2021-08-12

ワインバーグ・サラム理論 note07: 量子異常(アノマリー)

今回の内容は(宣伝になりますが)ナイアの教科書


の13章(量子異常Ⅰ)と一部重複しています。教科書の方が解説が丁寧なので興味ある方はそちらも参照して下さい。

場の古典論がある対称性$G$を持ち、$G$は局所的あるいは広域的な対称性どちらも含むものとする。量子論を定義するには、ループ・ダイヤグラムを扱う必要があるが、これは発散する可能性があるため、正則化と共に定義する必要がある。このとき、全ての対称性$G$を保存する正則化が存在しない場合がある。(正則化を選択する過程で生じる)量子補正によって古典論の対称性が破れるとき、この対称性は異常 (anomalous)であると言われる。この異常な対称性に対応するカレントはゼロでない発散をもち、量子異常(アノマリー)と呼ばれる。

アノマリーの例:
1.次元正則化:ローレンツ不変性とベクトル・ゲージ不変性を保つ。しかし$\ga_5$は4次元以外では適切に定義できないのでカイラル対称性は潜在的に量子異常をきたす。
2.パウリ-ヴィラース (Pauli-Villars) 正則化:非物理的なヒルベルト空間にある質量粒子を追加する。質量項$M \bar{q}_L q_R$はカイラルゲージ変換のもとで不変とならない。

アノマリーには広域対称性が異常となる場合とゲージ対称性が異常となる場合の2種類ある。

広域対称性のアノマリー:この場合、対称性は破れるが理論自体は無矛盾である。例としてQEDの軸性$U(1)$対称性が挙げられる。このとき対称性が自発的に破れると古典的にはゴールドストン・ボソンが生成される。量子的には対称性がなくなるためゴールドストン・ボソンは現れない。実際には、量子補正効果により潜在的なゴールドストン・ボソンに質量が与えられる。

ゲージ対称性のアノマリー:理論のゲージ不変性は$S$行列のユニタリー性の証明に欠かせない。もしゲージ不変性が無ければ、ゲージボソンの非物理的なモードが伝搬しユニタリー性は失われる。よって、量子論を矛盾なく構築するにはゲージ対称性のアノマリーをキャンセルしなければならない。

アノマリーの計算

4次元ではアノマリーはフェルミオン1ループ・ダイヤグラムだけに由来する。以下では、そのことを見ていく。$N$種類のフェルミ粒子があるとしてカイラル対称性$U(N)_L \times U_R (N)$を考える。このカイラル対称性がゲージ対称性でもあるとしてベクトルゲージ場$V_\mu =  \hf (L_\mu + R_\mu )$と軸性ゲージ場$A_\mu = \hf (L_\mu -R_\mu )$を定義する。ただし、$L_\mu = it^a L_\mu^a$, $R_\mu = i t^a R_\mu^a$ であり、$t^a$ は$U(N)$群の生成子。このときラグランジアン
\[ \L = - \qu F^2  + \bar{q} \ga \cdot ( \d + V + \ga_5 A ) q \]
を考える。ただし、
\[\begin{eqnarray} F^2 &= &F_L^2 + F_R^2  \\  F_{L \mu\nu}^{a} &=& \d_\mu L_\nu^a - \d_\nu L_\mu^a  + f^{abc} L_\mu^b L_\nu^c \\  F_{R \mu\nu}^{a} &=& \d_\mu R_\nu^a - \d_\nu R_\mu^a  + f^{abc} R_\mu^b R_\nu^c  \end{eqnarray}\]
このとき(1)に次の形の項
\[ F_{L \mu\nu} \frac{\D^2}{M^2} F_{L \mu\nu} + F_{R \mu\nu} \frac{\D^2}{M^2} F_{R \mu\nu} \tag{1} \]
を追加することが出来る。ただし、$\D$は共変微分を表す。この項は高階の微分のを持つのでゲージボソンの伝播関数は 
\[ G \sim \frac{M^2}{k^4 + M^2 k^2} \sim \frac{M^2}{k^4} ~~~~ ( k^2 \rightarrow \infty ) \]
と振る舞う。この項は1ループ・ダイヤグラムを除いて全てのファインマン図をゲージ不変な形で正則化する。よって、潜在的なアノマリーは1ループ・ダイヤグラムから生じる。発散時数の計算から、この1ループ・ダイヤグラムはフェルミ粒子によるものであることが分かる。

これより発散するファインマン図は下の3つの図で表される。


ただし、波線で書かれた外線はベクトルボソン$(V)$あるいは軸性ベクトルボソン$(A)$を表す。2点関数は具体的に計算でき、アノマリーを与えない。以下では、三角ダイヤグラムを考える。フェルミ粒子の荷電共役不変性から$V$が奇数個寄与する三角ダイヤグラムはゼロとなる。これは
\[ \bar{q} \ga \cdot ( \d + V + \ga_5 A ) q = \bar{q}^C \ga \cdot ( \d - V + \ga_5 A ) q^C \]
から分かる。ただし、$q = C \ga_0 (q^{C})^*$を用いた。これより$VVV$, $AAV$タイプの三角ダイヤグラムからの寄与は消える。 $AVV$タイプの三角ダイヤグラム


の有効作用は
\[ \begin{eqnarray} \Ga^{(3) } &=& \int \tr \left[ S(x, y) \ga_5 {A \!\!\!/} (y) S(y,z)  {V \!\!\!\!/} (z) S(z, x) {V \!\!\!\!/} (x) \right] d^4 x d^4 y d^4 z \\ &=& \int {\rm Str} \left[ A_\mu (2q) V_\al (p_1 ) V_\bt (p_2 ) \right] \del^{(2)} (2 q - p_1 - p_2 ) \frac{d^4 (2q)}{(2 \pi)^4 }\frac{d^4 p_1}{(2 \pi)^4 }\frac{d^4 p_2}{(2 \pi)^4 }\\ && ~~~~~~~\times \int \tr \left[ \frac{1}{i ( {k \!\!\!/} -  {q\!\!\!/} )} \ga_5 \ga_\mu   \frac{1}{i ( {k \!\!\!/} +  {q\!\!\!/} )} \ga_\al  \frac{1}{i ( {k \!\!\!/} -  {r \!\!\!/} )} \ga_\bt  \right] \frac{d^4 k}{(2 \pi)^4 }\end{eqnarray} \tag{2}\] 
ただし、${A \!\!\!/} = \ga \cdot A = \ga_\mu A_\mu$, $r =\hf ( p_1 - p_2 )$, $S(x,y)$はフェルミオンの伝播関数である。${\rm Str}$は群の生成子について対称トレースを取ることを意味する。
\[ {\rm Str} [ A VV ] = \frac{1}{3} \tr [ AVV + VAV + VVA ] \] 
ここで、ゲージ変換
\[ V_\al \rightarrow V_\al + \D_\al \La ~ , ~~~~ A_\mu \rightarrow A_\mu + \D_\mu \varphi \]
を考える。運動量空間では
\[ \begin{eqnarray} V_\al ( p_1 ) & \rightarrow & V_\al ( p_1 ) + i p_{1 \al } \La ( p_1 ) + \cdots \\  A_\mu ( q) & \rightarrow & A_\mu ( q ) + i q_{ \mu } \varphi ( q ) + \cdots \end{eqnarray} \]
と表される。ベクトルゲージ、軸性ゲージ場の変換のもとで有効作用$\Ga^{(3) }$の変分はそれぞれ
\[ \begin{eqnarray} \del_\La \Ga^{(3)} &=& - \frac{1}{8 \pi} \int \tr \left( A_\mu \d_\nu \La \d_\al V_\bt \right) \ep_{\mu\nu\al\bt} d^4 x \\ \del_\varphi \Ga^{(3)} &=& - \frac{1}{8 \pi} \int \tr \left( \varphi \d_\mu V_\nu \d_\al V_\bt \right) \ep_{\mu\nu\al\bt} d^4 x  \end{eqnarray} \tag{3} \]
と計算できる。この導出は長くなるのでここでは省略する。興味ある方は上記の教科書を参考にして下さい。

このとき、
\[ \del_\La \left[  \frac{1}{8 \pi} \int \tr \left( A_\mu V_\nu \d_\al V_\bt \right) \ep_{\mu\nu\al\bt} d^4 x \right] =  \frac{1}{8 \pi} \int \tr \left( A_\mu \d_\nu \La \d_\al V_\bt \right) \ep_{\mu\nu\al\bt} d^4 x \]
なので、
\[  \widetilde{\Ga}^{(3)} =  \Ga^{(3)} + \frac{1}{8 \pi} \int \tr \left( A_\mu V_\nu \d_\al V_\bt \right) \ep_{\mu\nu\al\bt} d^4 x \tag{4}\]
と再定義すると、
\[ \begin{eqnarray}  \del_\La \widetilde{\Ga}^{(3)} &=&  0 \\ \del_\varphi \widetilde{\Ga}^{(3)} &=&  - \frac{1}{4 \pi} \int \tr \left( \varphi \d_\mu V_\nu \d_\al V_\bt \right) \ep_{\mu\nu\al\bt} d^4 x \\ &=&  - \frac{1}{16 \pi} \int \tr \left( \varphi f_{\mu \nu} f_{\al \bt} \right) \ep_{\mu\nu\al\bt} d^4 x \\ &=&  - \frac{1}{8 \pi} \int \tr \left( \varphi f_{\mu \nu} \tilde{f}^{\mu \nu} \right) d^4 x  \end{eqnarray} \tag{5} \]
となる。ただし、$f_{\mu \nu} = \d_\mu V_\nu - \d_\nu V_\mu$,  $\tilde{f}^{\mu\nu} = \hf \ep^{\mu\nu\al\bt} f_{\al \bt}$ である。(式(5)は本質的にABJ(Adler-Bell-Jackiw)アノマリーの計算と同じである。)式(4)で追加した局所4次元項$\tr \left( A_\mu V_\nu \d_\al V_\bt \right) \ep_{\mu\nu\al\bt}$は「カウンター項」である。量子論にこの項を追加することは、正則化の手法を変えることと同じである。したがって、適切な正則化を選択すればベクトルゲージ不変性を保つことはできるが、同時に軸性ゲージ不変性を保つことはできない。

ここまで、$V$が2つある$(AVV+VAV+VVA)$タイプの三角ダイヤグラムを考えてきたが、実際には$AAA$タイプのファインマン図も考える必要がある。簡単のため、左巻きのゲージ場を考えると、$V_\mu = A_\mu = \hf L_\mu$なので
\[ \begin{eqnarray} \del_\xi \widetilde{\Ga}^{(3)} &=& - \frac{1}{24 \pi} \int \tr \left( \xi \d_\mu L_\nu \d_\al L_\bt \right) \ep_{\mu\nu\al\bt} d^4 x \\ &=&  \frac{1}{24 \pi} \int \tr \left( \d_\mu  \xi L_\nu \d_\al L_\bt \right) \ep_{\mu\nu\al\bt} d^4 x \end{eqnarray} \tag{6} \]
となる。ただし、ゲージパラメータを$\xi = 2 \La = 2 \varphi$とした。式(6)は三角ダイヤグラムからの寄与である。一般には、ゲージ変換
\[ L_\mu^a \rightarrow L_\mu^a + ( D_\mu \xi )^a  = L_\mu^a + \d_\mu \xi^a + f^{abc} L_\mu^b \xi^c \]
との整合性から$f^{abc}L_\mu^b \xi^c$などの項が現れると予想される。ただし、$\xi =  it^a \xi^a$, $f^{abc}$は$U(N)_L$群の構造定数。そこで
\[ G(\xi ) = \del_\xi \Ga = \frac{1}{24 \pi} \int {\rm Str} \left[ \d_\mu \xi  \left(  L_\nu \d_\al L_\bt  + c L_\nu L_\al L_\bt \right)  \right] \ep_{\mu\nu\al\bt} d^4 x \tag{7} \]
と予想して定数$c$を決めることを考える。

ゲージ変換の変分$\del_\xi$はゲージ群の交換関係に従うので、
\[ \del_\xi \del_{\xi^\prime } - \del_{\xi^\prime } \del_\xi  - \del_{\xi  \times \xi^\prime } = 0 \]
をみたす。ただし、$(\xi  \times \xi^\prime )^a = f^{abc} \xi^b \xi^c $である。これを式(7)の$G (\xi)$に当てはめると
\[ \del_{\xi} G (\xi^\prime )  -\del_{\xi^\prime} G (\xi)  - G ( \xi \times \xi^\prime ) = 0 \tag{8} \]
となる。これはWZ (Wess-Zumino) 条件と呼ばれ、アノマリーの整合性条件を与える。これより左巻きゲージ場のアノマリー(7)は
\[ G(\xi ) = \del_\xi \Ga  = \frac{1}{24 \pi} \int {\rm Str} \left[ \d_\mu \xi  \left(  L_\nu \d_\al L_\bt  + \hf L_\nu L_\al L_\bt \right)  \right] \ep_{\mu\nu\al\bt} d^4 x \tag{9} \]
と求まる。ただし、カウンター項を追加することでアノマリーの形は変更を受ける。

アノマリーの群構造

式(9)の群構造は$L_\mu = it^a L_\mu^a$, $\xi = it^a \xi^a$より
\[ \del_\xi \Ga  = - \frac{i}{24 \pi} d^{abc} \int \left[ \d_\mu \xi ^a \left(  L_\nu^b \d_\al L_\bt^c  + \qu  L_\nu^b L_\al^k L_\bt^l f^{ckl} \right)  \right] \ep_{\mu\nu\al\bt} d^4 x \tag{10} \]
と表せる。ただし、$d^{abc} = {\rm Str}(t^a t^b t^c )$である。したがって、フェルミオン生成子の表現についての$d^{abc}$を計算することでアノマリーが相殺するかどうか確認できる。

右巻きフェルミオン:この場合は $V_\mu = \hf R_\mu$, $A_\mu = - \hf R_\mu$となるので左巻きフェルミオンの場合 ($V_\mu = \hf L_\mu $, $A_\mu = \hf L_\mu $) とは符号が異なることに注意。

備考:定義より$\Ga$はユークリッド計量では通常、実数となる。しかし、(10)から明らかなように$\del_\xi \Ga$は虚数となる。したがって、ゲージ不変性の欠如は有効作用の虚部に表れることがわかる。

標準模型でのアノマリー相殺

関与するアノマリーは $bbb$, $bbc$, $ccc$-タイプの三角ダイヤグラムとなる。ここで、$b_\mu$, $c_\mu$はワインバーグ・サラム理論の$SU(2)$ゲージ場、$U(1)$ゲージ場である。1世代モデルにおいてこれらの$d^{abc}$を計算する。

$bbb$-タイプ: 
\[ d^{abc} = {\rm Str} \left( \frac{\si^a}{2} \frac{\si^b}{2}  \frac{\si^c}{2} \right) = \tr \left( \si^a \frac{\del^{bc}}{16} \right) = 0 \]
全ての2重項についてアノマリーは相殺する。

$bbc$-タイプ (Y-アノマリー) : 
\[ d^{Ybc} = \tr \left( Y\frac{\si^a}{2} \frac{\si^b}{2} \right) = \frac{\del^{bc}}{4} \tr Y  \]
\[ \tr Y = \underbrace{(-1)}_{\nu_L} + \underbrace{(-1)}_{\nu_L} + ( \underbrace{\frac{1}{3}}_{u_L} + \underbrace{\frac{1}{3}}_{d_L} ) \cdot \underbrace{3}_{\mbox{# of colors}} = 0 \]
この場合、クォークとレプトンの間でアノマリーが相殺される。

$ccc$-タイプ:
この場合、左巻き、右巻きのフェルミオン共にアノマリーに寄与する。$d^{abc} \sim \tr Y^3$
\[  \begin{eqnarray} \tr Y^3 &=& \bigg[ \underbrace{(-1)^3}_{\nu_L} +\underbrace{ (-1)^3}_{e_L} + ( \underbrace{\frac{1}{27}}_{u_L} + \underbrace{\frac{1}{27}}_{d_L} ) \cdot 3 \bigg] - \bigg[ \underbrace{(-2)^3}_{e_R} + \Big( \underbrace{\left( \frac{4}{3} \right)^3 }_{u_R}  + \underbrace{ \left( -\frac{2}{3} \right)^3 }_{d_R} \Big) \cdot 3 \bigg] \\   &=& \left( -\frac{16}{9} \right) -  \left( -\frac{16}{9} \right) = 0  \end{eqnarray} \]
左右のカイラリティの間でアノマリーが相殺される。

バリオン数、レプトン数のアノマリー

標準模型のゲージアノマリーは上のように相殺する。一方、バリオン数$B$とレプトン数$L$の2つの広域対称性は量子異常をきたすが、$(B-L)$の組み合わせはアノマリー・フリーである。以下では$(B-L)$の組み合わせだけが矛盾なくゲージ化され、その量子異常が相殺することを見ていく。

レプトン$\nu$, $e$はレプトン数1をもち、クォーク$q$はレプトン数を持たない。よってレプトン数は
\[ \binom{\nu}{e}_L \rightarrow e^{i \al} \binom{\nu}{e}_L ~ , ~~~~~ e_R \rightarrow e^{i \al} e_R ~, ~~~~~ q \rightarrow q \]
と変換する。また、レプトンのバリオン数はゼロでクォークはバリオン$\frac{1}{3}$をもつのでバリオン数は
\[ \binom{u}{d}_L \rightarrow  e^{i \bt / 3} \binom{u}{d}_L  ~, ~~~ u_R \rightarrow e^{i \bt /3} u_R ~, ~~~ d_R \rightarrow e^{i \bt /3 } d_R  \] 
と変換する。ここで、$\al$, $\bt$を局所的な関数$\al (x)$, $\bt (x)$ とすると、これらは$U(1)$ゲージ変換とみなせる。よって、三角ダイヤグラムに起因する有効作用の変分は(5)の結果を用いて、
\[ \begin{eqnarray} \del_{\al , \bt} \Ga &=& - i \int al (x) \Big[ \underbrace{Q(b)}_{(\nu_L ~ e_L )} + \underbrace{Q(c)}_{\nu_L} + \underbrace{Q(c)}_{e_L}  - \underbrace{4Q(c)}_{e_R}   \Big] d^4 x \\ && ~~~~~~~- i \int \bt (x) \Big[ \underbrace{Q(b)}_{( u_L ~ d_L )} + \underbrace{\frac{1}{9} Q(c)}_{u_L} + \underbrace{\frac{1}{9}Q(c)}_{d_L}  - \underbrace{\frac{16}{9} Q(c)}_{u_R} - \underbrace{\frac{4}{9} Q(c)}_{d_R} \Big] d^4 x \\ &=& - i \int \Big( \al (x) + \bt (x) \Big) \Big[ Q(b) - 2Q(c) \Big] d^4 x \end{eqnarray} \tag{11} \]
となる。右巻きのフェルミオンの場合は符号が逆になることに注意。ここで、$ Q(b)$, $Q(c)$ は
\[ \begin{eqnarray} Q(b) &=& - \frac{1}{64 \pi^2} \ep^{\mu\nu\al\bt}F_{\mu\nu}^{a} F_{\al\bt}^{a} \\ Q(c) &=&  - \frac{1}{32 \pi^2} \ep^{\mu\nu\al\bt} f_{\mu\nu} f_{\al\bt}  \\ F_{\mu\nu}^{a} &=& \d_\mu b_\nu^a - \d_\nu b_\mu^a + \ep^{abc} b_\mu^b b_\nu^c \\ f_{\mu\nu} &=& \d_\mu c_\nu - \d_\nu c_\mu \end{eqnarray} \tag{12} \]
で定義される。

式(11)より、バリオン数$B$、レプトン数$L$ともに異常な対称性であることがわかるが、$\al = - \bt$に対応する$(B - L)$はアノマリーをもたない(アノマリー・フリーである)ことが分かる。

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