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2024-05-15

10. アイソメトリーと宇宙論的な解 vol.1

10.1 共変微分、アイソメトリー、キリング方程式


リーマン多様体上の共変微分

 前章でリッチ・スカラーの変分を計算する際に共変微分
DμVν=μVνΓλμνVλ
を導入した。この節では先ずこのリーマン多様体上の共変微分について復習する。ϕaを一般の曲がった多様体上のスカラー関数とする。8章の(8.24)で見たように、ϕaの共変微分は
(Dμϕ)a=μϕa+ωabμϕb
と表せる。ただし、ωabμ はスピン接続である。8章では局所ローレンツ変換 ϕaϕa=Rabϕb のもとで微分が共変であることの要請 (Dμϕ)a=Rab(Dμϕ)b からこの共変微分を導出した。

 ここで、ϕaをフレーム場で展開する。
ϕa=eaαϕα
すると、(10.1)は
(Dμϕ)a=(μeaα+ωabμebα)ϕα+eaαμϕα=eaλ(μϕλ+Γλμαϕα)
と書ける。ただし、リーマン多様体の基本的な関係式
μeaα+ωabμebα=Γλμαeaλ
を用いた。(10.3)から μϕλ+Γlaμαϕα は斉次テンソルであることが分かる。よって、リーマン多様体上の共変微分を
μϕα=μϕα+Γαμβϕβ
と定義できる。これは前章で定義した共変微分
DμVν=μVν+ΓνμαVα
に他ならない。以下では、共変微分をDμではなくμで表示する。ここでは微分の反対称化を課していない。そのため、μは対称共変微分とも呼べる。

 つぎに、ϕαχαとして添え字の縮約を考える。ただし、χαは別のスカラー関数を表す。(10.2)に対応するχαの展開式は
χa=(e1)αaχα
と表せる。よって、χαの共変微分は
μχα=μχαΓβμαχβ
と定義される。これは冒頭の定義式(9.24)に対応する。

 一般形のテンソル Tα1α2αpβ1β2βq に対する共変微分は
μTα1α2αpβ1β2βq=μTα1αpβ1βq+Γα1μαTαα2αpβ1βq++ΓαpμαTα1αp1αβ1βq          Γβμβ1Tα1αpββ2βqΓβμβqTα1αpβ1βq1β
と表せる。特に、計量テンソル gμν の共変微分は
αgμν=αgμνΓλμαgνλΓλναgμλ=0
で与えられる。ただし、関係式
μgαβ=Γλμαgλβ+Γλμβgαλ
を用いた。これは共変微分が計量と互換性を持つことを意味する。つまり、gμνは共変計量テンソルである。

アイソメトリーとキリング方程式

 計量 ds2=gμν(x)dxμdxν を不変に保つ座標変換
xμxμ+ξμ(x)
をアイソメトリーと呼ぶ。変換(10.9)のもとでds2の変化量は
(ds2)x+ξ(ds2)x=ξααgμνdxμdxν+gμνξμxαdxαdxν+gμνdxμxνxαdxα=[ξααgμν+gανξαxμ+gμαξαxν]dxμdxν
と計算できる。よって、条件式
ξααgμν+gανξαxμ+gμαξαxν=0
が満たされるとき、ξμ はアイソメトリーである。この条件式はキリング方程式と呼ばれる。また、ベクトル ξμ はキリング・ベクトルと呼ばれる。計量 gμν が与えられると、(10.11)からキリング方程式を書き出すことができ、これを ξα について解くことでアイソメトリーが得られる。すなわち、アイソメトリーはキリング方程式の解である。

 キリング方程式(10.11)は
xμ(ξαgαν)+xν(ξαgμα)ξαμgανξανgμα+ξααgμν=μξν+νξμξβgαβ(μgαν+νgμααgμν)=μξν+νξμ2ξβΓβμν=(μξνΓβμνξβ)+(νξμΓβνμξβ)=0
と変形できる。ただし、8章で出てきた関係式(8.31)、つまり
μgαν+νgμααgμν=2Γλμνgαλ
を用いた。これより、(10.6)の共変微分μを用いてキリング方程式は
μξν+νξμ=0
と表せることが分かる。

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