2021年2月13日

最近読んだ本:天皇の国史 Kindle版

 前回紹介した『アマテラスの暗号』の作者の伊勢谷さんが言及していた竹田恒泰著『天皇の国史』

を先日電子書籍で購入、昨日ようやく読了しました。最初読み終えるまでの時間が14時間以上と表示されていてなかなか進みませんでしたが、考えてみると日本の歴史を有史以前から始めて現代までの通史として、歴代天皇の話を軸に展開しているのだから長くなるのは当然で、電子書籍でなかったら気軽に持ち歩いて読み進めることが出来なかったと思います。縄文弥生時代のDNA鑑定結果や最新の学術成果が盛り込まれており日本史に詳しい方も情報をアップデートできるのではないでしょうか。皇族ならではの視点で天皇制がいかに継承されてきたかについて詳しく解説されています。特に鎌倉から江戸にかけての武家政権での天皇の話については教科書ではほとんど扱われないのでとても勉強になりました。そういえば歴代の天皇と言えば夭折された竹内睦泰さんが貴重な動画を配信されていました。

興味ある方は是非ご覧ください。昨日、娘を習い事に連れて行った待ち時間にちょうど読み終えたのですが、最後の参考文献の多さに圧倒されました。この本は一般書というより歴史学術書といった側面も持ち合わせている教養書です。著者のこれまでの調査・研究の集大成という感じとても読み応えのある読み物でした。参考文献の中に以前こちらで紹介した宝賀寿男著『「神武東征」の原像』が採り上げられていたのには嬉しく思いました。それ以外にも各時代ごとに丁寧な文献が紹介されており天皇を縦糸にしてそれらを書籍一つにまとめ上げる筆力には圧倒されます。私は著者とは同年代なので近現代史の問題意識も共通しており終盤部分は頷きながら読み進めることができました。

今後DNA・ゲノム解析や放射性炭素年代測定法の精密化、また宇宙線・ニュートリノを用いた内部構造探査などの科学調査の進展により欠史八代や古墳時代についての史実が明らかになっていくことを期待します。

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