大学に入ったとき「新入生に紹介する本」という読み物があり、(今もありますが)向学心のあった私はそこで紹介されていた長野正(著)「曲面の数学」を書店で購入。
著者が自由闊達に議論を展開していて引き込まれるような思いでした。私の力不足から最後まで読み切れませんでしたが、いまでも何故か序文の言葉が記憶に残っています。
驚くべきことに過去百年の日本の数学の歴史のうちには、ある分野の人々全部が妙な迷路に入り込んで時代に取り残されてしまった例もきわめて少なくはないのである。
当時、そんなことあるかぁ~。なんて思ってましたが今では意味するところがよくわかる気がします。 本文の内容でなく序文だけ覚えているってちょっとダメですね。
大学院で読んだ教科書に似たようなテイストの本がありました。大貫義郎(著)「ポアンカレ群と波動方程式」
前回のエントリーでポアンカレ代数の話が出たので久しぶりに手に取りました。「まえがき」からやはり引き込まれます。1976年に著された本書がまだ教科書として充分に通用し推薦に値することは驚くべきことです。「曲面の数学」に関しては初版が1963年とのこと。両著作とも今後も読み継がれてほしい良書です。
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