の2本です。『父』は作家の小林恭二が亡くなったお父様のことについて調査・インタビューした内容をまとめた小説というよりエッセイで、とくに後半の体験談を交えたエピソードの連続からは著者の書きたいという思いが伝わりとても印象深い作品でした。例外的な人物でしょうが戦前のエリートの実像・虚像を知ることのできる貴重な本です。このような人には実際に会う機会がないとホントに居るのか実感がわかないし、読んだだけではなかなか頭で理解できないと思います。その意味でこの作品を小説と考えるのは妥当でしょう。ただ、私も著者と同様に小学校から大学まで神戸と東京で育ったので、神戸だったらこういう人いただろうなとなんとなく想像がつき興味深く読みました。
三浦綾子の『母』は3回ほど読み直しています。一度、家族にも聞いてもらいたくて全編音読したことがありますが迷惑だったかも。私は三浦綾子のあまり熱心な読者ではありませんが『道ありき(青春編)』