2024-02-29

Mathematical Review 120: 重力子散乱振幅 最近の話題

 ツイスター空間を使ったゲージ粒子や重力子の散乱振幅の計算についての研究は以前ほどではありませんが今でもホットなトピックです。先日、関連論文のレビュー依頼が来たので久しぶりに重力子散乱について見直してみました。論文ではツイスター空間での解析がしやすい状況で曲がった空間の効果がどうなるかを調べていましたが、背景知識がかなり要求されるのでモチベーションがないと読み進めるのが大変です。(最近の高エネルギー理論の論文は大抵そうですが。)詳細は追っていませんが当然ながら背景場の曲率の寄与が無視できなくなりいわゆるテイル効果(重力子と曲率の相互作用による効果)が出てくるとのことでした。
 論文を読んでいて自分が昔書いた話は全く知られていないのだなあと少し残念に思いました。あの時の話、重力子散乱と組紐群の関係やMHVルール(CSWルールともいう)から重力子散乱のS行列を導出できること、あるいはグラスマン多様体との関係などについては特に触れられていなかったので読みながら、そういうのじゃないんだけどなぁなんて何度も詰まってしまいました。なら、考えていたことを自分で書けばいいじゃないかと自問自答しながら昔のノートを引っ張り出したりしてレビューどころでありませんでした。埒が明かないのでやっつけ的にレビュー出しました。なんだかんだで4,5日掛かりました。その間、BCS理論のノートのほうは一時中止。これから再開します。

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