2021-09-21

右手薬指突き指 テーピング

昨日の登山で痛めた突き指が一日経っても治りません。以前足首を捻挫したときのようにひどく腫れ上がってはいないのですが「薬指を伸ばすと痛い!」という当初からの症状はそのままです。シップを貼って軽くテーピングで固定したのですが、骨折あるいは腱の損傷の疑いがあるので病院に行った方がいいのか悩ましい所です。が、とりあえずネットで自己診断して自宅治療することにしました。参考になったサイトはこちらです。

突き指の応急処置はRICE (Rest, Icing, Compression, Elevation) とのこと。とにかく患部を休ませて、冷やす、そしてテーピングなどで(鬱血しないように)圧迫して、(できれば)患部を心臓より上に挙げて血流を抑える、とのことです。テーピングの仕方はこちらを参考にしました。以前、捻挫したときのテープが残っていたのでそれを使っています。関節は曲がるのですが、第二第三関節の間が腫れています。カバンの中を手探りしたり、運転中にウィンカーを出したり何気ない折に不意に指が伸びてしまうと痛みが走ります。1,2週間はテーピングで固定して徐々に動かしていけばよいとのことですが、当分、手洗い、洗い物が不便になります。ゴム手袋するか。あと明後日にテニスのシングルス練習(2人だけ)に誘われているのですが、右手使わずに片手バックで対応しないとダメそうです。これを機会にサーブアンドボレーの練習をしてみようと思います。(追記:練習相手もぎっくり腰をやっちゃったそうなので結局キャンセルしてもらいました。)

2021年9月 浅間山:前掛山、外輪山

晴れの予報だったので早めに出発しようと思ったのですが、起床したのがなんと6時。登山口に到着したのが9時20分頃でした。駐車場が満車のため迷っていたら登山者の方から少し下がったところに停められるとのお言葉。何とか駐車できました。9時半出発なので前掛山まで行っても18時には帰ってこられるだろうということで予定通り出発。秋晴れのもと楽しい登山になりそうです。




2021-09-18

QCD 量子色力学 note18: sine-Gordon方程式

ワインバーグの訃報に接し開始した昔のノートのデジタル化ですが、ようやく最後のエントリーとなりました。電弱標準模型の話からだいぶ離れてしまいましたが、今回はsine-Gordon方程式を扱います。
\[ \begin{eqnarray} \L &=& \hf (\d \varphi )^2  - \frac{\mu^2}{\al^2} ( 1- \cos \al \varphi ) \\ V&=&  \hf \left( \frac{\d \varphi}{ \d x} \right)^2 + \frac{\mu^2}{\al^2} ( 1- \cos \al \varphi )  \end{eqnarray} \tag{1} \]
ただし、$(\d \varphi )^2 = (\d_t \varphi )^2 - (\d_x \varphi )^2$である。真空では$V (\varphi ) = 0$ なのでその定常解を
\[ \varphi_0 (n) = \frac{2 \pi n}{\al} \]
とおく。$\varphi = \varphi_0 + \et$としてラグランジアンを展開すると
\[ \L = \hf (\d_t  \et )^2 - \hf ( \d_x \et )^2 + \frac{\mu^2 \eta^2}{2} - \frac{\mu^2 \al^2}{4!} \et^4 + \cdots  \]
有限エネルギー条件は$|\vec{x}| \rightarrow \infty$で$\varphi \rightarrow \varphi_0$となる。ラグランジアン(1)からsine-Gordon方程式は
\[ \left( \frac{\d^2}{\d t^2} - \frac{\d^2}{\d x^2} \right) \varphi + \frac{\mu^2}{\al} \sin \al \varphi   = 0 \tag{2} \]
となる。伝播速度$v$ $(|v| < 1 $) をもつ波動を考えると sine-Gordon方程式は以下のソリトン解をもつ。
\[ \varphi_{sol} = \frac{4}{\al} \tan^{-1} \left[ \exp \left( \pm \frac{\al^2}{\mu} \frac{1}{\sqrt{1-v^2}} \Big( (x- x_0 ) - v ( t - t_0 ) \Big) \right) \right] \tag{3} \]
ただし、$|\vec{x}| \rightarrow \infty$のとき$\varphi \rightarrow \varphi_0$, $\d_x \varphi \rightarrow 0$ の境界条件と積分公式
\[ \frac{\al}{2} \int_{\varphi (x_0 )}^{\varphi (x) } \frac{ d \varphi}{ \sin \frac{\al}{2} \varphi} = \Bigg[ \ln \left( \tan \frac{\al}{4} \varphi \right) \Bigg]_{\varphi (x_0 )}^{\varphi (x) } \]
を用いた。この時、全空間のエネルギーは $U ( \varphi ) =  \frac{\mu^2}{\al^2} ( 1- \cos \al \varphi ) $とおくと
\[ {\cal E} = \int_{- \infty}^{\infty} U ( \varphi ) dx = \frac{4 \mu}{\al^2} \sqrt{1 - v^2} \]
と有限になるので(3)はソリトン(孤立波)解である。

2021-09-13

2021年9月 御座石鉱泉から鳳凰三山

 以前こちらで紹介したとおり2年半前の2019年3月に御座石鉱泉から燕頭山へ向かう途中で雪山装備不足のため引き返しました。それ以来、雪のないときに同じルートで鳳凰三山まで行こうと考えていましたが、膝の不安があるので後回しにしていました。とはいえ最近は定期的に登山しているので早めに行けば何とかなるだろうと判断して決行。行程が長いので武尊山の時のように日の出前からヘッドライトを点けて登り始めました。ところが、おにぎり食べながらで注意散漫になっていた為いきなりルートロストしてしまいました。以前、御正体山に登った時のことを思い出しながら冷静にルート復帰できたので助かりました。奥多摩湖から御前山までの登りを思い出しながらの急登。

祠のある旭岳に着くころにはだいぶ明るくなりました。

旭岳到着


QCD 量子色力学 note17: フレーバーカイラル対称性

以前のノートnote11でQCDの「フレーバーカイラル対称性の破れの階層性」について触れましたが、今回のエントリーではこの点について更に詳しく見て行くことにする。

QCDのフェルミオン部分のラグランジアンは
\[ \L = - \sum_{i = 1}^{N_f} \bar{q}_i \ga \cdot D q_i + \mbox{(質量項)} \tag{1}\]
で与えられる。ただし、$D = \d + A$, $A$はグルーオンである。古典レベルでこのラグランジアンの最大の対称性は$U(N_f)_L \times U(N_f )_R$となる。これは
\[ \L = - \bar{q}_{Li} \ga \cdot \d q_{Li} - \bar{q}_{Ri} \ga \cdot \d q_{Ri} + \cdots \tag{2} \]
と書き下せば明らかである。実際にはこのフレーバーカイラル対称性は実現されていない。以下ではカイラル対称性が破れる原因を紹介していく。

(1) 電弱相互作用
電弱ゲージ群 $G_W \subset U(N_f)_L \times U(N_f )_R$ によって明示的にカイラル対称性が破れる。この対称性の破れはクォークと$W, Z$ボソンとの相互作用、クォークとヒッグス場との相互作用を通して起きる。これらの相互作用はQCDラグランジアンの摂動的な補正として扱われ、クォークの質量項だけが残る。これは電弱摂動理論のゼロオーダーであり、そのラグランジアンは
\[ \L = - \bar{q}_i \ga \cdot (\d + A ) q_i - m_i \bar{q}_i q_i \tag{3} \]
で与えられる。このラグランジアンの対称性はとても小さい。全ての軸性対称性は質量項のために自明的に破れる。もし全ての$m_i$が等しければ$U(N_f )_{L+R}$対称性が保たれる。しかし、質量差を考量すると$U(N_f )_{L+R}$より小さな対称性しか持ちえない。$N_f =3$の場合、
\[ U(N_f )_{L+R} = U(3)_V \approx SU(3)_V \times U(1) \]
となる。ここで、$SU(3)_V$はGellMann-Ne'emanによって提唱されたクォーク模型の$SU(3)$群である。$U(1)$はバリオン数を表す。

(2) 強い相互作用によるカイラル対称性の自発的な破れ
クォークの質量も含めて全ての電弱相互作用項が無視できる場合、古典的な対称性は$U(N_f )_L \times U(N_f )_R$ である。この対称性は強い相互作用の閉じ込め効果により$U(N_f )_{L+R}$へ自発的に破れる。これは実験的な事実であるが、理論的に証明されたわけではない。これは自発的な破れの効果によるものでオーダーパラメータを使って記述できる。簡単なオーダーパラメータとして複合演算子$\bar{q}_{Li}q_{Rj}=M_{ij}$を採用する。
\[ \bra \bar{q}_{Li}q_{Rj} \ket = \bra M_{ij} \ket = c \del_{ij} \tag{4} \]
$U(N_f )_L \times U(N_f )_R$変換のもとで$M \rightarrow h^\dagger M g$ ($h \in U(N_f )_L $, $g \in U(N_f )_R )$となる。$\bra M \ket = c {\bf 1}$のとき$U(N_f )_{L+R}$は保存される。$\bra M \ket$が${\bf 1}$に比例しない場合($c$-数でない場合)対称性の破れ方は異なる。このことからパリティは自発的に破れないことを示すことができる。実際、ベクトル的な対称性は自発的に破れないことが示されている。よって、(自発的な対称性の破れによって)$U(N_f )_{L+R}$より小さな対称性が得られることは無い。

ゴールドストンの定理により自発的な対称性の破れ $U(N_f )_L \times U(N_f )_R \rightarrow U(N_f )_{L+R}$ によってコセット多様体$\frac{U(N_f )_L \times U(N_f )_R}{U(N_f )_{V}}$に対応するゴールドストン・ボソンが導かれる。これらは標準的な擬スカラーメソン $\pi, K , \eta ,\eta'$ を与える。元となるカイラル対称性$U(N_f )_L \times U(N_f )_R$はクォークの質量とその他の電弱相互作用によって自明的に破れるので理論の完全な対称性ではない。そのため、これらの擬スカラーメソンは現実世界では無質量とならない。

(3) 軸性アノマリー
軸性アノマリーについて詳しくはnote07を参照のこと。古典的な対称性は$U(N_f )_L \times U(N_f )_R \rightarrow U(N_f )_{L+R}$であるが、フレーバー1重項の軸性$U(1)$対称性はアノマリーによって破られる。このアノマリーは


\[ q \rightarrow e^{i \ga_5 \al } \]
\[ \del_\al \Ga = 2 \al N_f \left[\frac{1}{16 \pi^2} \int F_{\mu\nu}^{a} \widetilde{F}_{\mu\nu}^{a}  \right]  = 2 \al N_f Q\tag{5} \]
となる。ただし、$Q$は整数でインスタントン数を表す。$U(1)_A$は完全に破れるわけではなく離散的な部分群は残る。(この点については後で議論する。)

2021-09-09

QCD 量子色力学 note16: ハドロンとレプトンの深非弾性散乱

前回のnote15の続きです。(ノートはあと3つ!)今回はQCDの発展に歴史的に重要な深非弾性散乱を取り上げる。この実験によりクォーク(ファインマンはパートンと呼んでいたらしい)の存在が実証されQCDの研究が進んだ。ここでは例として電子$e$と陽子$p$の散乱について考える。
 

上記のように運動量を指定する。散乱後の陽子の状態を$X$、その運動量を$P_X$とおく。基本的なローレンツ共役な変数は$\nu = p \cdot q$と$q^2$になる。ただし、$q = k - k'$とおく。相互作用のラグランジアンは
\[ \L_{int} = e A_\mu J_\mu + e A_\mu \bar{\Psi} \ga_\mu \Psi \tag{1} \]
となる。ここで、$J_\mu$はハドロンの電磁カレント
\[ J_\mu = \sum_{i} Q_i \bar{q}_i \ga_\mu q_i \tag{2} \]
であり、$i$はフレーバーの指標である。
\[ \begin{eqnarray} Q_i = \frac{2}{3} &~~& \mbox{for} ~~ q_i = u , ~c,~ t \\  Q_i = - \frac{1}{3} &~~&  \mbox{for} ~~ q_i = d, ~s,~ b \end{eqnarray} \]
散乱過程の振幅は(1)より
\[ \A = i e^2 \sqrt{\frac{m}{E_k V} \frac{m}{E_k' V} \frac{M}{E_p V} } \bar{u}_{k'} \ga_\mu u_k \frac{\del_{\mu\nu}}{q^2}\int \bra X | J_\nu (x) | P \ket e^{-iq x } d^4 x \tag{3} \]
とおける。$P$は(4次元)運動量演算子なので
\[ J_\mu (x) = e^{iPx} J_\mu (0) e^{- iPx} \tag{4} \]
と表せる。よって、
\[ \begin{eqnarray} \int d^4 x ~ \bra X | J_\mu (x) | P \ket e^{-iqx} &=& \int d^4 x~ e^{-i (p+q-P_X ) x}  \bra X | J_\mu (0) | P \ket \\ &=& (2 \pi )^4 \del (p+ q -P_X )  \bra X | J_\mu (0) | P \ket  \tag{5} \end{eqnarray} \]
となる。

フラックスが$F= 1/V$となる陽子の静止系($E_p =M$)で考える。また、状態$|X \ket$にある粒子の波動関数因子($\sqrt{\frac{m}{E V}}$など)は省略する。というのも、それらの因子は$V \rightarrow \infty$極限でローレンツ不変な形で位相因子に組み込まれるためである。式(3), (5)から散乱断面積は
\[  \begin{eqnarray}  d \si &=& \sum_{k' , P_X} \frac{|\A|^2}{\tau F} = \frac{V}{(2 \pi )^3} d^3 k' \sum_X \frac{e^4 V}{\tau } \frac{m}{E_k V}\frac{m}{E_{k'} V} \frac{1}{V} \frac{1}{q^4} \tau V (2 \pi )^4 \del (p + q - P_X ) \\ && ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~\times \hf \sum_{s, s'} \left( \bar{u}_{k'}^{s} \ga_\mu u_{k}^{s'} \, \bar{u}_{k}^{s'} \ga_\nu u_{k'}^{s} \right) \hf \sum_{P: \mbox{偏極}} \bra X | J_\mu (0) | P \ket \bra P | J_\nu (0) | X \ket  \\ &=& \frac{2 \pi e^4}{q^4} \frac{m}{E_k} \frac{m}{E_{k'}} \left[ \hf \sum_{s, s'} \left( \bar{u}_{k'}^{s} \ga_\mu u_{k}^{s'} \, \bar{u}_{k}^{s'} \ga_\nu u_{k'}^{s} \right)  \right] \\ && ~~ \times \left[ \hf \sum_{P: \mbox{偏極}}\sum_X (2 \pi )^3 \del^{(4)} ( p + q -P_X ) \bra X | J_\mu (0) | P \ket \bra P | J_\nu (0) | X \ket   \right] \frac{d^3 k'}{(2 \pi )^3} \tag{6} \end{eqnarray} \]
ここで、
\[ \sum_s u_k^s \bar{u}_k^s = \frac{{k \!\!\! /} + m}{2m} \]
を用いると
\[ \begin{eqnarray} \frac{2 \pi e^4}{q^4} \frac{m}{E_k} \frac{m}{E_{k'}} \left[ \hf \sum_{s, s'} \left( \bar{u}_{k'}^{s} \ga_\mu u_{k}^{s'} \, \bar{u}_{k}^{s'} \ga_\nu u_{k'}^{s} \right)  \right] &=& \frac{2 \pi e^4}{q^4} \frac{m}{E_k} \frac{m}{E_{k'}} \hf \frac{1}{2m \cdot 2m} \tr \left[ ( {k' \!\!\! /} + m ) \ga_\mu ({k \!\!\! /} + m) \ga_\nu \right] \\ &\simeq& \frac{2 \pi e^4}{q^4} \frac{\big[ k_\mu {k'}_\nu +k_\nu {k'}_\mu - \del_{\mu\nu} k \cdot k'  \big]}{2 E_k E_{k'}} \end{eqnarray} \]
となる。ただし$m= m_e$は$|\vec{k}|^2$あるいは$|\vec{k'}|^2$に比べて充分小さいと仮定した。よって、散乱断面積は
\[ d \si = \frac{2 \pi e^4}{q^4} \frac{\big[ k_\mu {k'}_\nu +k_\nu {k'}_\mu - \del_{\mu\nu} k \cdot k'  \big]}{2 E_k E_{k'}}  W_{\mu\nu} \frac{d^3 k'}{(2 \pi )^3} \tag{7} \]
となる。ただし、$W_{\mu\nu}$は
\[ \begin{eqnarray} W_{\mu\nu} &=& \hf \sum_{P: \mbox{偏極}}\sum_X (2 \pi )^3 \del^{(4)} ( p + q -P_X ) \bra P | J_\nu (0) | X \ket \bra X | J_\mu (0) | P \ket \\ &=& \hf \sum_{P: \mbox{偏極}}\sum_X  \frac{1}{2 \pi} \int d^4 x ~ e^{-i (p+q - P_X) }  \bra P | J_\nu (0) | X \ket \bra X | J_\mu (0) | P \ket \\ &=&  \hf \sum_{P: \mbox{偏極}}\sum_X  \frac{1}{2 \pi} \int d^4 x ~ e^{-i q } \bra P | J_\nu (x) | X \ket \bra X | J_\mu (0) | P \ket \\ &=&  \hf \sum_{P: \mbox{偏極}}  \frac{1}{2 \pi} \int d^4 x ~ e^{-i q } \bra P | J_\nu (x)  J_\mu (0) | P \ket  \end{eqnarray} \]
で与えられる。これはさらに
\[ W_{\mu\nu} = \hf \sum_{P: \mbox{偏極}}  \frac{1}{2 \pi} \int d^4 x ~ e^{-i q } \bra P | \big[ J_\nu (x) ,   J_\mu (0) \big] | P \ket  \tag{8}\]
と書き換えられる。交換子に出てくる余分な項 $J_\mu (0) J_\nu$ はデルタ関数 $\del^{(4)} ( P_X + q - p)$ を与えるが、これは$W_{\mu \nu}$に寄与しない。というのも、このデルタ関数は$P_{X0} = M - q_0$を意味するが、実験室系では$q_0 = E_k - E_k' > 0$なので、中間状態$| X \ket$のエネルギーは$P_{X0} = M - q_0 < M$となるが、そのような状態は散乱過程に寄与しない。(つまり、陽子が崩壊するような状態は存在しない。)よって、$q_0$が正となる状態$| X \ket$は存在しない。我々が関心を持つ現象は$q_0 \rightarrow \infty$の極限である。

2021-09-05

2021年9月 日光白根山

フリーになる日曜日。前々から鳳凰三山を狙っていたのですがあいにくの雨。家に居てもつまらないので朝起きてから浅間山か日光白根山か迷った挙句、ロープウェイがある後者に決めました。家を出たのが8時過ぎ、11時過ぎにロープウェイ山麓駅に着きました。道の駅片品までは尾瀬に行くのと同じ道でした。帰りは日光の方へ抜けようかと考えましたが、いろは坂とか山道が大変そうなので素直に引き返しました。




2021-09-02

QCD 量子色力学 note15: 電荷の定義と閉じ込め

前回のnote14の続きです。今回の内容は前半の電荷に関する部分がナイアの教科書(基礎編)


の10章、後半の閉じ込めについては教科書(発展編)


の19章に詳しい解説があります。ここで紹介するノートはメモ程度のものなので詳細を知りたい方は教科書を参考にして下さい。

ゲージ理論の電荷演算子

\[ S = - \qu \int F_{\mu\nu}^{a}F_{\mu\nu}^{a} d^4 x = + \hf \int \Tr \left( F_{\mu\nu} F_{\mu\nu} \right) d^4 x \tag{1}\]
ただし、$F_{\mu\nu } = -i t^a F_{\mu\nu}^{a} $であり、$SU(3)$の生成子$t^a$は$\Tr ( t^a t^b) = \hf$を満たす。この作用の変分は
\[ \begin{eqnarray} \del S &=& \hf \int \Tr \left[ F_{\mu\nu} D_\mu (\del A_\nu) \right] 4 d^4 x \\&=& 2 \oint \Tr \left( F_{\mu\nu} \del A_\nu \right) d \Si^\mu + (\mbox{運動方程式}) \tag{2}\end{eqnarray}\]
となる。無限小ゲージ変換では$\del A_\mu  = D_\mu \th$とおける。ただし、$\th$は無限小のゲージパラメータ。式(2)より空間表面上での変分は
\[ \del_\th S = 2 \int \tr \left( F_{0i } D_i \th \right) d^3 x \tag{3} \]
となる。このゲージ変換のもとで状態$| \Psi \ket $は
\[ | \Psi \ket_\th = e^{i2 \int \tr (F_{0i} D_i \th ) d^3 x} | \Psi \ket \tag{4} \]
と変換する。ただし、
\[ F_{0i} D_i \th = D_i ( F_{0i} \th ) - \th D_i F_{0i} ~, ~~~~~ F_{0i} = E_{i} \]
である。物理的な状態はガウス則$(D \cdot E = 0)$を満たすので
\[ \tr \th ( D \cdot E ) | \Psi \ket = 0 \tag{5} \]
よって、物理状態は
\[ | \Psi \ket_\th = e^{-i2 \oint_{|\vec{x}| \rightarrow \infty} \tr \th E_i d s^i } | \Psi \ket \]
と変換する。表面積分は無限遠での2次元球面上で評価される。無限小ゲージ変換$\del A_\mu  = D_\mu \th$はネーター対称性として作用するので対応する電荷演算子$Q^a$は
\[ | \Psi \ket_\th = e^{i Q^a \th^a} | \Psi \ket \]
と定義できる。よって、$E_i = - i t^a E_i^a$, $\th = t^a \th^a$とすると 
\[ Q^a = i \oint_{|\vec{x}| \rightarrow \infty}  E_i^a ds^i \tag{6} \]
を得る。ガウス則が自動的に満たされると考えると(4)から直接
\[ Q (\th ) = 2 \int \tr (E_i D_i \th ) d^3 x \tag{7} \]
ともおける。これは2次元面ではなく3次元空間全体での積分として評価される。