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2021-08-07

ワインバーグ・サラム理論 note05: 低エネルギー近似でのカレント・カレント相互作用

前回のノートでは1世代モデルのラグランジアンを導いた。
L=Lgauge+Higgs+Lfermion
Lfermion=ˉνLγμμνL+ˉeγμ(μ+ieAμ)e+ˉuγμ(μi23eAμ)u+ˉdγμ(μ+i13eAμ)dig2[(ˉνLγμeL+ˉuLγμdL)W+μ+(ˉeLγμνL+ˉdLγμuL)Wμ]igcosθWZμ[12(ˉνLγμνLˉeLγμeL+ˉuLγμuLˉdLγμdL)                                               sin2θW(ˉeγμe+23ˉuγμu13ˉdγμd)](meˉee+muˉuu+mdˉdd)1v(meˉeeη+muˉuuη+mdˉddη)
Lgauge+Higgs=14f2μν(A)+14f2μν(Z)+12|DμWνDνWμ|2+i(efμν(A)+gcosθWfμν(Z))W+μWνg24(W+μWνW+νWμ)2+M2WW+μWμ+12M2ZZμZμ+12(μη)2+2M2WvW+μWμη+M2Wv2W+μWμη2+M2ZvZ2μη+M2Z2v2Z2μη2+12m2Hη2+m2H2vη3+m2H8v2η4
ただし、
fμν(A)=μAννAμ
fμν(Z)=μZννZμ
低エネルギー近似ではこのラグランジアンからカレント・カレンを相互作用を再現することができる。W粒子の運動量をqμとすると
WμeiqxWμ(q) ,     (μWννWμ)2q2
なので、q2M2Wのとき運動項は無視できる。
L=M2WW+μWμig2(W+μJμ+WμJ+μ)+
ただし、
J+μ=ˉeLγμνL+ˉdLγμuL+
Jμ=ˉνLγμeL+ˉuLγμdL+
省略された項はヒッグス場に関わる項を表す。ここで、Wボソンはヘリシティが左巻き状態のクォークとレプトンにしか結合しないことに注意しよう。Wボソン場の運動方程式は
M2WW+μig2J+μ=0 ,     M2WWμig2Jμ=0
これを解いて再度(4)に代入すると
LlW=g22M2WJ+μJμ=g28M2W[ˉeγμ(1γ5)ν+ˉdγμ(1γ5)u][ˉνγμ(1γ5)e+ˉuγμ(1γ5)d]
ここで、ˉeLγμνL=12ˉeγμ(1γ5)νなどを使った。ˉeγμγ5νは擬ベクトル(axial-vector)なので、この相互作用はV-A型カレント・カレント相互作用と呼ばれる。

MW=gv2より
g28M2W=12v2=GF2
ラグランジアンLlWは媒介ベクトルボソンの低エネルギー現象論を与える。
GF105m2p
が知られているので真空期待値のパラメータv
v250 GeV
と求まる。

同様にして、中性カレントの相互作用もラグランジアン(1)の低エネルギー近似から導くことが出来る。
L=12M2ZZμZμigcosθWZμJ(0)μ+
ここで中性カレントJ(0)μ
J(0)μ=J3μsin2θWJemμJ3μ=12(ˉνLγμνLˉeLγμeL+ˉuLγμuLˉdLγμdL)Jemμ=ˉeγμe+23ˉuγμu13ˉdγμd
で定義される。ラグランジアン(6)からZμの運動方程式は
M2ZZμigcosθWJ(0)μ=0
となる。この解をラグランジアン(6)に代入すると
LlZ=g22M2Zcos2θJ(0)μJ(0)μ=g22M2WJ(0)μJ(0)μ
相互作用にsinθWが入るので、中性カレントが現れる散乱過程、例えば、νeeνee弾性散乱の過程を研究することでこの値を測ることが出来る。実験より
sin2θW0.22 ,     sinθW0.47
が得られる。よって、
g=esinθW0.64
ただし、ここでは=c=1の自然単位系を用いているのでe2=4π1370.09となる。
MW±=gv280 GeV ,      MZ0=MW±cosθW91 GeV
放射補正を加えるとこれらの公式は少し修正され、ニュートリノ中性カレント過程から、次のような理論値が得られている。
sin2θW=0.215±0.10±0.004MW=83.0±2.4 GeVMZ=93.8±2.0 GeV
比較対象となる実験値 (CERN UA1 group) は
MW=83.1+1.30.8±3 GeVMZ=93.0±1.6±3 GeV

中性カレント

中性カレントは一般にフェルミ場を用いて
J0μ=f[gfLˉfLγμfL+gfRˉfRγμfR]
と書き下すことができる。ここで、fは任意のフェルミ粒子を表す。式(7)の中性カレントJ(0)μの場合、係数gfL, gfR
gνL=12gνR=0geL=12sin2θWgeR=sin2θWguL=1223sin2θWguR=23sin2θWgdL=12+13sin2θWguR=13sin2θW
で与えられる。

フェルミ粒子が1世代だけのモデルであっても、電弱標準理論では7つのフリーパラメータ (e,sinθW,MW,mH,me,mu,md)が含まれる。あるいは、対称性が破れる前の元々のラグランジアンで考えると、これら7つのフリーパラメータは、2つのゲージ結合定数(g,g)、スカラー場の2つの自己結合定数(λ,v)と3つの湯川結合定数(f(e),f(u),f(d))に対応する。

この意味で電弱相互作用の統一は完全ではない。つまり、これら2つのクラスの相互作用を記述するには(その内部対称性から)2つのゲージ結合定数g, gをフリーパラメータとして導入する必要がある。

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