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2026-05-14

庚申山荘前泊で皇海山


 テニス仲間の一人がご夫妻で百名山最後となる皇海山(すかいさん)に登るというので急遽参加してきました。都内13時に出発、東北道、日光経由で足尾の登山口まで。足尾銅山、田中正造で有名な足尾に初訪問。渡良瀬川沿いの道は山深く新緑が清々しい。4月から庚申山荘(こうしんさんそう)がリニューアルオープンということで、寝袋と4.5Lの水分を担いで山荘まで。

2026-03-18

最近読んだ本:井沢元彦さんの歴史本

YouTubeの逆説チャンネル


で紹介されていた


をKindle版で一気に読みました。「読めば分かる!」とおっしゃる通りこれまでただ暗記していた歴史事実の遠因やその意味が分かって楽しかったです。歴史に興味ある方は既にご存じだと思いますが、おススメです。基となっているのは井沢さんのライフワークである日本の通史を扱った『逆説の日本史』。せっかくなので古代黎明編

2025-06-04

シジュウカラがいつの間にか巣立っていました

久しぶりにシジュウカラが来てくれました。去年は来なかったので2年振り。


先月、晴れた日の朝に様子を見てみるといつの間にか巣立っていました。シジュウカラと言えば、シジュウカラ語がだいぶ解明されているみたいです。


こちらでいろいろと新発見が紹介されていて勉強になりました! 

巣箱の穴を補強しないと来年は来てくれないかもしれないので、秋になったらホームセンター行くか。直径27ミリの穴開けてもらえるかな~。

2025-04-19

最近読んだ本:星新一著『明治・父・アメリカ』ほか

長女が入学早々大学から渡された本がこれ。


創立者・星一(はじめ)の半生記。手に取ってみると、稀代のストーリーテラーであり長男の星新一が著しているだけあって、興味深い内容ばかりで一気に読み進めました。出身地である福島勿来(なこそ)近くの明治維新前後の様子から始まり、当時の開放感や東京の描写は歴史的資料の価値あり。明治の初期に単身サンフランシスコに渡り、ユダヤ人家庭に住み込みで働きながらお金をため小学校で英語を学び、向上心を持ってニューヨークに渡り、行商・住み込みをしながらコロンビア大学で統計学の修士を取得されたという苦学しながらの立身出世物語にはただただ頭が下がり、背筋が伸びる思いでした。手帳など個人的な資料を基にしていることもあり、主人公の内面も丁寧に描写されているのでその気持ちがありありと想像でき、共感しながら読み進めました。私も時代も状況も全く違いますが、アメリカに一人で飛び込んでアリゾナ、ニューヨークに住んで苦学した経験があるので明治時代(いやエジソン・フォードの時代)の自由なアメリカの様子も知ることができ興味深かったです。星一は卒業後、なんとニューヨークで新聞社を立ち上げ、セントルイスの万博に参画したり、ヨーロッパを視察したりまさに外交官のような働きをします。実際、伊藤博文、後藤新平、野口英世など当時の偉人たちとの深い交流があったようです。

その後、帰国し製薬会社を興し、時流に乗って大成功。社員教育のための勉強会施設が今の星薬科大学の前身となったそうです。全く知りませんでした。さすがショートショートの第一人者だけあり、伝記物でありながら史実の羅列にならず、感情移入してしまうほどに引き込まれて読み終えました。

2025-02-13

放射現象における磁気双極子遷移と電気四重極子遷移の導出

 古典電磁気学の1つの重要なトピックとして電気四重極子あるいは多重極子の導出がある。
静電場の場合はスカラー・ポテンシャルの球面調和関数展開あるいはテイラー展開に相当するので自然に理解できるが、磁場を含める場合はベクトル・ポテンシャルを導入して電気双極子近似(ゼロ次近似)より高次の近似を考える必要がある。このとき1次のオーダーの項から磁気双極子と電気四重極子が出てくるが、これらはぞれぞれ電流ベクトルと位置ベクトルの積の非対称成分と対称成分に相当する。この話は例えばジャクソン電磁気学の第9章




に出ていて一応、大学の古典電磁気学で学習する内容となっている。ただし、このような近似が成立するのは基本的に原子・分子・結晶内などミクロな世界の話なので当然ながら量子電磁気学の領域であり、量子力学的な取り扱いが必要となる。

 一方、量子力学の教科書では大抵、ゼロ次近似での電気双極子相互作用の導出までが紹介され、磁気双極子・電気四重極子は古典電磁気学でやったから大丈夫だよね、という感じで学生もあぁあれね、という感じでそのままになってそれぞれ専門分野に進んで行くことが多い(個人的印象)。最近までそんな記憶もすっかり忘れていたが、久しぶりに原子内電子と外部電磁場の相互作用を考える機会があったので磁気双極子相互作用と電気四重極子相互作用を量子力学的に導出できるか手元の参考書・教科書で調べてみた。




しかしながら、分かる範囲では何処にも載っていなかったので自力で導出してみた。詳細は以下の通り。

2024-10-20

柴又散策

今日は次女と一緒に初めて柴又に行きました。京成金町線で柴又駅から参道を通り帝釈天へ。以前、「土曜は寅さん」で男はつらいよ!シリーズをいくつか観ていたので子供も楽しめたようです。


2024-10-06

東京都美術館 田中一村 展

以前こちらで紹介した田中一村の大回顧展が東京都美術館で開催中。先日訪問しました。上野駅の公園口前の横断歩道がなくなったので公園施設へのアクセスが断然良くなりました。


東京で個展を開いて絵の決着をつけたいという一村の悲願成就。決着をつけるまでもないことは本人も分かっていたでしょうけど。でも、こうして多くの人々に素晴らしい作品が披露されることはありがたい。実物を観てただただ感動しました。途中で休憩を挟みながらマイペースで観覧。絵画作品だけでなく手紙や写真など貴重な資料、新出の作品も展示されていました。奄美大島まで行かないと再び観ることは叶わないだろうからと思い切ってカタログ購入。


解説文も丁寧で理解が深まりました。久しぶりに手元にある伝記と作品集を読み直しました。

2024-07-02

新訳で読む「赤毛のアン」

次女(10歳)がネットで「赤毛のアン」のアニメを見始めたので、一緒に見ることにしました。構成、キャラクターデザイン、背景、音楽、演出など全ての要素が素晴らしく、引き込まれて原作を読むことにしました。


「赤毛のアン」のアニメと言えば、小学5年生頃、登校すると友達の何人かが「マシューが死んだ~」と大騒ぎになっていたので「なにそれ~」と聞いたのが印象に残っていますが、子供が同じ歳になってようやくその感慨が分かりました。以前、NHKの「100分de名著」で茂木健一郎さんが取り上げていたのを興味深く観ましたが、その時は、女の子の作品だからなぁと、原作を手にすることはありませんでした。


その印象は今でも変わりませんが、二人の娘を持つ父親として読んでみるとその内容の深さに新鮮な驚きがあり、楽しく読めました。アニメとの相乗効果で理解が深まりました。折角なので、英語の勉強もしてみようということでこちら


を購入。舞台となったプリンス・エドワード島の様子がカラー写真でふんだんに紹介されておりとても参考になりました。イギリス古来のケルト系文化に由来する自然崇拝とスコットランド国教会を中心としたコミュニティの温かさに何故か懐かしさを感じました。そして主人公の素直な感情表現には、ツッコミどころはあるものの共感せずにはいられない筆力にさすが名著と呼ばれるだけあるなあ、むしろ何故いままで敬遠したのかと反省し、最近時間を持て余している感のある母に一冊送ることにしました。

2024-05-23

宇宙論:入門書から専門書まで紹介

 最近、久しぶりに手元にある宇宙論の本を見直したので少し古いですが紹介します。入門書としておススメは断然、真貝寿明(著)「現代物理学が描く宇宙論」


歴史的な側面も理論的な側面も初学者に分かりやすく充分に説明してくれている意欲作。図解や人物画もふんだんに取り入れていて、内容に親しみが持てるようとても配慮されています。ハッキリ言って素晴らしい。大学は入ったときにこういう本で勉強したかった!いまの学生はいいですね。

つぎに、ある程度全体像が分かったらおススメなのが松原隆彦(著)「現代宇宙論――時空と物質の共進化」


専門的な分野についてもとても丁寧に解説されていて、これを読み通せば現代宇宙論の研究が始められるのではないでしょうか。宇宙論を目指す学生必読の書です。

より最近の話題も含めた教科書としては辻川信二(著)「現代宇宙論講義」


がとても良かったです。最後まで読み通せていませんが、大学院レベルの講義録が手軽に読めるのはありがたいです。宇宙論の全体像を把握した後で読むとより理解が深まることでしょう。

2024-05-17

曲面の数学、ポアンカレ群

大学に入ったとき「新入生に紹介する本」という読み物があり、(今もありますが)向学心のあった私はそこで紹介されていた長野正(著)「曲面の数学」を書店で購入。


著者が自由闊達に議論を展開していて引き込まれるような思いでした。私の力不足から最後まで読み切れませんでしたが、いまでも何故か序文の言葉が記憶に残っています。
驚くべきことに過去百年の日本の数学の歴史のうちには、ある分野の人々全部が妙な迷路に入り込んで時代に取り残されてしまった例もきわめて少なくはないのである。

当時、そんなことあるかぁ~。なんて思ってましたが今では意味するところがよくわかる気がします。 本文の内容でなく序文だけ覚えているってちょっとダメですね。 

 大学院で読んだ教科書に似たようなテイストの本がありました。大貫義郎(著)「ポアンカレ群と波動方程式」


前回のエントリーでポアンカレ代数の話が出たので久しぶりに手に取りました。「まえがき」からやはり引き込まれます。1976年に著された本書がまだ教科書として充分に通用し推薦に値することは驚くべきことです。「曲面の数学」に関しては初版が1963年とのこと。両著作とも今後も読み継がれてほしい良書です。

2024-05-14

ランダウ-リフシッツ「場の古典論」ほか

前回のエントリーでシュワルツシルト計量がアインシュタイン方程式を満たすこと確認した。その際に久しぶりに手に取ったランダウ-リフシッツ「場の古典論」


ロシア語では Ландау и Лифшиц と書く。(英語では Landau and Lifshitz) 学部生の時に購入してすぐに挫折したけど、今ならだいぶ読めますね。少しは成長したか。一般相対性理論、宇宙論の分野では伝統的に $(-+++)$ のミンコフスキー符号が用いられる。この分野の有名な教科書もこれに倣う。



ランダウ-リフシッツでは場の量子論で慣習的な $(+---)$ 符号を使うので個人的にはとても参考になりました。ただ、ソ連時代の教科書だけあってレベルが高い。多くの途中計算が省略してあり初学者には読みこなすのが大変です。調べてみたところそんな学徒にとって待望のサイトを見つけました。


なかでも、Schwarzschild解の導出過程(PDF)のファイルは、符号の問題で自分の計算が合っているのか不安になっている最中だったので、丁寧な計算過程がとても参考になりました。作成者が謳っている「理論物理学の脱商品化」という標語には少し意表を突かれましたが、作成者の意気込みが伝わり共感しました。

2024-04-06

最近読んだ本:書いてはいけない

電子書籍で一気に読みました。森永卓郎著『書いてはいけない』


言論人として文字通り命を懸けた勇気のある告発です。ジャニーズ、財務省の話は何となくそうだろうなと思っていましたが、日航123便の話については知らないことも書かれていて驚きました。JALが持っているというフライトレコーダーを公開すれば良いだけなので、何とかして公開してもらいたいものです。誰かが裁判にかけるしかないのかな。それともメディアが健全なジャーナリズムを取り戻して世論の力で何とかしてくれないか。私ができることはブログで取り上げるくらいです。興味ある方は著者本人が動画で宣伝してくれているのでご覧になってはいかがでしょうか。

2023-12-22

最近読んだ本:ゲノムでだどる古代の日本列島

DNA解析により考古学も科学として扱われてきたことは2022年のノーベル賞(医学・生理学賞、ペーボ博士)のニュースで知っていました。日本の研究はどうなのか気になり第一人者の斎藤成也先生の最新刊を購入。 


いざ手に取ってみると読みたかった斎藤先生の話は最初(第0章)だけで残りは関連分野のほかの研究者の話でした。DNA解析で日本人の特徴としてインドのアンダマン諸島やチベットの人たちと共通した成分があるとの話は聞いていたのですがそのあたりの分析はありませんでした。0章では縄文・弥生時代に3段階にわたり渡来人が流入してきたことと日本列島内でDNA分布の二重構造があることが説明されていました。都道府県別のDNA成分分析は初めて見たので興味深かったです。兵庫、群馬、埼玉、栃木、大阪に類似性があることに驚きました。徳島、島根、鳥取、高知、福井の異質性も古代史と関連付けると興味深い。読者それぞれゆかりのある地域の分布がどうなっているか見てみるだけでも楽しいと思います。

そのほかの章は飛ばし読みでしたがDNA解析がどのように考古学や人類学の研究に用いられているのかを垣間見ることができました。今後も考古学、古代史についての科学的な結果・証拠が多く発表されることを期待します。

2023-12-21

最近読んだ本:中東問題再考

残念ながらパレスチナのテロ組織ハマスとイスラエルとの戦闘状態が続いています。パレスチナ問題について私はロシア・ウクライナ問題以上に無知なので、何かないかと探して手に取ったのが飯山陽著『中東問題再考』


電子書籍で読みました。現地での生活経験もあり長年イスラム世界について研究されているだけあり貴重な情報が得られました。私の限られた海外経験からなんとなくそうかなあと思っていたこと(例えば、イスラム教は寛容性に乏しいとかイスラム世界では女性が自立しづらいとか)がいくつか実例も含めて説明されていました。

以前、ランチの際にイスラエル人の物性理論の先生がパレスチナ問題について熱く話していたのでそもそも西側がサイクス・ピコ協定とか勝手に結んだのが原因ですよねみたいな教科書的なコメントをしたら、何故か烈火のごとくまくし立てられてこの問題に他人が口を挟むなみたいな感じで圧倒されました。それ以来、中東問題について余計なことは言わないようにしています。『中東問題再考』を読んでみてやはり中東については関わらないほうが賢明だと再認識しました。最近大活躍中の飯山さんには今後も精力的に忌憚なく活動してもらいたいと思います。

2023-12-20

最近読んだ本:地図と拳

妻が友達から借りたという小川哲著『地図と拳』


久しぶりにハードカバーで読みました。かさばるけどデジタルより読みやすいし、誰かにあげることもできるのでやはり紙はいいですね。内容は日露戦争から第二次世界大戦までおよそ半世紀にわたる満州のある都市の興亡についてでした。満州については以前こちらで紹介した『五色の虹』
 

を読んだのでその時の話を思い出しながら読み進めました。タイトルに「地図」が入っているものの話のメインとなる都市の地図が全く出てこないので不親切だなあと思いましたが途中でこれはわざと載せないということか、読者の想像にゆだねているのだなと理解しました。地図といえばロシア語で都市地図のことをプラン・ゴーラダ (план города、直訳すると計画都市) と言うんだよな、なんて気になりながら読み進めていると最後に少し関連する記述があり個人的には楽しめました。

2023-03-15

大江健三郎のこと

 作家の大江健三郎さんがが亡くなられたそうです。大江健三郎と聞いて最初に思い出すのは大学1年の秋、早朝の井の頭線の車内で向かい側に座っていた乗客が開いたスポーツ紙の一面に飾られた「大江健三郎 ノーベル文学賞!」のインパクト。それまでスポーツ紙に学術的な話が載るとは思っていなかったので、ノーベル賞受賞が「阪神優勝!」と同列に扱われることに戸惑った記憶があります。それだけ国民的な関心が高いニュースだったのでしょう。私はそれまで大江健三郎の本を読んだことがなかったので、さすがに一度読んでみようと手にしたのが文庫版の『人生の親戚』


でした。ちょうどスペイン語を第二外国語で勉強していてラテンアメリカ文学にも興味を持ち始めたのでタイトルがスペイン語の Parientes de vida の直訳でメキシコで慣用的に使われている「人生についてまわる不幸」のこと指していると知り興味を持ちました。まだ二十歳そこそこで人生経験も浅かったけどもじわ~~とくる内容でとても感動した覚えがあります。最初に読んだ大江の作品がこれでよかったです。

2023-02-15

最近購入した電子書籍:古代史ホツマツタヱの旅

 前回のエントリーで触れた『ホツマツタヱ』について。入門としておススメはこちらの動画。


50回に分けて『ホツマツタヱ』の内容が詳説されています。(動画シリーズの紹介サイトはこちら。)専門家による初学者への解説はとてもありがたく、日本古代史に興味のある方には垂涎のコンテンツです。

日本には古代文字はなかったと習いましたがこの『ホツマツタヱ』はヲシテ文字(ホツマ文字)とよばれる神代文字で著されており、その原文と現代語訳は例えばこちらで参照できます。上の動画の講師いときょうさんの話が面白く興味深かったのでこちらを参考にして著作を電子書籍で購入しました。


巻末に神代の系図が載っているのでそれだけでも購入した価値がありました。『ホツマツタヱ』ではアマテラスが男性であることが特徴的ですが、これは『アマテラスの暗号』でも示唆されていたので違和感はありませんでした。また、伊勢の外宮で祀られている豊受大神が『ホツマツタヱ』ではイザナミのお父さんでアマテラスの祖父にあたるということに妙に納得しました。それ以外にも古事記、日本書紀とは異なる記述や省略されていることが明記されていたり、とても偽書とは思えない古文書です。真偽はともかく国学の教養として知っておかなければならないレベルの事柄が書かれているように感じました。

その気持ちが高じて第一巻を読み終わらないうちに第二巻も購入してしまいました。


今後、興味の沸いた項目をパラパラと読み進めていこうと思います。国内ドライブ、ハイキングの楽しみがまた増えそうな気がします。これらの紀行文については以下の動画


でも5回に渡って著者自ら語っているので興味のある方はご覧ください。

最近読んだ電子書籍:アマテラス・サーガ、レイライン1,2,3

 以前のエントリーで「我々一般人が興味のある古代史の全体像を問うようなモデルは今後も自由な立場の情熱を持った個人から発せられることでしょう。」と書きましたが、その通りの書籍でした。


校正が甘い部分が所々見受けられましたが、全体像の理解には問題ありません。物語よりも客観的な事実に興味がある方には種本となるガイドブック

 
がおススメです。レイライン1、2の情報はこのガイドブックにカバーされています。一方、『レイライン3 アマテラス・サーガ: 失われた卑弥呼の金印を探せ! 失われた秘剣』


は古事記の登場人物をモデルにした著者独自の創作でとても新鮮であり勉強になりました。以前こちらで紹介した内容とも重なる所があり興味深かったです。『神道辞典』や『古事記の宇宙』を引っ張り出してきて神代の系図を確認したり、グーグルマップで徳島の地理を閲覧したり読み終えるのに時間がかかりました。途中で欠史八代のことが良くわからないので調べてみると『ホツマツタヱ』というのがあることがわかり、見てみるとなんだか凄すぎて驚愕しました。これについては別のエントリーで取り上げます。

2022-11-01

最近読んだ本:奇才・香川宜子さん(徳島の誇大妄想おばちゃん)の2作品

1つ目は『アヴェ・マリアのヴァイオリン』(電子書籍)


です。著者の香川宜子(よしこ)さんは徳島市在住の内科医で娘さんのバイオリンを新調する際に出会ったバイオリンに感化されて物語を一気に書き上げたそうです。初めは自費出版だったそうですが、国内外で話題になり角川書店から商業出版されました。私は楽器演奏には全く興味なかったのですが、下の娘が3歳の時に妻がバイオリンを習わせたのでここ数年、子供のバイオリン教室(スズキメソード)への付き添いを不定期にしています。当初はユーモレスクぐらい弾けるようになれば辞めてもいいのではと思っていましたがまだまだ続けるみたいです。香川さんの娘さんもスズキメソードのようですし内科医というのも妻と同じなのでそのような方がバイオリンをテーマにどのような物語を紡ぐのか興味があり手に取りました。

お医者さんが初めて著した小説なので仕方のない部分もあるでしょうが、言いたいことが溢れすぎて時に飛び散り過ぎてまとまりにに欠ける印象でした。読書感想文の課題図書として読まされる高校生には読みづらかったのではないでしょうか?冒頭の徳島の女子高生の進路についての悩みから突然、第二次世界大戦中のドイツ、アウシュヴィッツへと話が移りそちらの悲惨な話がメインになりながら途中、第一次世界大戦時に徳島の板東で捕虜になったドイツ人音楽家のエピソードが入ってきて最後にまた現在に戻るという展開。状況的に我が家の娘も冒頭の徳島の女子高生と似たような経験をしそうなので私としてはそちらの話を深掘りして欲しかったのですが、まさかのアウシュヴィッツの話。心の準備が出来ていなかったので読み進めるのが大変でした。

以前こちらでも指摘したとおり他国の戦争を舞台にしたフィクションは史実と創作がない交ぜになり読者は作品を歴史として理解すればいいのかエンターテイメントとして楽しめばいいのか線引きが難しくなるので作家の方には史実と創作部分を「あとがき」にでもいいので明示してもらいたいと思います。とは言え、内容は中学生の時の宿題で読んだ『アンネの日記』に重なる部分があり、若い学生には是非知ってもらいたいものでした。ハリウッドで映画化の話が出たというのも当然でしょう。ただ、繰り返しになりますが、当事者による独白ではないのでどこまでが著者による創作なのか不明である点には注意が必要です。

2022-06-04

最近読んだ話題の本:同志少女よ、敵を撃て

 先日本屋でNHKラジオのロシア語講座のテキストを買いに行ったときに目に入った話題の本『同志少女よ、敵を撃て』


結構な分量があるし戦争ものなので迷いましたが結局購入。途中、付いて行けない部分もありましたが何とか昨日読み終えました。第二次世界大戦の独ソ戦のソ連軍の女性スナイパーの話です。史実を元にしながらも多分に創作を交えてあり、アニメ化を見据えたエンターテイメントとして読むべきなのか、いやむしろ史実の部分に焦点を当てた教養として読むべきなのかソ連の歴史に詳しくない(し、あまり詳しくなりたくない)私としてはモヤモヤしたまま読了。そもそも戦争もの(しかも他国間の戦争)をエンタメとして描いていいのかという疑問もありますが、そこを一旦飲み込んでいいところを探すと以下の2点。

1.これまで知る機会のなかった独ソ戦の攻防を女性兵士の視点から知ることが出来る。特にノーベル文学賞の対象となったスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチの作品の他、多くの関連文献を参考にされており勉強になる。

2.ロシアのウクライナ侵攻前に上梓された小説であるが、現在進行中の戦争とリンクする部分もあり戦争の愚かさを再認識させられる。