2024-03-14

Mathematical Review 121: 高階スピン自己双対ヤン-ミルズ理論

質量ゼロの高いスピンを持つ粒子をツイスター空間上で記述する話題は以前にこちらでレビューしました。今回はより具体的に、最近提案された高階スピン自己双対ヤン-ミルズ理論の作用からMHV散乱振幅を計算し、さらに自己双対ヤン-ミルズ理論の可積分性から一般の高階スピン・ヤン-ミルズ理論のMHV散乱振幅も古典レベルで導出できるという話でした。レビューはこちら。自己双対ヤン-ミルズ理論はインスタントンとの関連で長年研究されている分野です。1990年には自己双対ヤン-ミルズ理論をトポロジカルなゲージ理論として構成できるというモデルがナイアによって提唱されました。これはケーラー-チャーン-サイモン理論あるいはドナルドソン-ナイア-シッフ理論として知られています。高階スピンへの拡張もこの文脈で考えるとツイスター空間への埋め込みも自然に理解できるはずです。というか、MHV散乱振幅をWZW模型の相関関数として理解する方向から高階スピン理論へ拡張すればいいのになんて思いました。それにしても高階スピンのゲージ理論の話が私に回ってくるのはどういうことでしょう?特に興味ないのに。高階スピン理論の祖バシリエフ先生の学生さんが皆エネルギッシュで論文量産するので仕方ないか。

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