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2024-03-11

6. 超伝導とBCS理論 vol.5

6.4 転移温度


この節ではBSC理論を用いて超伝導の転移温度を推定する。6.2節では相互作用ハミルトニアンHintを次のように変形した。
Hint=kkVkk[αkβk(Nk+˜Nk1)+(α2kBkAkβ2kAkBk)]×[αkβk(Nk+˜Nk1)+(α2kAkBkβ2kBkAk)]kkVkkαkβkαkβk2kkVkkαkβkαkβk(Nk+˜Nk)kkVkkαkβk(α2kβ2k)(AkBk+BkAk) + (4)
ここでは、AkBkとその共役に関わる項の係数として現れる数演算子Nk, ˜Nkを残して、Hint
Hint=kkVkk[αkβk(Nk+˜Nk1)(α2kAkBkβ2kBkAk)]+kkVkk[(α2kBkAkβ2kAkBk)αkβk(Nk+˜Nk1)]+
と変形する。絶対零度ではNk˜Nkはゼロとなる。絶対温度がゼロでないときこれらは熱的な占有数Nk, ˜Nkに近似できる。このとき、6.2節と同様に計算するとギャップ方程式は
ΔV02kΔϵ2k+Δ2(1Nk˜Nk)=0
となる。また、6.3節で導いたBCS理論のハミルトニアン
H = G0ωDω2D+Δ2 + kϵ2k+Δ2 (Nk+˜Nk) +
から分かるように、1粒子の励起エネルギーはϵ2k+Δ2で与えられる。よって、占有数はフェルミ-ディラック分布から
Nk=˜Nk=1eEk/T+1,Ek=ϵ2k+Δ2
と表せる。これより、ギャップ方程式は
Δ[1V0G02dϵ1ϵ2+Δ2tanh(ϵ2+Δ2/2T)]=0
となる。6.2節と同様に、Δ=0は1つの解である。ギャップがゼロでない非自明な解は
1V0G02dϵ1ϵ2+Δ2tanh(ϵ2+Δ2/2T)=0
から得られる。低温ではtanh(ϵ2+Δ2/2T)1と近似できるので、ギャップ方程式は以前に導いた方程式
Δ [1 V0G0sinh1(ωD/Δ)]=0
に戻る。

 絶対零度T=0で非自明なギャップから始めて、温度を上げていくとギャップΔTがある臨界値に達するとゼロになる。この点で超伝導から常伝導への相転移が起きる。よって、(6.77)でΔをゼロとおくことで、この転移温度Tcを求めることができる。つまり、Tcの満たす方程式は
1V0G0=ωDωDdϵ2ϵ2tanh(ϵ2/2Tc)=log(ωD/2Tc)tanh(ωD/2Tc)ωD/2Tc0ds logscosh2s
となる。通常はωDTcとなるので、2項目の積分はωD/2TCとして近似できる。この積分は
0logxcosh2xdx=logπ4γ0.81878
計算できる。ただし、γオイラー・マスケローニ定数 (γ0.5772) である。よって、
1V0G0log(ωD/2Tc)+γlog(π/4)
と求まる。これより、転移温度は
Tc=2eγπωDexp(1V0G0)=eγπΔ00.5669Δ0
と評価できる。ここで、Δ0=2ωDexp(1V0G0)は絶対零度T=0でのΔの値である。この公式は転移温度Tcがデバイ振動数ωDに依存することを示しているので、前節で触れたように転移温度にも同位体効果が適用されることが分かる。

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