2020-02-06

最近読んだ本:ロシア外交、国策捜査、北方領土

前回の続きです。佐藤優さんのデビュー作『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』


の感想です。いわゆる鈴木宗男事件の裏側を当事者が誠実かつ詳細に記録した貴重なテクストです。本書の前半でロシア外交・インテリジェンスにおいてユダヤ系ロシア人の影響力の大きさからイスラエルとロシアの関係が重要であることが強調されています。理論物理学の世界でもユダヤ人の優秀さは圧倒的なのでこの部分は体感的に納得しました。(私はニューヨーク市立大学の物理学科でPhDを取得しましたが、ニューヨークだけあって優秀なユダヤ人の先生が数多く在籍されていました。中には政治力の強い先生もいたので懐かしいです。)

ライブドア事件、カルロス・ゴーン事件など国策捜査と呼ばれる事件がよくニュースに取り上げられますが、大手メディアのニュースに触れるだけでは内実については想像するしかありません。しかし、この鈴木宗男事件については佐藤さんがその内幕を検察の捜査手法も含めて赤裸々に記録しています。外務省内部の話や担当検察官の会話内容などが臨場感たっぷりに記述されているので興味深く読みました。公判内容は20年後に公開されるそうなのでその時に真実が明らかになるのでしょう。

最後に佐藤優さんの外務省時代の上司だった東郷和彦さんの北方領土問題についてのインタビュー動画を見つけたので添付しておきます。


東郷さんのことは今回初めて知りましたが、オフィシャルサイト

https://kazuhiko-togo.com/

を通して積極的に発言されており、知識人として立派な方だと思います。私の父と同じ年生まれでご高齢ですがこれからも活躍していただきたいです。

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