2018-08-30

ツイスター空間上のホロノミー形式

夏休み気分で好き勝手にブログ書いていましたが、そろそろ研究再開しようということで、今年中にライフワークのツイスター空間上のホロノミー形式の研究を進めたいと考えています。具体的には、第7弾の論文の修正に取り組む予定です。と申しましても私以外の人にはチンプンカンプンでしょうから少しだけ背景を説明して、皆さんに興味を持ってもらえればと思います。私は素粒子理論の研究者志望でアメリカの大学院でPh.D.を取得しましたが、取得する前年も合わせると200校近くポスドクと言われる研究職に願書を出しましたがどこからも声がかからず、子供も生まれるというので日本に帰って民間就職することにしました。研究を続けながら働くつもりでしたがフルタイムの仕事では難しかったため、一年足らずで辞めて、パートタイムで働きながら研究をする今のスタイルを続けています。最近は色々と言い訳して研究がおろそかになっていますが、転職した当初は論文書いて大学に戻るぞ!と意気込んでいました。当時、気になっていたのがグルーオンの散乱振幅を導出する$S$-行列汎関数は一体何なのだろうということでした。場の理論の枠組みでは相互作用項が決まれば$S$-行列は決まるので、グルーオンつまり強い相互作用を媒介する素粒子(電磁相互作用の光子に当たるもの)のダイナミクスを多粒子系として理解したいという目標を立てました。そのヒントとなるのが私の指導教官だったナイアが何年も前に発表していた論文です。その中で彼はヘリシティーの配位が特定の場合グルーオンの散乱振幅はツイスター空間上で定義されたWZW模型と呼ばれる共形場理論の相関関数として理解できることを示しました。詳しくはナイア本人による解説

https://physicstoday.scitation.org/doi/10.1063/1.1825256

があるのでそちらを参照してください。(専門家向けです。)この散乱振幅はヘリシティーが最大限にそろった非自明な振幅という意味からMHV振幅 (Maximally Helicity Violating amplitudes) と呼ばれています。2003年の暮れにウィッテンがこのアイデアをさらに発展させ、MHV型以外の散乱振幅についてもトポロジカルな弦理論と関連付けて理解できることを示しました。その論文が

https://arxiv.org/abs/hep-th/0312171

です。この論文の後、ツイスター空間の変数を用いた散乱振幅の計算方法に飛躍的な進歩がみられました。特に
  1. non-MHV振幅をMHV頂点作用素の組み合わせで理解するMHV則(CSW則とも呼ばれる)と
  2. MHV振幅の複素解析性から得られる再帰的な公式(BCFW公式とも呼ばれる)を用いてnon-MHV振幅を求める手法
の二つがこれらの計算法の進歩に大きな役割を果たしました。これらの計算手法はグルーオンだけでなくグラビトン(重力子)の散乱振幅、古典的なツリー振幅だけでなく量子効果が現れるループ振幅、質量を持つスカラー粒子、フェルミ粒子を含む散乱振幅の計算などにも応用されています。この分野は今でも活発で従来のファイマン図による場の量子論の手法を一新するものとして期待されています。

2018-08-29

左肩腱板損傷リハビリ中、懸垂のやり過ぎが原因か?

以前報告したとおり左肩の腱板損傷、骨挫傷のため今は無理に動かすことなく安静にしています。負傷の直接的な原因となったテニスは当分休みます。体を動かさないとなまってしまうので腕立て伏せ、懸垂をしていますが左肩が痛くてまともにできていません。これではどんどん筋力も落ちてしまします。また、肩が治ったとしてもサーブを打つとまた痛めるのではないかと不安になってきました。そもそも自分よりもテニスをやっている人は大勢いるのになぜ自分は肩を痛めたのか?高校のときは野球部でもっと肩を酷使していたけど筋肉痛程度で少し休めばすぐに治ったのになぜ週2回程度のテニスでそこまで痛めてしまったのか?インピンジメント症候群になる原因は上腕の骨頭と肩甲骨(肩峰)との間のスペースが狭まっているからとのことだがなぜそうなったのか?加齢だけではない気がしてきました。そこで色々と考え調査した結果、素晴らしいサイトを見つけました。

http://changebodycomposition.blogspot.com/2016/10/blog-post.html

このサイトでは懸垂をやり過ぎると肘・肩を負傷することがあると紹介しています。特に、懸垂で広背筋がつくと、
広背筋が強すぎて縮んでいるとると肩峰下のスペースが減り肩を痛めやすい。
腕を上に上げる動きではローテーターカフと僧帽筋下部の働きが重要。広背筋が強すぎるとこれらの筋肉は弱っている。
と書かれています。私はデスクワークが多く日中座ってばかりで猫背気味なので2015年の暮から家にぶら下がり健康器を置いて暇さえあれば懸垂するようにしていました。負傷前は7,8回ぐらい、頑張れば10回はできていましたが今では4回ぐらいで肩が痛くなり怖くてやめています。姿勢も良くなりいいと思っていましたが、上記URLによると懸垂ばかりしていたため腹筋が相対的に弱くなり返ってそり腰(腰椎伸展)になっていただけでした。テニスやってるときにも感じていましたが以前はサーブを(自分で言うのもなんですが)もっとしなやか・滑らかに打てていたのに、最近はフォームがかたいなあと思っていました。広背筋が強くなって肩周りの筋肉が弱まっていたのでしょう。これからは腹筋だけでなく肩周りのローテーター・カフ(回旋筋腱板)と呼ばれるインナーマッスルと僧帽筋下部を鍛える必要がありそうです。そうすることで以前のように肩の可動域が広がり肩峰下のスペースが回復され、インピンジメントによるダメージを減らせるのではないかと思います。同時に広背筋をストレッチして十分に伸ばすことも必要ですね。上記URLによると姿勢矯正のためには
首の後ろ側をストレッチし、首を曲げる筋肉を強化。
とも書いてあるので首の筋肉も付けたいと思います。筋肉によらず何事もバランスが大事ですね。ケガしたときは対象部位にばかり気を取られてどのように治療すればいいか分かりませんでしたが、だいぶ方向性が見えてきました。回旋筋腱板のWikiによるとローテーターカフを鍛えると50歳になっても150km/hぐらいの球を投げられるそうなのでそれを励みにリハビリ頑張ります!

2018-08-26

2017年の年末家族ドライブ、京都

前年が奈良だったので、この年は京都へ。12/29の夕方に出発して大晦日には帰ってこないといけないので、例年より短い行程になりました。来年以降は子供も忙しくなるようなので年末の家族ドライブはこれで最後かもしれません。12/29の16:30に出発、浜松いなさJCTから三ヶ日JCT経由で新東名から東名に入り、夜に豊川IC近くのルートインに到着。翌朝、伊勢湾岸道、東名阪、新名神、京滋バイパス経由で宇治東ICで降り、宇治平等院近くの駐車場へ。平等院には初めて来ました。


2016年の年末家族ドライブ、奈良・三重

ビジネスホテルに泊まると家族4人で15,000円以内で泊まれるので年末の休みにはドライブ旅行するようになりました。子供が小さいうちだけなのでいつまで続くかわかりませんが、2016年の記録です。12/22夕方に都内出発、調布から中央道に入り圏央道から東名、新東名、伊勢湾道でいつもの刈谷PAで休憩、食事。その後、東名阪から名阪国道に乗りました。名阪国道に入ってから照明が暗く、雨も降ってきて、ダンプカーばかりだったので安全運転で行きました。伊賀一之宮ICで降りてから下道でルートイン伊賀上野に着いたのは22時過ぎでした。翌朝は折角なので上野城へ。


2018-08-23

液晶モニタリサイクル、高校野球雑感

先日こちらで報告したとおり、我が家の液晶モニタが落雷で故障したため、リサイクル回収をお願いしていたのですが、その伝票が8/21に届いたので早速郵便局に持って行って送ってきました。40型の液晶モニタなので梱包が大変でした。アイ・オー・データのモニタの場合、こちらで説明されている通り「エコゆうパック伝票」が送られてくるので、梱包の際、3辺の合計が 170cm を超えると引き取ってくれません。モニタに付属品(脚)を付けたままだとこのサイズを超えてしまったので、付属品を取り外して液晶画面を保護する発泡スチロールを挟んで梱包しましたが、ギリギリ170cm弱でした。40型以上のモニタでは絶対サイズオーバーすると思うのですが大丈夫なのか気になりました。あと、郵便局まで車で運びましたが1人だと大変なので、このサイズなら家まで取りに来てもらう方が楽ですね。

2018-08-22

青空と夕焼けに想う(4)ナイアのエッセイから

前回のエントリー「青空と夕焼けに想う(3)ナイアのエッセイから」の続きで、このシリーズの最終回です。このシリーズでは数式を表示するのに MathJax を駆使しましたが、以前のエントリーだけの知識では、記述が大変だったので慣れている省略記号を使えるようにMathJaxのマクロの設定をしました。参考にしたサイトは、

http://gilbert.ninja-web.net/math/mathjax1.html
http://www.yamamo10.jp/yamamoto/comp/WEB/MathJax/index.php
https://whyitsso.net/others/mathjax.html

です。MathJaxの公式ページも参考になりました。前回の第3章では数式は出てきませんでした。水の吸収スペクトルの図が2つ出てきましたね。昔、中学2年生の時、数学の授業中に『水とはなにか』という本を読んでいて先生に没収された記憶があります。内容が面白くてつい読み進めてしましました。いま調べてみると古い本ですが、新装版


2018-08-20

青空と夕焼けに想う(3)ナイアのエッセイから

前回のエントリー「青空と夕焼けに想う(2)ナイアのエッセイから」の続きです。第2章ではレイリー散乱の $\om^4$-依存性を光子の低エネルギー弾性散乱における有効作用と光子と誘電体球との相互作用項のゲージ不変性から導きました。大学院の最後の2年ぐらいはよくナイアと一緒にランチに行っていましたが、そのときに空の青さとゲージ不変性のことについて簡単に教えてもらいました。私は空の青さについては J.D. Jackson の有名な『古典電気力学』の教科書


の第10章でしか勉強していなかったので、場の理論の第一原理から散乱振幅を導くことや $\om^4$-依存性にゲージ不変性が関係していることに驚きました。ナイアは以前からこの話が好きでいつか一般向けに解説文を書いてほしいなと思っていたところ 2015年にResearchGateという研究者向けのサイトに公開してくれました。

2018-08-19

青空と夕焼けに想う(2)ナイアのエッセイから

前回のエントリー「青空と夕焼けに想う(1)ナイアのエッセイから」の続きです。第2章に入る前に簡単に復習しよう。光の散乱過程は一般に電磁相互作用 $\int d^4 x J^\mu A_\mu$ で与えられる。ただし、$A_\mu$, $J^\mu$ はそれぞれ光子の4元ポテンシャルと4元カレントを表す。電気的に中性な大気中の原子や分子との散乱の場合、カレントの保存則から4元カレントは反対称テンソル $M_{\al \mu}$ ($\al = 1,2,3; \, \mu = 0,1,2,3$) をもちいて
\[
   J^\mu = \partial_\alpha M^{\alpha \mu }
  \tag{3}
\]
と書ける。(式番号は第1章のものを踏襲します。)反対称テンソル $M^{\alpha \mu }$ の成分は $M^{0 i} = p^i$, $M^{ij} = \epsilon^{ijk}m^k$ であり、ここで $p^i$, $m^k$ ($i,j,k = 1,2,3$) はそれぞれ電気双極子モーメント、磁気双極子モーメントの演算子を表す。この場合、電磁相互作用は
\[
 \int d^4 x J^\mu A_\mu = - \frac{1}{2} \int d^4 x F_{\mu\nu} M^{\mu\nu} = - \int d^4 x \left(
\vec{p} \cdot \vec{E} + \vec{m} \cdot \vec{B}
\right)
  \tag{4}
\]
となる。ここで、$F_{\mu\nu} = \partial_{\mu} A_\nu - \partial_{\nu} A_\mu$, $F_{i0} = E_i$, $F_{ij} = \epsilon_{ijk} B_k$ であり、$E_i$, $B_k$ はそれぞれ電場、磁場を表す。可視光に対応するエネルギー範囲の光子と原子との散乱では、電気双極子の項だけを残すのが適当であり、一次近似でこの散乱振幅は
\[
\A =  - \int  d^4 x d^4 y \, \langle f | T p^i (x) p^j (y) | i \rangle \, \omega \omega^\prime  \, \frac{\epsilon_i e^{-i k x}}{\sqrt{2 \omega V}} \frac{\epsilon^\prime_j e^{i k^\prime y}}{\sqrt{2 \omega^\prime  V}}
  \tag{6}
\]
となる。ここで、$\vec{k}$, $\epsilon_i$ はの入射光子の運動量と偏光ベクトルであり、$\vec{k}^\prime$, $\epsilon^\prime_i$ は散乱光子のそれである。$\om = \om_k = k_0$, $\om^\prime = \om_k^\prime = k_0^\prime$ は入射・散乱光子の角振動数(光子エネルギー)を示す。また、$| i \rangle $ は媒体の始状態、$| f \rangle $ は終状態を示す。

2018-08-16

青空と夕焼けに想う(1)ナイアのエッセイから

私が博士課程だった時の指導教官は V. Parameswaran Nair(ナイア)です。学者の中の学者という印象の素晴らしい物理学者です。そのナイア先生が空の青さと夕焼けについてエッセイ風の解説 "The blue sky and the light of setting suns" を公開しています。いつものごとく素晴らしい内容なので日本語に意訳しました。4章あるのでこれから章ごとにアップします。大学で「場の量子論」を勉強した人(あるいはしたい人)向けです。画像ファイルなど省略したものもあります。ブログエントリーとして読みやすいようにリンクなどを追加しました。また明らかな誤植は修正しました。原文へのリンクはこちらにもあります。論文や教科書よりは気軽な読み物なので細部にはあまりこだわらず議論の流れを楽しんでもらえればと思います。もちろん原文がお勧めですが、日本語がいい方は読み進めてください。


要約


水平線のかなたでまじわる青い空と青い海を見て思いつくこととを挙げてみよう。この青さの理由はすべてレイリー散乱で説明つくのだろうか、あるいは、もしそうならその背後に対称性に基づく低エネルギー理論が存在するのだろうか?揺らぎの効果はどこに収まるのか?これらは昔からある問題だが、多くは記録されていない。ここでは場の理論の切り口でこれらについて考えてみたい。

2018-08-15

自作パソコンのパーツ紹介

前回のエントリで昨年デスクトップパソコンを組み立てた話をしたので、この機会にどのようなパーツを買ったか紹介します。詳しい説明は抜きに、購入したものを羅列します。すべてアマゾンで買いました。PCの自作に興味ある人はネットでも詳し情報を得られますが何か本があった方が安心です。初心者向けの



が写真による図解も豊富で参考になりました。

落雷で液晶モニタ故障、買い替え

我が家は長年テレビのない生活をしていましたが、去年からリビングに自作パソコンを設置して40インチのモニター
(61,656円で購入)

2018-08-14

最近読んだ本:物理、バレエ

前回の続きです。最近の物理のトピックで外せないのは、やはりノーベル賞即決の重力波検出です。



私が学部生だった頃も天文台のTAMA300プロジェクトなどで精力的に重力波の検出を目指していましたが、当時は重力波の検出には何年かかるかわからない、もしかしたら自分たちが生きているうちはムリかもというような話を聞いていました。まさかあれから20年後に実際に検出、観測されるとは、実験家の方々の熱意と粘りに頭が下がります。私は性格的にも能力的にも実験には向いていなかったので尊敬の念しかありません。ノーベル賞が即断されたのは当然のことでしょう。重力波検出の原理は干渉計を使うシンプルなものですが、本でも紹介されているように重力波を検出できるぐらい観測の精度を上げるのが信じられないほど大変だったようです。以前、修士課程で重力波検出の研究室に行った関谷淳君から話しを聞いていましたが、このノイズ処理向上が一番の課題だったようです。私たちの学年では沼田健司君がとても優秀でこの分野で頑張っていると聞いていました。いまはNASAに居るそうです、頑張ってください!これからの天文・宇宙分野は重力波天文学の時代ですよね。ブラックホールの衝突だけでなく中性子星衝突の観測結果も立て続けに報告されています。これからの成果にも期待しています。

盆栽的プログラミングのすすめ 仲間内テニス練習会システムの紹介

私はもう10年近くパートタイムでウェブアプリの開発などに携わっています。専業でないので最近の流行には乗れずに枯れた技術を流用しながら何とか対応しています。専業になるとフレームワークとgitを使いこなしチームを組んで開発しないといけないのでしょうが、私の場合は1人でやりたいので小規模で趣味のような盆栽的開発ばかりさせてもらっています。(最近はあまり案件ありませんが。)ウェブアプリでやることと言えば、データベースの設計、フォームバリデーションの設定、クーロン設定、ログイン周り、メール設定などほぼ決まっているので一度これらの技術を何かの形で習得してしまえばあとは別に最新のものを取り入れる必要はないと思います。例えば、簡単なフォームを作るだけなら今ではGoogleフォームを使えば誰でもできるのにあえてフレームワークで大がかりに作成するのは一本のわらを青龍刀で切るようなちぐはぐさがあります。簡単なフォーム作成ならDBを組み込むにしてもPHPべた書きで充分ではないでしょうか。その方が自由度があるし自分で作っている気分になれます。

2018-08-13

2015年の年末家族ドライブ、日本三古湯めぐりとフェリー乗船

もう一つ楽しかった家族でのドライブ旅行は2015年の年末に日本三古湯と呼ばれる有馬温泉、道後温泉、白浜温泉に行ったことです。上の子が9歳、下の子が2歳の時です。25日の夕方に都内を出て、新東名にのり刈谷PAで夕食。その後、伊勢湾岸、東名阪、新名神、名神、中国道、山陽道と入りました。(今年の3月に高槻JCTと神戸JCTがつながったみたいなので吹田JCTまで行かずに山陽道に入れるようで今度行くとき楽しみにしています。)山陽道の三木小野ICで降り夜10時過ぎにルートイン小野に宿泊。翌日は自分だけ早起きして加古川のほうへランニング。段丘になっているため川が霧の中に沈み込んでいて幻想的な風景でした。内陸なので神戸よりも肌寒い印象です。信号待ちしていると地元の女子中学生が「おはようございます!」と気持ちいい挨拶。見知らぬ人にもしっかり挨拶できるとは、教育風土の良さを感じました。朝食後、ホテルの人に一番安いGSを教えてもらってから給油。その後、西脇方面に向かい滝野社ICから中国道に入り西宮北ICで降り有馬温泉へ。朝いちで太閤の湯につかってきました。のんびりする間もなく山陽道に戻り山陽姫路東ICで降り世界遺産の姫路城へ。小学校の遠足できて以来30年ぶりです。改修工事も終わり壁が真っ白でした。子供を抱っこして天守閣まで登りました。隣接する姫路動物園の入園料の安さ(いま調べてみると子供30円)には驚きました。動物の種類も数も期待以上に豊富で楽しめました。姫路城で潤っているから動物園は安くて済むのでしょうか、今まで行った動物園の中で一番お得でした。その後、お土産屋さんなどに寄りながらゆっくりしてから福山に移動。予約していませんでしたが何とか入れてもらった海岸沿いのかき小屋で夕食。カープの応援歌が大音量で流れている楽しい店でした。(ハイ、神戸在住でしたがカープファンでした、甲子園でカープ応援していましたよ。山本浩二、衣笠、長内、高橋慶彦、北別府たちがいた黄金期です。あの衣笠がもういないなんて信じられません。)その夜はルートイングランディア福山に宿泊。温泉施設、大量の漫画コレクション、子供のプレイルームを深夜まで楽しめるホテルでした。子供たちは遅くまで興奮していました。翌朝近くを散策、福山市体育館の周りを軽く走りました。朝食後、2号線からしまなみ海道へ。ここの2号線は高速道路のようでした。途中のPAでトイレ休憩。

2018-08-12

2016年夏の東北ドライブとエンジンオイル交換

我が家の愛車はカローラフィールダー(シルバー)です。平成14年6月登録なのでもう16年ものですが購入したのは平成18年12月で中古で107万7千円でした。アメリカでTA(Teaching Assistant), RA(Research Assistant)してためたお金で購入しました。初めは自賠責保険にしか入っていませんでしたが、妻がアパートの駐車場で隣の車にぶつけたため持ち主のところに菓子折りを持って当時3歳の子供を連れて謝りに行きました。修理・代車の費用合わせて10万円払いました。持ち主の方には、「ぶつけられたのは確かに嫌だったけど、いまどき珍しく正直に謝ってくれてかえって気持ちいい思いをしたよ。」と言ってもらいホッとしました。ただ、このまま自賠責だけでは(自分は良いとしても妻の運転もあり)不安なので、自動車保険に入ることにしました。ディーラーの方は自動車保険入ってなかったのですかと驚いていましたが、私も今考えると同感です。平成24年1月から保険に入っていますが、その後も妻の運転で保険にお世話になることがありました。軽い対物事故ですが相手との間に保険会社に入ってもらって助かりました。菓子折りもって妻の尻拭いするのだけはもうやりたくないです!

2018-08-11

最近読んだ本:数論関連

専門以外の本ばかり紹介したので、研究分野と関係する一般書も推薦させてください。初版2015年のものですが、『ラマヌジャンζの衝撃』


はとても良かったです。いま本棚の一番目立つところに飾っています。黒川先生は数論、特にζ関数の大家で、リーマン予想やリーマンその人については全て黒川先生の著作から学びました。手元にあるものだけでも






があります。現代の矢野健太郎先生のごとく精力的に啓蒙書を著されているので興味のある方は是非読んでみてください。大学生、意欲的な高校生でも読めるはずです。専門書は

 

がお薦めです。私は古い単行本で勉強しましたが人気なので最近はペーパーバックでも読めるみたいです。丁寧に解説されているで数学科でなくても読み進められるはずです。人類の叡智が詰まった素晴らしい教科書です。これを読破できたら世界中どこへ行ってもやっていけます。場所によっては神と崇め奉られるかも?!

2018-08-10

最近読んだ本:古代史、選挙、満洲、震災、駒苫、テニス

宝賀寿男先生の精力的な研究成果が最近続々と刊行されています。青垣出版という独自の出版社から出ているようですが、とても読みごたえがあります。いろいろありますが自分の名前のルーツについて調査したものを読んでいます。


アベさんは昔からいたようで全国各地に分布しています。ルーツと言ってもどこまでさかのぼるかによりますがアベ氏の祖は、第八代孝元天皇の第一皇子、大彦命(おおひこのみこと、古事記では大毘古命)と言われています。大彦命は四道将軍の一人として北陸に派遣されたそうです。

2018-08-09

キジバトを追い払う

今朝、珍しくキジバトが庭木のシマトネリコの上のほうにいるので追い払おうと声を出しましたが全く動く気配がありませんでした。尾瀬に行ったりして留守にすることもあり庭のことは疎かになっていました。それでも、まさかキジバトが居ついているとは思いませんでした。軽く脅かせば飛び立つと思いきや全く動じません。しかもつがいで仲良くいるじゃないですか。観察しているとオスのほうは小枝を運んでいるようです!これは完全に巣作り始まっています。2階のベランダから棒でつついてメスを追い払いましたが、しばらくするとまた居座っています。気に入られちゃったみたいです。どうにかしないと本当に巣作り始まってうるさくなるしシジュウカラと違って糞害があるので今のうちに撃退しなければということで、午前中の予定を変更してシマトネリコの剪定をしました。


最近読んだ本:古事記関連

最近、竹内睦泰(むつひろ)先生が古事記に関する本



を出していて、これまで習ったことがない話ばかりで興味深く読みました。門外不出の口伝を意を決して公開したとのことで、そのまま教科書に載せることはできないでしょうが、学術的に検証すべき内容が大いに提供されていると感じました。神話の世界のことなので難しいとは思いますが。個人的な感想を一つ言うと、学生の頃「ひみこ」を勝手に当て字された「卑弥呼」ではなく「日巫女」として教わりたかったです。古事記について学術的にはどこまで分かっているのか知りたくて『「神武東征」の原像〈新装版〉』


2018-08-08

最近読んだ本:宇宙、梅棹、神戸、田中一村

最近本屋に行くことはほとんどありません、2ヵ月に1回程度でしょうか。行ってもあまり買いませんね。皆さんそうでしょうが本はアマゾンで買います。私は貧乏性なので買った本は一応最後まで目を通して、専門書や数学の本以外は大抵ブックオフに売りに行きます。すでに手元に無いものもあるので、最近気になったものをまとめておきます。


吉田伸夫先生の新刊はできるだけ読むようにしています。いつもしっかり調べられていて勉強になります。最新刊の『科学はなぜわかりにくいのか』は今読みかけています。

2018-08-07

論文リジェクトはつらいよ!

4ヶ月近くも連絡無かったので諦めていましたが、こないだの投稿した論文はリジェクトされました。これ、ホントにへこみますね。ReviseでなくRejectの場合は反論の余地がないので、もうどうにもなりません。最後通牒、お前はもう死んでいる状態です。一年近くじっくり考えて書き上げたのが理解されないというのはつらいですね。自分は納得しかねるのですが、レフリーによるとメインの主張自体が間違っているので修正しようがないとのことです。ちなみにメインの主張というのは「トーラス上のアーベル型チャーン・サイモンズ理論の波動関数が量子論的な意味で重さ2のモジュラー形式と解釈できる」というものですが、詳しいことは割愛します。

以前も数学寄りの論文で一度CNTPというジャーナルからリジェクトされたことがありますが、そのときは単に「数学的にも論理的にも意味をなさない論文」と一刀両断されました!このときはさすがに研究者失格との烙印を押された気分で、そもそもそんなヤツがなんでPh.D.取れたんだ?!と、開き直るしかありませんでした。「後学のためどの部分が間違っているのか教えてほしい」と問い合わせたら、他の所に投稿してくれとのことで、結局JMPというジャーナルに載せてもらうことになりました。

2018-08-05

尾瀬 1泊2日ハイキング

去年の至仏山日帰り登山の際に尾瀬の素晴らしさに感動したので、今年は妻と次女を連れて一泊二日で尾瀬を満喫しました。長女が合宿で留守だったので4歳の次女と3人で初めて山小屋に泊りました。山小屋だと帰りのバスの時間を気にしなくていいし、朝ものんびりできるので時間を有効活用できていいですね。また尾瀬に詳しい山小屋の人から色々と話を聞けたのはとても貴重な体験でした。東電小屋には神崎さんという尾瀬にとても詳しい方がいらっしゃって夜の解説は本当に素晴らしかったです。子供のペースが読めなかったため宿の到着が一時間半ほど遅れてしまいましたが、快く迎えてくださりホッとしました。携帯電話は圏外なので連絡の取りようがなく東電小屋のスタッフにはご迷惑をおかけしました。

大清水
当初は以前来た鳩待峠から入って東電小屋に行き、尾瀬ヶ原を散策して帰りも鳩待峠から戻る予定でしたが、尾瀬に詳しいテニス仲間が「大清水から入って尾瀬沼を反時計回りに周回して見晴から尾瀬ヶ原に入り東電小屋に行くのがいいですよ。帰りは鳩待峠から戻ればベストです。」と教えてくれたので、そのルートにしてみました。一日目は長女を夏期合宿の集合場所に朝7時40分に送っていかなければならなかったため、大清水に着いたのは11時前でした。スケジュールが合えば戸倉駐車場に停めて、バスで大清水に行こうかと考えましたが、バスの本数が多くないのでマイカーの方は直接大清水に入って帰りはバスで大清水に行くのがお勧めです。行きはできるだけ早く登山口に入る方が安心です。11時に大清水からエコカーに乗り一ノ瀬へ。乗客は我々三人だけだったので、運転手の高橋さんに旧道の沼田街道のことや尾瀬の歴史についていろいろと教えてもらいました。この辺の道は江戸時代初期に真田家によって整備がすすめられたそうです。一ノ瀬到着後、東電小屋に泊るんですよと伝えたところ、高橋さんが東電小屋には神崎さんという今尾瀬のことを一番よく知っている方がいるので是非話を聞いてくださいと教えてくれましたが、確かにその通りの素晴らしいレクチャーを食後にしてくださいました。東電小屋に宿泊される方は必聴です!

2018-08-04

無電柱化と曾祖父・阿部元太郎の理想主義

最近、無電柱化に向けての意識が高まっています。推進派の多くは欧米の街並みと比べて景観が悪いからとのことですが、確かに市街地では電柱が林立していて空が開けていないのは心理的にも抑圧された感じになります。林立している電柱にも趣があり、それもかえって芸術的だと感じる方もいるでしょう。感性は人それぞれでしょうが、一度電柱のない風景に慣れたらあえて電線で空を覆いたいと思う人は少ないはずです。電柱があって嬉しいのは鳥ぐらいじゃないでしょうか。先日シジュウカラの巣作りから巣立ちまでを観察しましたが、改めて電線は鳥たちに役立ってるなあと実感しました。見上げてみると色々な鳥が電線に留まっていました。スズメ、カラス、ムクドリ、シジュウカラ、その他名前の知らないきれいな鳥たち。ただ、彼らは別に電線が無くても屋根や木に留まればいいので特に困らないでしょう。むしろ、無くなってくれた方が、電線の下を通る私たちにフンを落として飛んで行ったりすることもなくなり人間から敵視されることも減るでしょう。実際、カラス、ムクドリなどは市街地で繁殖しすぎているきらいがあるので電線がない方が人間にはありがたいはずです。

無電柱化のメリットは他にもあります。都内では世田谷区などの狭い道を自転車で走るときに電柱が邪魔になってどうしても車道寄りに膨らんで走行しなければならなくなり、そんなとき車がスピードを上げて追い越してくるととても危険です。歩行者にとっても電柱は邪魔で、電柱の手前でいちいち車が来ないか確認しないといけないような場所もたくさんあります。車の運転手にとっても狭い道に電柱がそそり立っているととても走りづらいです。また、電柱にはよくペットの犬がマーキングをしますが、一旦マーキングされたらどんどんマークされどうしても見た目が悪くなります。たまにウンコなど落ちていると最悪です。通学時にそれを踏んだり、踏んだ跡を見たら一日いやな気分になりますよね!

とにかく、ここで私が言いたいのは「市街地の無電柱化は積極的に推進して欲しい。できないのであれば、市民が無電柱化に向けて行動できる仕組みを作ってほしい。」ということです。私の場合は三鷹市ですが、市内を見てみると駅前の商店街や一部の主要道路は無電柱化が既に実施されています。電柱の代わりに歩道に電気ボックスが設置されています。このボックスは街路樹や電灯の間に置かれているので特に邪魔にはなりません。今後も市内では道路拡張などの整備に伴い無電柱化を進めていくようですが、市内全域の無電柱化を果たして自分は見届けられるのでしょうか?今のペースでは無理でしょうね。

無電柱化には当然費用が掛かります。行政任せにしていては、いつまでたっても推進はされども実際に施工されることは無いでしょう。経済的には人口密度の少ない地域で無電柱化を行う意義は少ないですが、市街地では無電柱化によって町の魅力・価値が上がり同時に地価も上がるはずなので、意識の高い住民が参画して無電柱化を自力で進められる仕組みがあれば、おのずと進められると考えています。まずは自分の周りから無電柱化したいですよね。無電柱化というキーワードで地域のコミュニケーション、連帯感が深まり非常時の対応もしやすくなるはずです。なにより、地域で共通の意識・目標があるのは楽しいと思います。