2020-02-24

ILC誘致は内閣主導で!(もはや学術界の意見集約は困難)

最近は新型コロナウイルスの話題ですっかり忘れていましたが、ILC誘致について進展があったようです。このブログではILCの誘致について何度か取り上げてきました。

https://yasuabe.blogspot.com/search/label/ILC

以前の話では学術会議のマスタープランは昨年の10月には選定されるということでしたが、先月末にようやく大型研究計画のマスタープランが策定されました。

http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/kohyo-24-t286-1.html

これによるとILC計画は「学術大型研究計画(区分I 146件)」

http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t286-3-1.pdf#page=10

には選ばれているものの、その中でも特に重要となる「重点大型研究計画(31件)」には選ばれませんでした。学術会議の提言によると重点大型研究計画の選定方針は
区分Ⅰの学術大型研究計画として選定された計画の中から、計画の成熟度、我が国としての戦略性、緊急性等も考慮して速やかに実施すべき計画として重点大型研究計画を選定した。
とのことなので、学術会議としてはILCは強くは推薦できないという従来の提言を踏襲したものとなっています。結局、政財界からの後押しがあったのに学術界が一枚岩になってILC推進に動けなかったというとても残念な結果になりました。今後ものらりくらりと時間だけが過ぎていくのでしょうか?

以前述べたようにILC誘致に関して最早学術界の意見集約は難しいので文科省任せにするのではなく内閣主導による強いリーダーシップを期待します。(新型コロナウイルスの対応が収まってからでいいので。)以下の産経新聞の記事が私の意見を代弁してくれているのでリンクを張っておきます。

【主張】次世代加速器 未来見据えて政治決断を

リンク切れになるかもしれないので文末4段落だけ引用しておきます。
 日本学術会議は平成13年と18年にもILC誘致に慎重、消極的な見解を示してきた。10年間で4千億~5千億円と見込まれるホスト国負担が他の研究分野を圧迫することへの懸念から、内向きの議論に終始した。 
 ILC誘致は、五輪や万博と並ぶような国家プロジェクトと位置付けて議論すべきである。
 世界のアスリートが約2週間にわたって集う五輪に対し、世界の科学者が20年にわたって日本で暮らすのがILCだ。単純に比較できないとしても、ILCの意義を議論する目安にはなるだろう。
 これまで政府が判断を先送りにしてきたために、国民的な議論も盛り上がりを欠いた。国際的信頼を損なう「遅延行為」をこれ以上続けてはならない。

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