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2024-04-03

7. ボソン化とカッツ-ムーディ代数 vol.5

7.3 ヴェス-ズミノ-ウィッテン作用


この節では非アーベル型ボソン化を議論した前節の最後に触れたヴェス-ズミノ-ウィッテン(WZW)作用について紹介し、その運動方程式を導く。WZW作用は
S=k8πd2xTr(μgμg1)+ΓWZΓWZ=k4π10dλd2xTr(g1λgg1μgg1νg)ϵμν
で定義される。ただし、ここではミンコフスキー計量を用いる (μ,ν=0,1)。前節と同様に、g=g(x)SU(N)群の要素を表し、kNはレベル数である。第2項ΓWZはヴェス-ズミノ(WZ)項と呼ばれる。WZ項において g=g(x) は別の変数 λ[0,1] にも依存する。つまり、g=g(x,λ) であり、g(x,λ)は境界条件
g(x,0)=1,  g(x,1)=g(x)=eiTαϕα(x)
を満たす。変数λはコンパクトな(2+1)次元時空間の3つ目の座標と解釈することもできる。つまり、λ=x2とおき、(x,λ)(x0,x1,x2) と変換する。ただし、0x21 を課す。本来の(1+1)次元時空間はステレオ射影の手法を用いると3次元球面に対応させることができる。条件(7.99)より、無限遠|x|g=1 となることが保証される。g(x,λ)S3 から G=SU(N) への写像を与える。つまり、g(x,λ):S3G となる。このとき、ΓWZ
ΓWZ=k12πS3d3xTr(g1λgg1μgg1νg)ϵμνλ=2πkQ[g]Q[g]=124π2S3d3xTr(g1λgg1μgg1νg)ϵμνλ
と表せる。ただし、添え字は(2+1)次元座標を表す (μ,ν,λ=0,1,2)。Q[g]の積分値は整数をとる。この値は写像 g:S3G の巻き数 (winding number) として知られている。(この巻き数については第15章で詳しく解説する。)よって、kNを考慮するとΓWZ2πの整数倍で与えられることが分かる。理論は重みexp(iS)を用いて汎関数積分を構成することで定義できるので、WZW模型は本来の(1+1)次元空間上で問題なく定義される。つまり、境界条件(7.97)が満たされている限り、WZW作用Sg(x,λ)におけるλの内挿の仕方に依存しない。

 運動方程式を求めるためにまずg(x)の変分を考えよう。関係式 g+δg=eiTα(ϕα+δϕα) から
δg=gξ,    δg1=ξg1
を得る。ただし、ξ は 
ξ=iTαδϕα=g1δg
で定義される。作用(7.97)第1項の変分は
δS(1)=k8πd2xTr[μ(gξ)μg1μgμ(ξg1)]=k8πd2xTr(μξ)[gμg1μgg1]=k4πd2xTrξμ(μgg1)=k4πd2xTrξ[0(0gg1)1(1gg1)]
と表せる。また、WZ項の変分は
δΓWZ=k4π10dλd2xTrλ(ξg1μgg1νg)ϵμν=k4πd2xTrξ(g10gg11gg11gg10g)=k4πd2xTrξ[0(1gg1)1(0gg1)]
と計算できる。これらより、運動方程式 δS=δS(1)+δΓWZ=0
0(0gg1+1gg1)1(0gg1+1gg1)=0
となる。これは
(+gg1)=0
とも書ける。ただし、±=0±1 である。ϕαで表すとこれは +ϕα=0 と書ける。よって、(7.107)は自由場の運動方程式を行列表現へ一般化したものと見做せる。(7.107)の一般解は
g(x)=V(x+)U(x)
で与えられる。ただし、V(x+)U(x) はそれぞれ x+=x0+x1x=x0x1 の任意関数である。アーベル型の場合、g=eiϕ であり、運動方程式(7.107)は +ϕ=0 となる。この一般解は ϕ(x)=ϕ1(x+)+ϕ2(x) で与えられる。解(7.108)はこの解の非アーベル型の場合に対応している。前節の最後で見たようにフェルミオン・カレントJαJα(x)=i2πgg1 と定義できる。前節までの構成から、Jαが非アーベル型カッツ-ムーディ代数
[Jα(x0,x1),Jβ(x0,y1)]=ifαβγJγ(x0,x1)δ(x1y1)i2πδαβx1δ(x1y1)
に従うのは明らかであろう。

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