2025-08-25

Mathematical Review 129: 重力子散乱振幅 Amplituhedron-like 構成の試み

久しぶりに重力散乱振幅についての論文のレビュー依頼が来ました。前回のレビューはこちら。あまり進展してないなぁとの印象。それより、数ある重力子の MHV (maximally-helicity-violating) 振幅のうち何故に Hodges の式を使うのか良く分かりませんでした。が、そんなこと突っ込んでも仕方ないので著者の意向をくみ取ってレビューしました。こちらの通り。内容には踏み込まず背景知識の整理が大半を占めるというヒストリカルなレビューになってしまいました。数学の方にも是非、散乱振幅研究の歴史的な側面を知ってもらえればと思います。Amplituhedron では重力子散乱は上手くいかないというのは知りませんでした。私としては Amplituhedron でなくツイスター空間上のホロノミー形式による散乱振幅の研究を進めなきゃなあ。なんて思いながら実際最近は何も出来ていないことに慚愧の念が堪えません。

2025-08-15

13. ウィグナーの $\D$ 関数とその応用 vol.10

13.3.3 Case-Gasiorowicz-Weinberg-Witten の定理


ケイス-ガシオロウィッツ-ワインバーグ-ウィッテン (Case-Gasiorowicz-Weinberg-Witten) の定理(ワインバーグ-ウィッテンの定理と呼ばれることが多い)はつぎの2つの主張から成る。
  1. スピンが $> \hf$ となる質量ゼロの荷電粒子は存在しない。
  2. スピンが $> 1$ となる質量ゼロの粒子のうち保存エネルギー・運動量テンソルを持つものは存在しない。
この Case-Gasiorowicz-Weinberg-Witten (CGWW) の定理は元々1960年代にケイスとガシオロウィッツによって示され、1980年代にワインバーグとウィッテンによって改めて示された。以下では、この定理を行列要素の選択則として簡単に証明する。


質量ゼロ1粒子状態とその規格化

 質量ゼロの粒子の4元運動量を $p^\mu = ( \om , \vec{p} )$ をとする。ただし、$p^0  = \om$ は $\om = |\vec{p}|$ の値をとる。また、4元電流密度 (4元カレント) を $J^\mu  = ( J^0 , \vec{J})$ とおく。ただし、$J^\mu$ は電荷の保存則 $\d_\mu J^\mu = 0$ を満たす。以下では、1粒子状態 $| p \ket$ と $| p^\prime \ket$ で挟まれた $J^\mu$ の行列要素 $\bra p^\prime | J^\mu | p \ket$ に注目する。そこで、まずこれらの1粒子状態について考える。$p$-積分のローレンツ不変な積分測度は
\[    d \mu (p ) \, = \, \frac{d^3 p}{( 2 \pi )^3 } \frac{1}{2 \om}     \tag{13.180} \]
と表せるので、状態 $| p \ket$ の完全性は
\[     \int | p \ket  \frac{d^3 p}{(2 \pi )^3} \frac{1}{2 \om} \bra p | \, = \, 1    \tag{13.181} \]
と書ける。このとき、状態の正規直交性は条件式
\[    \bra p^\prime | p \ket \, = \, (2 \pi )^3 \, 2 \om \, \del^{(3)} ( \vec{p}^{\, \prime}  - \vec{p} )    \tag{13.182} \]
と表せる。粒子が空間体積 $V= L^3$ の立方体の中にあるとみなし、計算の最終段階で$V \rightarrow \infty$ の極限をとるものとする。このとき、 空間座標の周期的境界条件から $\vec{p}$ は
\[    \vec{p} = \frac{2\pi \vec{n}}{L}    \tag{13.183}\]
と表せる。ただし、$\vec{n} = ( n_1 , n_2 , n_3 )$ であり、各成分 $n_i$ $(i=1,2,3)$ は整数の値をとる。これらの成分を用いて $p$ と $p^\prime$ のクロネッカーのデルタは
\[    \del_{p, p^\prime } \, = \, \del_{n_1 , n_1^\prime } \del_{n_2 , n_2^\prime } \del_{n_3 , n_3^\prime }     \tag{13.184} \]
と定義できる。デルタ関数 $\del^{(3)}( \vec{p} - \vec{p}^{\, \prime} )$ を用いると(最終的に $V \rightarrow \infty$ の極限をとるとの理解のもと)$\del_{p, p^\prime }$ は
\[    \del_{p, p^\prime } \, = \,  \frac{(2 \pi)^3}{V} \del^{(3)}( \vec{p} - \vec{p}^{\, \prime} )    \tag{13.185} \]
と表せる。よって、直交性(13.182)より1粒子状態を
\[    | \widetilde{p} \ket  \, = \, \frac{| p \ket}{\sqrt{2\om V}}    \tag{13.186} \]
と規格化すると正規直交条件は $\bra \widetilde{p } | \widetilde{p}^{\prime } \ket  \, = \, \del_{p, p^\prime}$ と表せることが分かる。以下では簡単のため規格化された1粒子状態 $| \widetilde{p} \ket$ を $|p \ket$ と再定義する。すなわち、以下の議論では正規直交条件として
\[    \bra p  | p^{\prime } \ket  \, = \, \del_{p, p^\prime}    \tag{13.187} \]
を用いることにする。

行列要素の計算

 つぎに、正規直交条件(13.187)を用いて行列要素 $\bra p^\prime | J^\mu |  p \ket$ を計算する。$J^0$ は電荷密度を表すので粒子の電荷演算子は
\[    \widehat{Q} \, = \, \int d^3 x \, J^0      \tag{13.188} \]
で与えられる。1粒子状態 $| p \ket$ に作用する演算子 $\widehat{Q}$ の固有値が粒子の電荷 $Q$ である。
\[ \widehat{Q} \, | p \ket \, = \, Q \, | p \ket  \tag{13.189} \]
これより、$| p^\prime \ket \rightarrow | p \ket $ の極限における行列要素 $\bra p^\prime | \widehat{Q} | p \ket$ として電荷 $Q$ を定義できる。
\[ \lim_{p^\prime \rightarrow p} \bra p^\prime | \widehat{Q} | p \ket  \, = \,  \lim_{p^\prime \rightarrow p} \int \! d^3 x \, \bra p^\prime | J^0 | p \ket   \, = \,  V  \frac{Q}{V}  \, = \, Q \tag{13.190} \]
よって、$| p^\prime \ket \rightarrow | p \ket $ の極限で行列要素 $\bra p^\prime | J^0 | p \ket$ は
\[    \lim_{p^\prime \rightarrow p}    \bra p^\prime | J^0 | p \ket    \, = \, \frac{Q}{V}    \tag{13.191} \]
で与えられる。$V$ は空間体積なのでこれは確かに電荷密度を与えることが分かる。4元カレント $J^\mu$ はローレンツ共変であり $\d_\mu J^\mu = 0$ を満たすので、$J^\mu$ の行列要素は
\[ \lim_{p^\prime \rightarrow p} \bra p^\prime | J^\mu | p \ket  \, = \, Q \frac{p^\mu}{ \om V}  \tag{13.192} \]
と表せる。$p^\mu$ と $p^{\prime \mu}$ は質量ゼロ粒子の4元運動量なので、$p \cdot p = p^\prime \cdot p^\prime = 0$ であり、
\[    ( p + p^\prime )^2 \, = \, 2 p \cdot p^\prime \, = \,    2 \om \om^\prime (1 - \cos \th ) > 0    \tag{13.193} \]
を満たす。ただし、$\th$ は $\vec{p}$ と $\vec{p}^\prime$ の間の角度である。上式は $( p + p^\prime )^\mu $ が time-like ベクトルであること、つまり、計量 $(+---)$ のもとで時間成分が空間成分より優勢になることを意味する。よって、$\vec{p} + \vec{p}^\prime = 0$ となるフレームを選ぶことができる。(これは $\cos \th = -1$ に対応する。) すなわち、中心運動量フレーム
\[    p^{\mu} = ( \om ,  \vec{p} ) \, , ~~~    p^{\prime \, \mu} = ( \om , - \vec{p} )     \tag{13.194} \]
を採用できる。このとき、行列要素 $\bra p^\prime | J^\mu | p \ket $ は $\bra \! -  \vec{p} |  J^\mu  | \, \vec{p} \ket$ と表せる。

 ここで、$\vec{p}$ 方向の角運動量演算子を $L_{\hat{p}}$ とすると、定義から
\[    e^{ i L_{\hat{p}} \phi} | \, \vec{p} \ket     \, = \, e^{i s \phi} | \, \vec{p} \ket \, , ~~~    e^{ i L_{\hat{p}} \phi} | \!\! - \!  \vec{p} \ket     \, = \, e^{- i s \phi} | \!\! - \!  \vec{p} \ket    \tag{13.195} \]
と書ける。ただし、$s$ は質量ゼロ粒子のスピン (ヘリシティとも言う) であり、$\phi$ は $\vec{p}$ を軸にした回転量 (ゼロでない角度) を表す。上式から行列要素 $\bra \! -  \vec{p} |  J^\mu  | \, \vec{p} \ket$ は
\[\begin{eqnarray}    \bra  \! -  \vec{p} | \, J^\mu \, | \, \vec{p} \ket    & = &    \bra \! -  \vec{p} |    ~ e^{-i L_{\hat{p}} \phi } \,    e^{i L_{\hat{p}} \phi }    \, J^\mu    \, e^{-i L_{\hat{p}} \phi }    e^{i L_{\hat{p}} \phi }~    | \, \vec{p} \ket    \nonumber \\    &=&    e^{i 2 s \phi }   \, \bra \! -  \vec{p} | ~    e^{i L_{\hat{p}} \phi }    \, J^\mu    \, e^{-i L_{\hat{p}} \phi } ~    |  \, \vec{p}  \ket    \nonumber \\    &=&    e^{i 2 s \phi } \,  \D^{\mu \nu}  \! ( e^{i \phi} )  \,    \bra  \! -  \vec{p} | \, J^\nu \, | \, \vec{p}  \ket    \tag{13.196} \end{eqnarray}\]
と表せることが分かる。ただし、$\D$ 関数  $\D^{\mu \nu}  \! ( e^{i \phi} )$ は
\[ e^{i L_{\hat{p}} \phi }    \, J^\mu    \, e^{-i L_{\hat{p}} \phi }    \, = \,    \D^{\mu \nu}  \! ( e^{i \phi} )  \,    J^\nu   \tag{13.197} \]
と定義される。これは、13.2節で解説したように ウィグナーの $\D$ 関数が一般に
\[    U^{-1} (\th ) \, Q^{A} \, U  (\th )    \, = \,    \D^{(R)}_{AB} ( g ) \, Q^B    \tag{13.70} \]
と定義されることからも分かる。(13.197)の $\D^{\mu \nu}  \! ( e^{i \phi} )$ は回転群 $SO(3)$ のスピン1表現 $(l = 1)$ で与えられる。その具体的な形は13.2節
\[    \D^{ab} ( g) \, = \, \exp \left[ i ( T^c )^{ab} \th^{c} \right]     \tag{13.63} \]
\[    \D^{m^\prime m} ( g ) \, = \,  \D_{m^\prime m}^{(l = 1)} ( g )      \tag{13.67} \]
の通りである。ただし、$g$ は $SO(3)$ 群の要素であり、$( T^c )^{ab} = - i \ep^{abc}$ は $SO(3)$ 群の構造定数を表す。添え字 $a$, $b$ は空間座標 $(1,2,3)$を表し、$m$, $m^\prime$ は球面基底
\[    x^{\pm } = \frac{1}{\sqrt{2}} ( \mp x^1 - i x^2 ) \, , ~~ x^3     \tag{13.65} \]
の座標 $(\pm , 3 )$ を表す。いまの場合、$\vec{p}$ を $x^3$ 方向に指定できるので(13.197)の $\D^{\mu \nu}  \! ( e^{i \phi} )$ は
\[ \D^{ m m^\prime} \! ( e^{i \phi} ) \, = \, \exp \left[ \ep^{m m^\prime 3 } \phi \right] \tag{13.198} \]
と書ける。ただし、時間成分は空間回転に関与しないので添え字 $\mu$, $\nu$ を 球面基底座標 $m$, $m^\prime$ に置き換えた。$\ep^{+-3} = i$, $\ep^{-+3} = -i$, $\ep^{++3} = \ep^{--3} = 0$ に注意すると、$\D^{ m m^\prime} \! ( e^{i \phi} )$ の値は
\[ \D^{ m m^\prime} \! ( e^{i \phi} ) \, \in \, \{ e^{\pm i \phi} , \, 1  \} \tag{13.199} \]
に限られることが分かる。

 関係式(13.196)から $e^{i2 s \phi }  \, \D^{\mu \nu}  \! ( e^{i \phi} ) = 1$ となる場合がなければ、行列要素 $\bra \! -  \vec{p} | J^\mu | \, \vec{p} \ket$ はゼロとなる。一方、(13.192)から
\[ \lim_{| \! - \! \vec{p} \ket  \rightarrow | \, \vec{p} \ket } \int \! d^3 x \,  \bra \! -  \vec{p} | J^\mu | \, \vec{p} \ket  \, = \, Q  \, \hat{n}^\mu  \tag{13.200} \]
と表せる。ただし、$\hat{n}^\mu = ( 1, 0,0,1 )$ である。よって、荷電粒子 $( Q \ne 0 )$ に対して行列要素 $\bra  - \! \vec{p} | J^\mu | \, \vec{p} \ket $ は ($| \! - \! \vec{p} \ket  \rightarrow | \, \vec{p} \ket$ の極限で) ゼロとならない。したがって、質量ゼロの荷電粒子が存在するためには少なくともある$(\mu , \nu )$ の組み合わせに対して
\[    e^{2 i s \phi } \, \D^{\mu \nu}  \! ( e^{i \phi} ) \, = \, 1  \tag{13.201} \]
が成り立つ必要がある。(13.199)を用いるとこの条件式(13.201)はスピンが $2s \le 1$ の場合にのみ満たされることが分かる。よって、CGWW 定理の一つ目の主張が示された。

 CGWW 定理の2つ目の主張についても同様にエネルギー・運動量テンソル $T^{\mu \nu}$ の行列要素 $\bra p^\prime | T^{\mu \nu} | p \ket$ を用いて示すことができる。ただし、$T^{\mu \nu}$ はエネルギー保存則 $\d_\mu T^{\mu\nu} = 0$ を満たす。$T^{\mu \nu}$ はランク2の対称テンソルなので(13.197)に対応する $\D$ 関数は回転群 $SO(3)$ のスピン2表現 $(l = 2)$ で与えられる。13.2節
\[    T^m \, = \, r^2 \, Y_2^m ( \vartheta , \varphi) \, \longrightarrow \,    T^{m^\prime  } \,= \, r^2 \, \D_{m^\prime m}^{(l = 2)} ( g ) \,  Y_2^m ( \vartheta , \varphi )    \tag{13.69} \]
で紹介したようにこの $\D$ 関数は $ \D_{ m m^\prime}^{(l=2)} ( g ) $ で表せる。ただし、$m$, $m^\prime$ は $(0, \pm 1 , \pm 2 )$ の値をとる。よって、行列要素 $\bra \! - \! \vec{p} | T^{\mu \nu} | \, \vec{p} \ket$ の計算に現れる $\D$ 関数は $\D_{ m m^\prime}^{(l=2)} ( e^{i \phi} )$ で与えられる。スピン1表現の場合と同様に、これは
\[ \D_{ m m^\prime}^{(l=2)} ( e^{i \phi} ) \, \in \, \{ e^{\pm i 2 \phi} , \,  e^{\pm i \phi} , \, 1  \} \tag{13.202} \]
と計算できる。ただし、$m, m^\prime = (0, \pm 1 , \pm 2 )$ である。したがって、条件式(13.201)を適用すると、保存エネルギー・運動量テンソルをもつ質量ゼロの粒子はスピン $s$ が $s \le 1$ の場合にのみ存在することが分かる。これより、CGWW 定理の2つ目の主張が示された。

 以上の証明では行列要素を評価するに当たりウィグナーの $\D$ 関数を利用した。この手法は13.2節で紹介したウィグナー-エッカルトの定理の導出と類似している。(例えば、13.2節の(13.70)を参照のこと。)この意味で CGWW 定理の証明はウィグナー-エッカルト型の応用例の1つであると見做せる。

2025-08-04

13. ウィグナーの $\D$ 関数とその応用 vol.9

8重項メソンと8重項バリオンの相互作用

ハドロン・スペクトルに関する最後のトピックとして、8重項メソンと8重項バリオンの相互作用を考える。ここでは、2-1散乱過程 $B + M \rightarrow {\bar B}$ に注目する。ただし、$B$, $M$ は8重項バリオンと8重項メソンをそれぞれ表す。


\[    \M_{bc} \, \equiv \,    \bra  {\bf 8}, b | M |  {\bf 8}, c \ket  \, = \,    M_0 \, \del_{bc} \, +    \bra  {\bf 8}, b | M^8 |  {\bf 8}, c \ket    \tag{13.122} \]
\[    \bra  {\bf 8}, b | M^8 |  {\bf 8}, c \ket \, = \,    {C_{8cb}^{\bf 888}}^* \, \bra {\bf 8} || M^{\bf 8} || {\bf 8} \ket    \tag{13.123} \]
\[    \M_{bc} \, = \, M_0 \, \del_{bc} \, + \, i A \, f_{bc}^{~~8} \, + \, B \, d_{bc}^{~~8}    \tag{13.142} \]
を用いると、散乱振幅 $\bra  B | M | B \ket$ は行列要素 $\bra {\bf 8}, b | M^a | {\bf 8}, c \ket$ で記述され、この行列要素は
\[\begin{eqnarray}    \bra {\bf 8}, b | M^a | {\bf 8}, c \ket    &=& C^{\bf 888}_{acb} \bra {\bf 8} || M^{\bf 8} || {\bf 8} \ket    \nonumber \\    & = & C^{\bf 888}_{acb} \, \al + C^{\bf 888}_{cab} \, \bt    \nonumber \\    &=& i \la_1 \, f_{abc} + \la_2 \, d_{abc}    \tag{13.169} \end{eqnarray}\]
とパラメータ表示できることが分かる。ただし、$a, b, c$ は8重項の添え字である。また、以前と同じく $( \al ,\bt )$ と $(\la_1 , \la_2 )$ は定数の組を表す。これより、相互作用のラグランジアンは
\[    \L_{\rm int} = i \la_1 \overline{B}^b \ga_5 B^c  M^a \, f_{abc} \, +    \la_2 \overline{B}^b \ga_5  B^c  M^a \, d_{abc}     \tag{13.170} \]
と書ける。ただし、$\gamma_5$ はディラックの $\gamma_5$ 行列である。5.4節の後半で議論したように $\gamma_5$ が必要となるのは、8重項メソンが擬スカラーであり、強い相互作用はパリティを保存するためである。5.4節ではフレーバー $SU(3)$ 対称性に基づいて8重項メソンと8重項バリオンの相互作用項を行列表示を用いて
\[    \L_{int} =  g_1 \Tr ( {\mathbf {\bar B}}\,\gamma_5\, {\mathbf B} \, {\mathbf M})    + g_2 \Tr ( {\mathbf {\bar B}}\,\gamma_5\,  {\mathbf M}\, {\mathbf B})  \tag{5.55} \]
と表した。($ {\mathbf {\bar B}}$, ${\mathbf M}$, ${\mathbf B}$ の具体的な行列表示は5.4節を参照にされたい。)

 $\overline{B}BM$ 相互作用は無数(原理的には $8^3 = 512$ 通り)存在するが、上記の相互作用(13.170)は2つのパラメータ $(\la_1 , \la_2 )$ とゼロとならない $f_{abc}$, $d_{abc}$ で表示できる。例えば、$(\bar{B}^b , B^c ) = ( \bar{p} , p )$ となる相互作用項のうちゼロとならないものは
\[\begin{eqnarray}    \L_{\bar{p} p \pi^0 } &=& - \frac{1}{2} ( \la_1  - \la_2 ) \bar{p} \ga_5 p \, \pi^0    \tag{13.171} \\    \L_{\bar{p} p \eta } &=& - \frac{\sqrt{3}}{2} \left( \la_1  + \frac{1}{3} \la_2 \right) \bar{p} \ga_5 p \, \eta    \tag{13.172} \end{eqnarray}\]
で与えられる。ただし、ゼロとならない $f_{\bar{p} p a}$, $d_{\bar{p} p a}$ を求めるに際し下表を用いた。
\begin{array}{|ccc|ccccc|}        \hline        ijk &  f_{ijk} &~& ijk &  d_{ijk} &~& ijk &  d_{ijk} \\ \hline        123 & 1 &~& 118 & \frac{1}{\sqrt{3}} &~& 355 & \frac{1}{2} \\        147 & \frac{1}{2} &~& 146 & \frac{1}{2} &~& 366 & - \frac{1}{2} \\        156 & - \frac{1}{2} &~& 157 & \frac{1}{2} &~& 377 & - \frac{1}{2} \\        246 & \frac{1}{2} &~& 228 & \frac{1}{\sqrt{3}} &~& 448 & - \frac{1}{2\sqrt{3}} \\        257 & \frac{1}{2} &~& 247 & - \frac{1}{2} &~& 558 & - \frac{1}{2\sqrt{3}} \\        345 & \frac{1}{2} &~& 256 & \frac{1}{2} &~& 668 & - \frac{1}{2\sqrt{3}} \\        367 & - \frac{1}{2} &~& 338 & \frac{1}{\sqrt{3}} &~& 778 & - \frac{1}{2\sqrt{3}} \\        458 & \frac{\sqrt{3}}{2} &~& 344 & \frac{1}{2} &~& 888 & - \frac{1}{\sqrt{3}} \\        678 & \frac{\sqrt{3}}{2} &~&  &  &~& &  \\        \hline    \end{array}
\begin{array}{|ccc|cc|}        \hline        \overline{B}^a  & B^a & M^a & \psi^a & SU(3) \, 随伴表現~  {\bf 8}  \\ \hline       \overline{\Si^-} & \Si^+ & \pi^+ &  \frac{1}{\sqrt{2}}(\psi^1 + i \psi^2 ) & (12) \\       \overline{\Xi^-} & p & K^+ &  \frac{1}{\sqrt{2}}(\psi^4 + i \psi^5 ) & (13) \\        \overline{\Si^+} & \Si^- & \pi^- & \frac{1}{\sqrt{2}} (\psi^1 - i \psi^2 ) & (21) \\        \overline{\Xi^0} & n & K^0 & \frac{1}{\sqrt{2}} (\psi^6 + i \psi^7 ) & (23) \\     \bar{p} & \Xi^- & K^- & \frac{1}{\sqrt{2}} (\psi^4 - i \psi^5 ) & (31) \\   \bar{n} & \Xi^0 & \overline{K}^0 & \frac{1}{\sqrt{2}} (\psi^6 - i \psi^7 ) & (32) \\   \overline{\Si^0} & \Si^0 & \pi^0 & \psi^3 & \frac{1}{\sqrt{2}}(11) -\frac{1}{\sqrt{2}}(22) \\    \overline{\La} & \La & \eta & \psi^8 & \frac{1}{\sqrt{6}}(11) + \frac{1}{\sqrt{6}}(22) -  \frac{2}{\sqrt{6}}(33) \\ \hline    \end{array}

2025-07-28

2025年夏 秋田遠征 & 野球部同期会

 

3月の高校野球部同期会で話題になった秋田遠征に行ってきました。秋田単身赴任中のメンバー(エース)との飲み会に遥々関東から5人集まりました。内1人(キャプテン)が午前中の秋田駒ヶ岳登山にも付き合ってくれました。

自分は前々日に車で北上、西吾妻山と鳥海山に登りました。どちらも良かったです。特に鳥海山には感動しました。噂に聞いていたけどまさかこれほどいいとは思いませんでした。翌日の駒ヶ岳は涼しかったので連日登山で熱中症気味の体にはありがたかったです。

2025-06-14

遠征登山: 大山から荒島岳


梅雨前の晴れ間を利用して都内から伯耆大山までロングドライブ。静岡、土山、桂川、宝塚北、勝央、蒜山高原のサービスエリア利用。勝央、蒜山高原で仮眠を取りました。子供のころ神戸から松江まで親によく連れてかれましたが、あの頃は中国道から先は一般道というか山道で、道路沿いに「鳥取県」と縦に書かれたポールが並んでいたのが印象的でした。今は米子まで高速で行けるなんて、隔世の感です。小学校の時にキャンプをした蒜山高原も気になりましたが、今回の目的は大山登山。夏山開きの前日だったためか登山道もしっかり整備されていてとても登り易かったです。

2025-06-13

Mathematical Review 124: トポロジカル欠陥がある場合の拡張された対称性について

ほぼ1年ぶりのレビュー。対象論文はこちら。投稿内容はこちら。だいぶ理解力が落ちて最近の話題にも付いていけなくなっているので時間をかけて理解に努めました。(ボケないうちにブラシュアップしなきゃなあ。)

 背景となる相空間が単連結でない場合(一般にトポロジカル欠陥がある場合)ハイゼンベルク代数のユニタリー表現を唯一に決めることができない。(ストーン-フォンノイマンの定理) 物性理論ではこれは分数量子ホール効果に現れる。つまり、2次元空間が単連結でない場合、波動関数(ラフリン波動関数)を一意に決めることができず、物理系はある有限群の対称性をもつ。高次元空間での分数量子ホール効果についての研究も数多くなされており、特に興味深い結果は最近 Agarwal-Karabali-Nair の論文で示された。この論文では、高次元の Chern-Simons 理論にアノマリー相殺の概念を適用することで高次元分数量子ホール効果の有効作用が構成された。

 このように、トポロジカル欠陥がある場合の物理現象を解析するにはトポロジカル・ゲージ理論を用いるのが場の理論としては自然なアプローチである。しかし、より直接的に上述の有限群の対称性を組み込んだ拡張された対称性を考えて、トポロジカル欠陥のある物理現象を理解しようとするアプローチが近年盛んに研究されている。この対称性はフロベニウス代数と呼ばれる代数によって記述される。4次元時空において物理的に重要となるカイラル対称性もフロベニウス代数を用いて拡張されることが知られており、例えば、こちらで示唆されているように、このようなアプローチからフェルミ粒子質量の起源が分かるのではないかと期待されている。トポロジカルな場の理論の知識がなくても(代数的な性質だけから)物理量を予測できるという興味深い手法であり、今後の発展に期待したい。

2025-06-04

シジュウカラがいつの間にか巣立っていました

久しぶりにシジュウカラが来てくれました。去年は来なかったので2年振り。


先月、晴れた日の朝に様子を見てみるといつの間にか巣立っていました。シジュウカラと言えば、シジュウカラ語がだいぶ解明されているみたいです。


こちらでいろいろと新発見が紹介されていて勉強になりました! 

巣箱の穴を補強しないと来年は来てくれないかもしれないので、秋になったらホームセンター行くか。直径27ミリの穴開けてもらえるかな~。

2025-05-30

三浦半島 岩礁のみち 途中から

前回途中まで行った岩礁のみち。先日、母の日に、母と次女の親子3代でコンプリートしてきました。江奈湾の駐車場に止めて剣崎経由で松輪バス停まで。

2025-05-04

雪山入門 蝶ヶ岳・常念岳


テニス仲間に誘われて4人で蝶ヶ岳ヒュッテに1泊して常念岳まで行ってきました。山小屋には以前に家族で尾瀬ケ原の東電小屋に泊まりましたが、山頂にある山小屋は初めて。山頂がゴールなんでありがたい!上高地を挟んで穂高連峰・槍ヶ岳が手の届くような所からの夕焼け・朝焼けを満喫できました。

2025-04-24

13. ウィグナーの $\D$ 関数とその応用 vol.8

10重項バリオンの質量公式

 前回はウィグナー-エッカルトの定理の応用例の1つとして8重項バリオンの質量公式を導いた。今回は同様にして10重項バリオンの質量公式を導出する。まず、10重項バリオンは関係式
\[    {\bf 3} \otimes {\bf 3} \otimes {\bf 3} \, = \,    {\bf 1} \oplus {\bf 8} \oplus {\bf 8} \oplus {\bf 10}  \tag{13.118} \]
のうちの ${\bf 10}$ 表現に属する。$SU(3)$ 群の ${\bf 10}$ 表現 $\Psi_{ijk}$ あるいは $(ijk)$ と10重項バリオン場の演算子 $\psi_{ijk}$ を用いると、10重項バリオンは下表のようにラベルできる。
\begin{array}{|c|cc|}        \hline        10重項バリオン \, (b) & \psi_{ijk} &  SU(3) \, 群の\, {\bf 10} \, 表現  \\ \hline        \Delta^{++}  & \psi_{111} & (111) \\        \Delta^{+}  & \sqrt{3} \, \psi_{112} & (112) \\        \Delta^{0}  & \sqrt{3} \, \psi_{122} & (122) \\        \Delta^{-}  & \psi_{222} & (222) \\        \Si^{*+}  & \sqrt{3} \, \psi_{113} & (113) \\        \Si^{*0}  & \sqrt{6} \, \psi_{123} & (123) \\        \Si^{*-}  & \sqrt{3} \, \psi_{223} & (223) \\        \Xi^{*0}  & \sqrt{3} \, \psi_{133} & (133) \\        \Xi^{*-}  & \sqrt{3} \, \psi_{233} & (233) \\        \Omega^{-}  & \psi_{333} & (333) \\        \hline    \end{array}

 場の演算子 $\psi_{ijk}$ を具体的に書き下すと
\[    \psi_{ijk} = B_{(ijk)} = \frac{1}{6} ( B_{ijk} + B_{ikj} + B_{jik} + B_{jki} + B_{kij} + B_{kji} )     \tag{13.149} \]
と表せる。場の演算子の規格化は、例えば、
\[    \frac{1}{\sqrt{3}} (\psi_{112} + \psi_{121} + \psi_{211} ) \, = \, \sqrt{3} \, \psi_{112}    \tag{13.150} \]
で与えられる。ただし、$\psi_{ijk}$ の完全対称な添え字に条件 $i \le j \le k$ を課した。

 ここで、10重項バリオンの質量行列 $\M_{bc} \sim (\bar{B} B)_{bc}$ を考える。8重項バリオンの場合(3.120)と同様に、${\bf 8}$ 表現あるいは恒等表現 ${\bf 1}$ に属する因子に注目する。表現 ${\bf 10}$ とその共役表現 ${\bf 10}^*$ の合成は
\[    {\bf 10} \otimes {\bf 10}^*  \, = \, {\bf 64} \oplus {\bf 27} \oplus  {\bf 8} \oplus {\bf 1}     \tag{13.151} \]
と分解できるので、質量行列は
\[    \M_{bc} \, =  \, M_0 \, \del_{bc} \, + \, C_{bca}^{{\bf 10}^* {\bf 10} \, {\bf 8}} \, M^a    \tag{13.152} \]
とパラメータ表示できる。ただし、$M^a$ は ${\bf 8}$ 表現に属し、$C_{bca}^{{\bf 10}^* {\bf 10} \, {\bf 8}}$ は分解 ${\bf 10}^* \otimes {\bf 10} \rightarrow {\bf 8}$ に関わるクレブシュ-ゴルダン係数を表す。関係式 $C_{bca}^{{\bf 10}^* {\bf 10} \, {\bf 8}} \sim C_{cba}^{{\bf 10} \, {\bf 10}^* {\bf 8}}$ から、10重項バリオンの質量は
\[\begin{eqnarray}    M_b & = & \M_{bb} \, = \, M_0  \, + \, \Delta M_b     \tag{13.153} \\    \Delta M_b &=& C_{bb8}^{{\bf 10} \, {\bf 10}^* {\bf 8}} \, \al    \tag{13.154} \end{eqnarray}\]
とパラメータ表示できることが分かる。ここで、$\al$ はゼロでない定数であり、$SU(3)$ 対称性を破る質量項に対応する。

 つぎに、テンソル解析の手法でクレブシュ-ゴルダン係数 $C_{bb8}^{{\bf 10} \, {\bf 10}^*  {\bf 8}}$ を計算する。テンソル $\Psi_{ijk} \Phi^{lmn} = V_{(ijk)}^{(lmn)}$ を用いると展開式(13.151)は
\[    V_{(ijk)}^{(lmn)} \, = \, T_{(ijk)}^{(lmn)}    + \frac{1}{3} \del_{(i}^{(l} T_{jk)}^{mn)} + \frac{1}{9} \del_{(i}^{(l} \del_{j}^{m} T_{k)}^{n)}    +  \frac{1}{27} \del_{(i}^{(l} \del_{j}^{m} \del_{k)}^{n)} {\bf 1}    \tag{13.155} \]
と表せる。ただし、$T_{(ijk)}^{(lmn)}$ は $V_{(ijk)}^{(lmn)}$ のうちトレース・ゼロの成分を表す。13.1節で求めた直積 ${\bf 8} \otimes {\bf 8}$ の展開式(13.25)との類似性に注意しよう。これより、$C_{(ijk)(lmn)(rs)}^{{\bf 10} \, {\bf 10}^*  {\bf 8}}$ は
\[\begin{eqnarray}    C_{(ijk)(lmn)(rs)}^{{\bf 10} \, {\bf 10}^* \, {\bf 8}} \! &=& \!    \frac{1}{9} \, \del_{(i}^{(l} \del_{j}^{m} \del_{k)}^{\check{r}} \del_{s}^{n )}    \nonumber \\    &=& \! \frac{1}{54} \left(    \del_{i}^{(l} \del_{j}^{m} \del_{s}^{n )} \del_{k}^{r} + \del_{i}^{(l} \del_{k}^{m} \del_{s}^{n )} \del_{j}^{r}    + \del_{j}^{(l} \del_{i}^{m} \del_{s}^{n )} \del_{k}^{r}    \right.    \nonumber \\    && ~~~~     \left.    \del_{j}^{(l} \del_{k}^{m} \del_{s}^{n )} \del_{i}^{r} + \del_{k}^{(l} \del_{i}^{m} \del_{s}^{n )} \del_{j}^{r}    + \del_{k}^{(l} \del_{j}^{m} \del_{s}^{n )} \del_{i}^{r}    \right)    \tag{13.156} \end{eqnarray}\]
で与えられることが分かる。ただし、$\check{r}$ は $r$ が添え字の対称性から除かれることを意味する。前回導出した8重項バリオンの添え字を用いると $C_{bb8}^{{\bf 10} \, {\bf 10}^*  {\bf 8}}$ は
\[    C_{bb8}^{{\bf 10} \, {\bf 10}^*  {\bf 8}} \, = \, C_{bb\La}^{{\bf 10} \, {\bf 10}^*  {\bf 8}}    \ = \,  \frac{1}{\sqrt{6}} C_{bb(11)}^{{\bf 10} \, {\bf 10}^*  {\bf 8}}    +\frac{1}{\sqrt{6}} C_{bb(22)}^{{\bf 10} \, {\bf 10}^*  {\bf 8}}    - \frac{2}{\sqrt{6}} C_{bb(33)}^{{\bf 10} \, {\bf 10}^*  {\bf 8}}    \tag{13.157} \]
と表せる。また、式(13.156)から関係式
\[\begin{eqnarray}    C_{(ijk)(ijk)(rr)}^{{\bf 10} \, {\bf 10}^* \, {\bf 8}} \! &=& \!    \frac{1}{2 \cdot 3^4} \biggl[ \, {}^{k}_{r} + {}^{j}_{r} + {}^{i}_{r} + {}^{ik}_{jr} +  {}^{ij}_{kr} +  {}^{ij}_{rk}    \nonumber \\    && ~~~~ + 2 \left( {}^{kjr}_{jrk} + {}^{kir}_{irk} + {}^{ijr}_{jri}    + {}^{ijkr}_{jkri} + {}^{kijr}_{ijrk} + {}^{kijr}_{jkri} \right) \biggr]    \tag{13.158} \end{eqnarray}\]
が得られる。ただし、諸々の記号は ${}^{k}_{r} = {\del}^{k}_{r}$, ${}^{ik}_{jr} = {\del}^{i}_{j} \del^{k}_{r}$, ${}^{kjr}_{jrk} = {\del}^{k}_{j} {\del}^{j}_{r} {\del}^{r}_{k}$, ${}^{ijkr}_{jkri} = {\del}^{i}_{j} {\del}^{j}_{k}{\del}^{k}_{r}{\del}^{r}_{i}$ などで定義される。以上、10重項バリオンと ${\bf 10}$ 表現の対応表と(13.157), (13.158)から、(13.154)の $\Delta M_b$ は関係式
\[\begin{eqnarray}    \Delta M_{\Delta^{++}} \, = \, \Delta M_{\Delta^{+}} \, = \, \Delta M_{\Delta^{0}}    \, = \, \Delta M_{\Delta^{-}} &=& \frac{1}{9 \sqrt{6}} \al    \tag{13.159}\\    \Delta M_{\Si^{*+}} \, = \, \Delta M_{\Si^{*0}} \, = \,\Delta M_{\Si^{*-}}  &=& 0    \tag{13.160}\\    \Delta M_{\Xi^{*-}} \, = \, \Delta M_{\Xi^{*0}}   &=& -\frac{1}{9 \sqrt{6}} \al    \tag{13.161} \\    \Delta M_{\Om^{-}}   &=& -\frac{2}{9 \sqrt{6}} \al    \tag{13.162} \end{eqnarray}\]
で与えられる。10重項バリオンの質量(13.153)を用いると、これらは
\[    M_{\Om^{-}} - M_{\Xi^{*0}} \, = \, M_{\Xi^{*0}} - M_{\Si^{*0}} \, = \, M_{\Si^{*0}} - M_{\Delta^{0}}    \tag{13.163} \]
と表せる。これらの関係式は5.4節で導出した10重項バリオンの質量公式(5.49)と同じである。