最近、以前こちらで紹介した世界史講師の茂木先生がYouTubeで積極的に発信されているので興味深く視聴していたのですが、その中で特に面白かったシリーズに『アマテラスの暗号』という古代史ミステリーの著者・伊勢谷武(たける)さんとの対談がありました。
そこで早速kindle版の電子書籍を購入。
昨日ようやく読了。知らない話が盛りだくさんで楽しかったです。敢えてミステリー形式にして著者のリサーチ成果と独自見解を存分に描き切るという手法は潔くていいですね。ミステリー小説でありながら冒頭で「この小説における神名、神社、祭祀、宝物、文献、伝承、遺物、遺跡に関する記述は、すべて事実にもとづいている。」という通常の断り書きとは真逆の挑戦状を読者に叩き付けているのが新鮮でした!公的な機関に所属せず、経済的に自立した著者だからこそ世に問うことのできた力作だと思います。写真や歴史資料がふんだんに提供されているので、家に居ながら旅した気分になれるのもよかったです。伊勢神宮、出雲大社、伏見稲荷には行ったことはあるのですが、残念ながら行けていない石上神宮、大神(おおみわ)神社、諏訪大社、下賀茂神社、木嶋(このしま)神社など由緒ある神社の様子を伺い知ることが出来ました。物語の中心になる籠(この)神社には去年の夏、天橋立に行った際、境内を通り過ぎたのですが、奥宮の眞名井神社も含めてお参りしなかったのが今となってはとても悔やまれます。また、以前こちらで紹介した剣山についての説明も詳しくされており、いつか登りに行くときの参考になりました。
神話の世界の神々については『古事記の宇宙』
と何故か手元にある『神道辞典』
を引っ張り出してきて復習しました。といってもなかなか頭に入らないのは何故でしょう?古事記と日本書紀で別々の命名となっており、別名が多数あったりして混乱します。歴史的な経緯や時の為政者による恣意的な編纂によるのでしょう。今回の読書で日本の神話の奥深さを再確認しました。
ヘブライ語やユダヤ教と日本の関係については中島尚彦さんのサイト『日本とユダヤのハーモニー』 がとても参考になります。中島さんも独立した事業家で自由な立場でリサーチ、発表しているのが素晴らしいです。お二人とも国際経験が豊かでグローバルな視点で日本の古代史に興味を持ちその情熱をストレートに表現している点で現代日本のシュリーマンのようです。神社関係者が秘伝的な内容を公開することは無いでしょうし、宮内庁が古墳の調査を許可することはあまり期待できません。また証拠・根拠が少ない古代史では学術界からの意見はどうしても分類学的で保守的なものに偏りがちです。我々一般人が興味のある古代史の全体像を問うようなモデルは今後も自由な立場の情熱を持った個人から発せられることでしょう。証拠が少ないのだから理論の飛躍はあるのは仕方ありません。分からないなりに推論を行いその検証を地道にしていくことで古代史の理解が深まると思います。これからもこのようなモデルが忌憚なく発表されることを期待します。
4 件のコメント:
はじめまして。『アマテラスの暗号』の著者、伊勢谷武と申します。突然、失礼いたします。
このたびは拙著をご購読いただき、ありがとうございました。Blogでご紹介くださったことも、とても嬉しく感じております。調べた内容に関しては自信がありましたが、小説として上手くまとめあげられたかどうかは出版するまではまったくの未知数でした。「楽しかったです」というお言葉をいただき、とても勇気づけられました。
また、「敢えてミステリー形式にして著者のリサーチ成果と独自見解を存分に描き切るという手法は潔くていいですね。」と、私が最初にこだわった「フィクションだからこそ真実?が書ける」という点を鋭くご指摘してくださった点も、とても嬉しく思いました。
私自身このことをひょんなきっかけから知り、何度も腰を抜かすほど驚嘆しながら調べました。その感動をお届けすることができたようで、この上ない満足感を感じました。ありがとうございます。
もし可能であれば、このレビューをアマゾンのレビューに投稿していただけませんでしょうか。私は『アマテラスの暗号』をできるだけ多くの人に読んでもらい、結末に賛成でも反対でも、それぞれが日本を見つめ直すきっかけにしてもらいたいと願いながら書きました。この日本がいい国であり続けるためには、それが必要なことであると信じているからです。
アマゾンのレビューは、口座をお持ちであれば今回アマゾンで購入していなくても匿名で投稿が可能です。
ご検討いただければ幸甚です。よろしくお願いいたします。
それではまだまだコロナ禍は続いておりますが、どうかご自愛を。
ありがとうございました。
伊勢谷拝
伊勢谷様
はじめまして。ブログ筆者の阿部泰裕です。
コメントありがとうございます!
まさか著者御本人から直接連絡を頂けるなんて恐縮です。
早速、内容を一部抜粋・修正してアマゾンレビューに(初)投稿しました。
タイトルは「斬新な日本古代史入門として」としました。
都合の良いときにご確認ください。
これからも著作を通して色々と勉強させてください。
構想中の信長の話、是非読んでみたいです。
改めてコメントありがとうございました。
阿部
阿部さま
ご快諾ありがとうございます。
レビューを確認させていただきました。
阿部さまのような方にお褒めの言葉をいただき、とても嬉しく励みになります。
ありがとうございました。
それでは、日本がこれからもいい国であり続けますように。
伊勢谷拝
伊勢谷様
こちらこそ、このような雑記ブログに
わざわざコメントを頂き大変光栄です。
ありがとうございました!
伊勢谷様のこれからの更なるご活躍を願っています。
どうぞ御自愛ください。
阿部
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