2 d \th^2 + r^2 \sin^2 \th \, \d \varphi^2 = dx^2 + dy^2 + dz^2$ と書けるので、計量は平坦な空間を表す。$k = +1$ の場合、FLRW計量の空間部分は
\[    \frac{d r^2}{1-r^2} + r^2 d \th^2 + r^2 \sin^2 \th  \, d \varphi^2    \, = \,    d \al^2 + \sin^2 \al \, ( d \th^2 + \sin^2 \th \, d \varphi^2 )    \tag{10.33} \]
となる。ただし、$r$を $r = \sin \al$ とパラメータ表示した。これは3次元曲面$S^3$の計量を与える。同様に、$k = -1$ の場合は $r = \sinh \al$ とパラメータ表示すると、負の曲率を持つ3次元双曲面(ロバチェフスキー多様体)の計量となる。よって、空間の幾何学は$k$によっては次のように分類できる。
\[    k \, = \,    \left\{    \begin{array}{ll}      0 & \mbox{ユークリッド幾何学 (平坦空間)} \\      1 & \mbox{曲率が正のリーマン幾何学 (3次元球面)} \\      -1 & \mbox{曲率が負のリーマン幾何学 (双曲幾何学)}    \end{array}    \right.    \tag{10.34} \]

 一様等方な宇宙を仮定すると宇宙は理想流体で満たされていると近似できる。このときアインシュタイン方程式は
\[    {\cal R}_{\mu\nu} \, - \, \frac{1}{2} g_{\mu\nu} {\cal R}    \, - \, 8 \pi G \La \, g_{\mu\nu} \, = \,  8 \pi G \, T_{\mu\nu}     \tag{10.35} \]
と書ける。ただし、$T_{\mu\nu} $は理想流体のエネルギー・運動量テンソル
\[    T_{\mu\nu} \, = \,    ( \rho + P ) u_\mu u_\nu - P g_{\mu\nu}    \tag{10.36} \]
で与えられる。ここで、$u_\mu$は流体の4元速度ベクトルであり、$\rho$と$P$はそれぞれ流体のエネルギー密度と圧力を表す。一様等方宇宙では空間成分の速度 $u_i$ をゼロとおける。つまり、静的な座標フレームを選ぶことができる。よって、$T_{\mu\nu}$のゼロでない成分は
\[    T_{00} = \rho \, , ~~    T_{11} =  - P g_{11} \, , ~~T_{22} =  - P g_{22} \, , ~~ T_{33} =  - P g_{33}    \tag{10.37} \]
となる。ただし、$u_0 u_0 = 1$ を用いた。つぎに、FLRW計量に対応するアインシュタイン方程式を求める。計量テンソルを書き下すと
\[\begin{eqnarray}    && g_{00} = 1 , ~~ g_{11} = - \frac{a^2}{1 - k r^2}  , ~~ g_{22} = - a^2 r^2   , ~~ g_{33} = - a^2 r^2 \sin^2 \th    \nonumber  \\    && g^{00} = 1 , ~~ g^{11} = - \frac{1 - k r^2}{a^2} , ~~ g^{22} =  \frac{-1}{a^2 r^2}  ,     ~~ g^{33} = \frac{-1}{a^2 r^2 \sin^2 \th}     \nonumber \end{eqnarray}\]
となる。ゼロでないクリストッフェル記号の成分は以下で与えらえる。
\[\begin{eqnarray}    && \Ga_{00}^{1} = \frac{a \dot{a}}{1 - k r^2} , ~~ \Ga_{11}^{1} = \frac{kr}{1 - k r^2}    \nonumber \\    &&  \Ga_{22}^{0} = a \dot{a} r^2 , ~~  \Ga_{22}^{1} = - ( 1 - k r^2 )r  ~~     \nonumber \\    &&   \Ga_{33}^{0} = a \dot{a} r^2 \sin^2 \th , ~~ \Ga_{33}^{1} = - ( 1 - k r^2 )r \sin^2 \th  , ~~     \Ga_{33}^{2} = - \sin \th \cos \th    \nonumber \\    && \Ga_{01}^{1} = \Ga_{02}^{2} = \Ga_{03}^{3} = \frac{\dot{a}}{a} , ~~     \Ga_{12}^{2} = \Ga_{13}^{3} = \frac{1}{r} , ~~  \Ga_{23}^{3} = \frac{\cos\th}{\sin \th} \nonumber \end{eqnarray}\]
必要となるリッチ・テンソルは
\[\begin{eqnarray}    {\cal R}_{00} &=&  -3 ( \d_0 + \Ga_{01}^{1} ) \Ga_{01}^{1} \, = \, - \frac{3 \ddot{a}}{a} \tag{10.38} \\    {\cal R}_{11} &=&   ( \d_0 + \Ga_{01}^{1} ) \Ga_{11}^{0} - 2 \left(  \d_1 + ( \Ga_{11}^{1} - \Ga_{12}^{2} ) \right)  \Ga_{12}^{2}     \nonumber \\    & = &     \frac{1}{1 - k r^2 } ( 2 \dot{a}^2 + a \ddot{a} + 2 k )     \tag{10.39} \\    {\cal R}_{22} &=& ( \d_0 + \Ga_{02}^{2} ) \Ga_{22}^{0} + ( \d_1 + \Ga_{11}^{1} ) \Ga_{22}^{1} -( \d_2 + \Ga_{23}^{3} ) \Ga_{23}^{3}      \nonumber \\    & = &     r^2 ( 2 \dot{a}^2 + a \ddot{a} + 2 k ) \tag{10.40} \\    {\cal R}_{33} &=&  ( \d_0 + \Ga_{03}^{3} ) \Ga_{33}^{0} + ( \d_1 + \Ga_{11}^{1} ) \Ga_{33}^{1} + ( \d_2 - \Ga_{23}^{3} ) \Ga_{33}^{2}    \nonumber \\    & = &     r^2 \sin^2 \th \, ( 2 \dot{a}^2 + a \ddot{a} + 2 k )  \tag{10.41} \end{eqnarray}\]
と計算できる。これより、スカラー曲率は
\[\begin{eqnarray}    {\cal R} &=& {\cal R}_{00} g^{00} + {\cal R}_{11} g^{11} + {\cal R}_{22} g^{22} + {\cal R}_{33} g^{33}    \nonumber \\    &=& - 6 \left(    \frac{ \ddot{a}}{a} +  \frac{ \dot{a}^2 }{a^2} - \frac{k}{a^2}    \right)     \tag{10.42} \end{eqnarray}\]
と求まる。よって、アインシュタイン方程式(10.35)は2つの方程式
\[\begin{eqnarray}    3 \left(    \frac{\dot{a}^2}{a^2} + \frac{k}{a^2}    \right) &=& 8 \pi G (\rho + \La )     \tag{10.43}\\    - \left( \frac{\dot{a}^2}{a^2} + \frac{2 \ddot{a}}{a} +  \frac{k}{ a^2 } \right)    &=& 8 \pi G ( P - \La )     \tag{10.44} \end{eqnarray}\]
に変形できる。(10.43)の時間微分を取ると
\[    3 \frac{\dot{a}}{a} \left(    \frac{2 \ddot{a}}{a} -  \frac{2 \dot{a}^2 }{a^2} - \frac{2k}{a^2}      \right) \, = \,  8 \pi G \frac{d \rho}{d t}     \tag{10.45} \]
を得る。一方、(10.43)と(10.44)の和は
\[    - \left(    \frac{2 \ddot{a}}{a} -  \frac{2 \dot{a}^2 }{a^2} - \frac{2k}{a^2}    \right)  \, = \, 8 \pi G (\rho + P )     \tag{10.46} \]
と表せる。(10.45)と(10.46)から
\[    \dot{\rho} +  \frac{3 \dot{a}}{a} ( \rho + P )    \, = \, 0     \tag{10.47} \]
と求まる。これはエネルギー・運動量の保存則 $\nabla_\mu T_{0}^{\mu} = 0$ あるいは連続方程式と考えられる。連続方程式であることは、$T_{00}$がエネルギー密度、$T_{0i}$がエネルギー・フラックスを表すことから分かる。実際、共変微分の定義(10.7)から $\nabla_\mu T_{0}^{\mu}$ は
\[\begin{eqnarray}    \nabla_\mu T_{0}^{\mu} &=& \d_\mu T_{0}^{\mu} + \Ga_{\mu \la}^{\mu} T_{0}^{\la} - \Ga_{\mu 0}^{\la} T_{\la}^{\mu}    \nonumber \\    &=& \d_0 T_{0}^{0} + \left( \Ga_{10}^{1} +\Ga_{30}^{3} +\Ga_{30}^{3}  \right) T_{0}^{0}    - \left( \Ga_{10}^{1} T_{1}^{1} + \Ga_{20}^{2} T_{2}^{2} + \Ga_{30}^{3} T_{3}^{3} \right)    \nonumber \\    &=& \dot{\rho} +  \frac{3 \dot{a}}{a} ( \rho + P )     \tag{10.48} \end{eqnarray}\]
と計算できる。よって、一様等方宇宙は2つの基本方程式
\[\begin{eqnarray}       \frac{\dot{a}^2}{a^2} + \frac{k}{a^2}  &=& \frac{8 \pi G}{3} (\rho + \La )     \tag{10.43}\\     \dot{\rho} +  \frac{3 \dot{a}}{a} ( \rho + P )    & = & 0     \tag{10.47}\end{eqnarray}\]