2019-05-22

素粒子データ更新作業

個人的な興味で続けている素粒子データ検索システムのデータ更新を行いました。最新版はこちら(日本語英語)です。素粒子データは Particle Data Group が公開しているサイト

http://pdg.lbl.gov/2019/mcdata/mass_width_2019.mcd

から取得しました。定期的に最新の素粒子情報(質量と崩壊幅)が公開されています。以前は、

http://pdg.lbl.gov/2008/mcdata/mass_width_2008.csv

のように素粒子が持つ量子数(I = アイソスピン, G = パリティ, J = スピン, P = 空間パリティ, C = 荷電共役)やクォーク構成も公開されていました。量子数などについてもスクリーニングできる2008年版の検索システムはこちら(日本語英語)です。これらのデータには未確定のものも多かったようで、最近は質量・崩壊幅のデータのみが公開されています。2014年版のデータではヒッグス粒子の情報が新たに追加されました。

去年のデータの登録粒子数は214でしたが、今年は212に増えました。3つのニュートリノ($\nu_e$, $\nu_\mu$, $\nu_\tau$) と h(1)(1415), a(1)(1640), a(2)(1700) が新規登録され、K*(892)のうち電荷が+1のデータが生成過程別に2つ登録されました。こちらの情報(去年のものはこちら)によるとK*(892)メソンはハドロン散乱過程で生成されるか$\tau$レプトンの崩壊過程で生成されるかで質量・崩壊幅が若干変化します。去年のデータから粒子名が変更となったものも2つありました。a(4)(2040) が a(4)(1970) へ、D*(0)(2400) が D*(0)(2300) へそれぞれ改名されています。

これらの解析はデータベースの差分を取ることで行いました。mysqlのDBを使っているので

https://qiita.com/Hiraku/items/71873bf31e503eb1b4e1

で紹介されているクエリを参考にしました。

前出の公開サイトをよく見るとニュートリノの情報やクォークの崩壊幅はまだ精度よく観測されていないようで空白となっています。データベース作成にあたり数値データはfloat型で取得したため、これら空白のデータもゼロと表示されます。最新版の素粒子データ検索システムでは、質量・振幅幅の項目でゼロと表示されているデータは、g, gamma, e, p, Lambda(1830)のものを除いて、公開サイトでは空白となっているデータであることに注意してください。

2019-05-09

甲府盆地、微積分、バイオリン発表会、孔子の言葉

連休前半の4/29は長女の保育園つながりの3家族と川上村に行きBBQを楽しんだ後、三鷹市川上郷自然の村で一泊しました。帰りは信玄堤公園に寄った後、山梨県立科学館で遊びました。どちらも最近見たブラタモリの甲府盆地編で取り上げられていたところだったので甲府盆地の理解が少しは深まりとてもよかったです。甲府盆地は太宰治がシルクハットを逆さまにしたようだと書いていましたがその比喩は大雑把すぎます。そもそも盆地自体が円形ではないですし。

5/2は久しぶりに大学の友人たちと会いました。教養学部でスペイン語を選択したクラスメイトです。卒業後も何度かあってお互いに結婚式にも行ったりしていたのですがここ最近は子育てなどで忙しく会っていませんでした。いま駒場の教養学部で微積分を非常勤で教えているという数学者の友人がいたので、経験上微積分の試験はどうしても暗記中心になってしまうので公式集を配布しないの?アメリカではその方が主流のような気がするけどと聞いてみましたが、試験問題についてはある程度共通の形式が決まっているそうで、1教員の独断で決めることはできないそうです。ということは、今でも学生は試験前に$\arctan$などが出てくる積分の公式を覚えているのでしょうね。あれで数学嫌いになってしまわなければいいのだけど。情報処理系の友人がこちらで提唱するようMathematicaなど計算ツールの発達した現代ならもっとコンピュータを使ったアプローチで教えてもい良いのではないでしょうか。

5/4は次女のバイオリンの発表会でした。まだ小学校にも上がらないのにプロのように弾く子供たちがいて驚嘆しました。妻によると特別に上手かった子はお母さんがバイオリンの先生とのことで納得しました。