久しぶりに重力散乱振幅についての論文のレビュー依頼が来ました。前回のレビューはこちら。あまり進展してないなぁとの印象。それより、数ある重力子の MHV (maximally-helicity-violating) 振幅のうち何故に Hodges の式を使うのか良く分かりませんでした。が、そんなこと突っ込んでも仕方ないので著者の意向をくみ取ってレビューしました。こちらの通り。内容には踏み込まず背景知識の整理が大半を占めるというヒストリカルなレビューになってしまいました。数学の方にも是非、散乱振幅研究の歴史的な側面を知ってもらえればと思います。Amplituhedron では重力子散乱は上手くいかないというのは知りませんでした。私としては Amplituhedron でなくツイスター空間上のホロノミー形式による散乱振幅の研究を進めなきゃなあ。なんて思いながら実際最近は何も出来ていないことに慚愧の念が堪えません。
2025-08-25
2025-08-15
13. ウィグナーの $\D$ 関数とその応用 vol.10
13.3.3 Case-Gasiorowicz-Weinberg-Witten の定理
ケイス-ガシオロウィッツ-ワインバーグ-ウィッテン (Case-Gasiorowicz-Weinberg-Witten) の定理(ワインバーグ-ウィッテンの定理と呼ばれることが多い)はつぎの2つの主張から成る。
- スピンが $> \hf$ となる質量ゼロの荷電粒子は存在しない。
- スピンが $> 1$ となる質量ゼロの粒子のうち保存エネルギー・運動量テンソルを持つものは存在しない。
質量ゼロ1粒子状態とその規格化
質量ゼロの粒子の4元運動量を $p^\mu = ( \om , \vec{p} )$ をとする。ただし、$p^0 = \om$ は $\om = |\vec{p}|$ の値をとる。また、4元電流密度 (4元カレント) を $J^\mu = ( J^0 , \vec{J})$ とおく。ただし、$J^\mu$ は電荷の保存則 $\d_\mu J^\mu = 0$ を満たす。以下では、1粒子状態 $| p \ket$ と $| p^\prime \ket$ で挟まれた $J^\mu$ の行列要素 $\bra p^\prime | J^\mu | p \ket$ に注目する。そこで、まずこれらの1粒子状態について考える。$p$-積分のローレンツ不変な積分測度は
\[ d \mu (p ) \, = \, \frac{d^3 p}{( 2 \pi )^3 } \frac{1}{2 \om} \tag{13.180} \]
と表せるので、状態 $| p \ket$ の完全性は
\[ \int | p \ket \frac{d^3 p}{(2 \pi )^3} \frac{1}{2 \om} \bra p | \, = \, 1 \tag{13.181} \]
と書ける。このとき、状態の正規直交性は条件式
\[ \bra p^\prime | p \ket \, = \, (2 \pi )^3 \, 2 \om \, \del^{(3)} ( \vec{p}^{\, \prime} - \vec{p} ) \tag{13.182} \]
と表せる。粒子が空間体積 $V= L^3$ の立方体の中にあるとみなし、計算の最終段階で$V \rightarrow \infty$ の極限をとるものとする。このとき、 空間座標の周期的境界条件から $\vec{p}$ は
\[ \vec{p} = \frac{2\pi \vec{n}}{L} \tag{13.183}\]
と表せる。ただし、$\vec{n} = ( n_1 , n_2 , n_3 )$ であり、各成分 $n_i$ $(i=1,2,3)$ は整数の値をとる。これらの成分を用いて $p$ と $p^\prime$ のクロネッカーのデルタは
\[ \del_{p, p^\prime } \, = \, \del_{n_1 , n_1^\prime } \del_{n_2 , n_2^\prime } \del_{n_3 , n_3^\prime } \tag{13.184} \]
と定義できる。デルタ関数 $\del^{(3)}( \vec{p} - \vec{p}^{\, \prime} )$ を用いると(最終的に $V \rightarrow \infty$ の極限をとるとの理解のもと)$\del_{p, p^\prime }$ は
\[ \del_{p, p^\prime } \, = \, \frac{(2 \pi)^3}{V} \del^{(3)}( \vec{p} - \vec{p}^{\, \prime} ) \tag{13.185} \]
と表せる。よって、直交性(13.182)より1粒子状態を
\[ | \widetilde{p} \ket \, = \, \frac{| p \ket}{\sqrt{2\om V}} \tag{13.186} \]
と規格化すると正規直交条件は $\bra \widetilde{p } | \widetilde{p}^{\prime } \ket \, = \, \del_{p, p^\prime}$ と表せることが分かる。以下では簡単のため規格化された1粒子状態 $| \widetilde{p} \ket$ を $|p \ket$ と再定義する。すなわち、以下の議論では正規直交条件として
\[ \bra p | p^{\prime } \ket \, = \, \del_{p, p^\prime} \tag{13.187} \]
を用いることにする。
行列要素の計算
つぎに、正規直交条件(13.187)を用いて行列要素 $\bra p^\prime | J^\mu | p \ket$ を計算する。$J^0$ は電荷密度を表すので粒子の電荷演算子は
\[ \widehat{Q} \, = \, \int d^3 x \, J^0 \tag{13.188} \]
で与えられる。1粒子状態 $| p \ket$ に作用する演算子 $\widehat{Q}$ の固有値が粒子の電荷 $Q$ である。
\[ \widehat{Q} \, | p \ket \, = \, Q \, | p \ket \tag{13.189} \]
これより、$| p^\prime \ket \rightarrow | p \ket $ の極限における行列要素 $\bra p^\prime | \widehat{Q} | p \ket$ として電荷 $Q$ を定義できる。
\[ \lim_{p^\prime \rightarrow p} \bra p^\prime | \widehat{Q} | p \ket \, = \, \lim_{p^\prime \rightarrow p} \int \! d^3 x \, \bra p^\prime | J^0 | p \ket \, = \, V \frac{Q}{V} \, = \, Q \tag{13.190} \]
よって、$| p^\prime \ket \rightarrow | p \ket $ の極限で行列要素 $\bra p^\prime | J^0 | p \ket$ は
\[ \lim_{p^\prime \rightarrow p} \bra p^\prime | J^0 | p \ket \, = \, \frac{Q}{V} \tag{13.191} \]
で与えられる。$V$ は空間体積なのでこれは確かに電荷密度を与えることが分かる。4元カレント $J^\mu$ はローレンツ共変であり $\d_\mu J^\mu = 0$ を満たすので、$J^\mu$ の行列要素は
\[ \lim_{p^\prime \rightarrow p} \bra p^\prime | J^\mu | p \ket \, = \, Q \frac{p^\mu}{ \om V} \tag{13.192} \]
と表せる。$p^\mu$ と $p^{\prime \mu}$ は質量ゼロ粒子の4元運動量なので、$p \cdot p = p^\prime \cdot p^\prime = 0$ であり、
\[ ( p + p^\prime )^2 \, = \, 2 p \cdot p^\prime \, = \, 2 \om \om^\prime (1 - \cos \th ) > 0 \tag{13.193} \]
を満たす。ただし、$\th$ は $\vec{p}$ と $\vec{p}^\prime$ の間の角度である。上式は $( p + p^\prime )^\mu $ が time-like ベクトルであること、つまり、計量 $(+---)$ のもとで時間成分が空間成分より優勢になることを意味する。よって、$\vec{p} + \vec{p}^\prime = 0$ となるフレームを選ぶことができる。(これは $\cos \th = -1$ に対応する。) すなわち、中心運動量フレーム
\[ p^{\mu} = ( \om , \vec{p} ) \, , ~~~ p^{\prime \, \mu} = ( \om , - \vec{p} ) \tag{13.194} \]
を採用できる。このとき、行列要素 $\bra p^\prime | J^\mu | p \ket $ は $\bra \! - \vec{p} | J^\mu | \, \vec{p} \ket$ と表せる。
ここで、$\vec{p}$ 方向の角運動量演算子を $L_{\hat{p}}$ とすると、定義から
\[ e^{ i L_{\hat{p}} \phi} | \, \vec{p} \ket \, = \, e^{i s \phi} | \, \vec{p} \ket \, , ~~~ e^{ i L_{\hat{p}} \phi} | \!\! - \! \vec{p} \ket \, = \, e^{- i s \phi} | \!\! - \! \vec{p} \ket \tag{13.195} \]
と書ける。ただし、$s$ は質量ゼロ粒子のスピン (ヘリシティとも言う) であり、$\phi$ は $\vec{p}$ を軸にした回転量 (ゼロでない角度) を表す。上式から行列要素 $\bra \! - \vec{p} | J^\mu | \, \vec{p} \ket$ は
\[\begin{eqnarray} \bra \! - \vec{p} | \, J^\mu \, | \, \vec{p} \ket & = & \bra \! - \vec{p} | ~ e^{-i L_{\hat{p}} \phi } \, e^{i L_{\hat{p}} \phi } \, J^\mu \, e^{-i L_{\hat{p}} \phi } e^{i L_{\hat{p}} \phi }~ | \, \vec{p} \ket \nonumber \\ &=& e^{i 2 s \phi } \, \bra \! - \vec{p} | ~ e^{i L_{\hat{p}} \phi } \, J^\mu \, e^{-i L_{\hat{p}} \phi } ~ | \, \vec{p} \ket \nonumber \\ &=& e^{i 2 s \phi } \, \D^{\mu \nu} \! ( e^{i \phi} ) \, \bra \! - \vec{p} | \, J^\nu \, | \, \vec{p} \ket \tag{13.196} \end{eqnarray}\]
と表せることが分かる。ただし、$\D$ 関数 $\D^{\mu \nu} \! ( e^{i \phi} )$ は
\[ e^{i L_{\hat{p}} \phi } \, J^\mu \, e^{-i L_{\hat{p}} \phi } \, = \, \D^{\mu \nu} \! ( e^{i \phi} ) \, J^\nu \tag{13.197} \]
と定義される。これは、13.2節で解説したように ウィグナーの $\D$ 関数が一般に
\[ U^{-1} (\th ) \, Q^{A} \, U (\th ) \, = \, \D^{(R)}_{AB} ( g ) \, Q^B \tag{13.70} \]
と定義されることからも分かる。(13.197)の $\D^{\mu \nu} \! ( e^{i \phi} )$ は回転群 $SO(3)$ のスピン1表現 $(l = 1)$ で与えられる。その具体的な形は13.2節の
\[ \D^{ab} ( g) \, = \, \exp \left[ i ( T^c )^{ab} \th^{c} \right] \tag{13.63} \]
\[ \D^{m^\prime m} ( g ) \, = \, \D_{m^\prime m}^{(l = 1)} ( g ) \tag{13.67} \]
の通りである。ただし、$g$ は $SO(3)$ 群の要素であり、$( T^c )^{ab} = - i \ep^{abc}$ は $SO(3)$ 群の構造定数を表す。添え字 $a$, $b$ は空間座標 $(1,2,3)$を表し、$m$, $m^\prime$ は球面基底
\[ x^{\pm } = \frac{1}{\sqrt{2}} ( \mp x^1 - i x^2 ) \, , ~~ x^3 \tag{13.65} \]
の座標 $(\pm , 3 )$ を表す。いまの場合、$\vec{p}$ を $x^3$ 方向に指定できるので(13.197)の $\D^{\mu \nu} \! ( e^{i \phi} )$ は
\[ \D^{ m m^\prime} \! ( e^{i \phi} ) \, = \, \exp \left[ \ep^{m m^\prime 3 } \phi \right] \tag{13.198} \]
と書ける。ただし、時間成分は空間回転に関与しないので添え字 $\mu$, $\nu$ を 球面基底座標 $m$, $m^\prime$ に置き換えた。$\ep^{+-3} = i$, $\ep^{-+3} = -i$, $\ep^{++3} = \ep^{--3} = 0$ に注意すると、$\D^{ m m^\prime} \! ( e^{i \phi} )$ の値は
\[ \D^{ m m^\prime} \! ( e^{i \phi} ) \, \in \, \{ e^{\pm i \phi} , \, 1 \} \tag{13.199} \]
に限られることが分かる。
関係式(13.196)から $e^{i2 s \phi } \, \D^{\mu \nu} \! ( e^{i \phi} ) = 1$ となる場合がなければ、行列要素 $\bra \! - \vec{p} | J^\mu | \, \vec{p} \ket$ はゼロとなる。一方、(13.192)から
\[ \lim_{| \! - \! \vec{p} \ket \rightarrow | \, \vec{p} \ket } \int \! d^3 x \, \bra \! - \vec{p} | J^\mu | \, \vec{p} \ket \, = \, Q \, \hat{n}^\mu \tag{13.200} \]
と表せる。ただし、$\hat{n}^\mu = ( 1, 0,0,1 )$ である。よって、荷電粒子 $( Q \ne 0 )$ に対して行列要素 $\bra - \! \vec{p} | J^\mu | \, \vec{p} \ket $ は ($| \! - \! \vec{p} \ket \rightarrow | \, \vec{p} \ket$ の極限で) ゼロとならない。したがって、質量ゼロの荷電粒子が存在するためには少なくともある$(\mu , \nu )$ の組み合わせに対して
\[ e^{2 i s \phi } \, \D^{\mu \nu} \! ( e^{i \phi} ) \, = \, 1 \tag{13.201} \]
が成り立つ必要がある。(13.199)を用いるとこの条件式(13.201)はスピンが $2s \le 1$ の場合にのみ満たされることが分かる。よって、CGWW 定理の一つ目の主張が示された。
CGWW 定理の2つ目の主張についても同様にエネルギー・運動量テンソル $T^{\mu \nu}$ の行列要素 $\bra p^\prime | T^{\mu \nu} | p \ket$ を用いて示すことができる。ただし、$T^{\mu \nu}$ はエネルギー保存則 $\d_\mu T^{\mu\nu} = 0$ を満たす。$T^{\mu \nu}$ はランク2の対称テンソルなので(13.197)に対応する $\D$ 関数は回転群 $SO(3)$ のスピン2表現 $(l = 2)$ で与えられる。13.2節の
\[ T^m \, = \, r^2 \, Y_2^m ( \vartheta , \varphi) \, \longrightarrow \, T^{m^\prime } \,= \, r^2 \, \D_{m^\prime m}^{(l = 2)} ( g ) \, Y_2^m ( \vartheta , \varphi ) \tag{13.69} \]
で紹介したようにこの $\D$ 関数は $ \D_{ m m^\prime}^{(l=2)} ( g ) $ で表せる。ただし、$m$, $m^\prime$ は $(0, \pm 1 , \pm 2 )$ の値をとる。よって、行列要素 $\bra \! - \! \vec{p} | T^{\mu \nu} | \, \vec{p} \ket$ の計算に現れる $\D$ 関数は $\D_{ m m^\prime}^{(l=2)} ( e^{i \phi} )$ で与えられる。スピン1表現の場合と同様に、これは
\[ \D_{ m m^\prime}^{(l=2)} ( e^{i \phi} ) \, \in \, \{ e^{\pm i 2 \phi} , \, e^{\pm i \phi} , \, 1 \} \tag{13.202} \]
と計算できる。ただし、$m, m^\prime = (0, \pm 1 , \pm 2 )$ である。したがって、条件式(13.201)を適用すると、保存エネルギー・運動量テンソルをもつ質量ゼロの粒子はスピン $s$ が $s \le 1$ の場合にのみ存在することが分かる。これより、CGWW 定理の2つ目の主張が示された。
以上の証明では行列要素を評価するに当たりウィグナーの $\D$ 関数を利用した。この手法は13.2節で紹介したウィグナー-エッカルトの定理の導出と類似している。(例えば、13.2節の(13.70)を参照のこと。)この意味で CGWW 定理の証明はウィグナー-エッカルト型の応用例の1つであると見做せる。
2025-08-04
13. ウィグナーの $\D$ 関数とその応用 vol.9
8重項メソンと8重項バリオンの相互作用
ハドロン・スペクトルに関する最後のトピックとして、8重項メソンと8重項バリオンの相互作用を考える。ここでは、2-1散乱過程 $B + M \rightarrow {\bar B}$ に注目する。ただし、$B$, $M$ は8重項バリオンと8重項メソンをそれぞれ表す。
8重項バリオンの質量公式に関する議論で出てきた関係式
\[ \M_{bc} \, \equiv \, \bra {\bf 8}, b | M | {\bf 8}, c \ket \, = \, M_0 \, \del_{bc} \, + \bra {\bf 8}, b | M^8 | {\bf 8}, c \ket \tag{13.122} \]
\[ \bra {\bf 8}, b | M^8 | {\bf 8}, c \ket \, = \, {C_{8cb}^{\bf 888}}^* \, \bra {\bf 8} || M^{\bf 8} || {\bf 8} \ket \tag{13.123} \]
\[ \M_{bc} \, = \, M_0 \, \del_{bc} \, + \, i A \, f_{bc}^{~~8} \, + \, B \, d_{bc}^{~~8} \tag{13.142} \]
を用いると、散乱振幅 $\bra B | M | B \ket$ は行列要素 $\bra {\bf 8}, b | M^a | {\bf 8}, c \ket$ で記述され、この行列要素は
\[\begin{eqnarray} \bra {\bf 8}, b | M^a | {\bf 8}, c \ket &=& C^{\bf 888}_{acb} \bra {\bf 8} || M^{\bf 8} || {\bf 8} \ket \nonumber \\ & = & C^{\bf 888}_{acb} \, \al + C^{\bf 888}_{cab} \, \bt \nonumber \\ &=& i \la_1 \, f_{abc} + \la_2 \, d_{abc} \tag{13.169} \end{eqnarray}\]
とパラメータ表示できることが分かる。ただし、$a, b, c$ は8重項の添え字である。また、以前と同じく $( \al ,\bt )$ と $(\la_1 , \la_2 )$ は定数の組を表す。これより、相互作用のラグランジアンは
\[ \L_{\rm int} = i \la_1 \overline{B}^b \ga_5 B^c M^a \, f_{abc} \, + \la_2 \overline{B}^b \ga_5 B^c M^a \, d_{abc} \tag{13.170} \]
と書ける。ただし、$\gamma_5$ はディラックの $\gamma_5$ 行列である。5.4節の後半で議論したように $\gamma_5$ が必要となるのは、8重項メソンが擬スカラーであり、強い相互作用はパリティを保存するためである。5.4節ではフレーバー $SU(3)$ 対称性に基づいて8重項メソンと8重項バリオンの相互作用項を行列表示を用いて
\[ \L_{int} = g_1 \Tr ( {\mathbf {\bar B}}\,\gamma_5\, {\mathbf B} \, {\mathbf M}) + g_2 \Tr ( {\mathbf {\bar B}}\,\gamma_5\, {\mathbf M}\, {\mathbf B}) \tag{5.55} \]
と表した。($ {\mathbf {\bar B}}$, ${\mathbf M}$, ${\mathbf B}$ の具体的な行列表示は5.4節を参照にされたい。)
$\overline{B}BM$ 相互作用は無数(原理的には $8^3 = 512$ 通り)存在するが、上記の相互作用(13.170)は2つのパラメータ $(\la_1 , \la_2 )$ とゼロとならない $f_{abc}$, $d_{abc}$ で表示できる。例えば、$(\bar{B}^b , B^c ) = ( \bar{p} , p )$ となる相互作用項のうちゼロとならないものは
\[\begin{eqnarray} \L_{\bar{p} p \pi^0 } &=& - \frac{1}{2} ( \la_1 - \la_2 ) \bar{p} \ga_5 p \, \pi^0 \tag{13.171} \\ \L_{\bar{p} p \eta } &=& - \frac{\sqrt{3}}{2} \left( \la_1 + \frac{1}{3} \la_2 \right) \bar{p} \ga_5 p \, \eta \tag{13.172} \end{eqnarray}\]
で与えられる。ただし、ゼロとならない $f_{\bar{p} p a}$, $d_{\bar{p} p a}$ を求めるに際し下表を用いた。
\begin{array}{|ccc|ccccc|} \hline ijk & f_{ijk} &~& ijk & d_{ijk} &~& ijk & d_{ijk} \\ \hline 123 & 1 &~& 118 & \frac{1}{\sqrt{3}} &~& 355 & \frac{1}{2} \\ 147 & \frac{1}{2} &~& 146 & \frac{1}{2} &~& 366 & - \frac{1}{2} \\ 156 & - \frac{1}{2} &~& 157 & \frac{1}{2} &~& 377 & - \frac{1}{2} \\ 246 & \frac{1}{2} &~& 228 & \frac{1}{\sqrt{3}} &~& 448 & - \frac{1}{2\sqrt{3}} \\ 257 & \frac{1}{2} &~& 247 & - \frac{1}{2} &~& 558 & - \frac{1}{2\sqrt{3}} \\ 345 & \frac{1}{2} &~& 256 & \frac{1}{2} &~& 668 & - \frac{1}{2\sqrt{3}} \\ 367 & - \frac{1}{2} &~& 338 & \frac{1}{\sqrt{3}} &~& 778 & - \frac{1}{2\sqrt{3}} \\ 458 & \frac{\sqrt{3}}{2} &~& 344 & \frac{1}{2} &~& 888 & - \frac{1}{\sqrt{3}} \\ 678 & \frac{\sqrt{3}}{2} &~& & &~& & \\ \hline \end{array}
\begin{array}{|ccc|cc|} \hline \overline{B}^a & B^a & M^a & \psi^a & SU(3) \, 随伴表現~ {\bf 8} \\ \hline \overline{\Si^-} & \Si^+ & \pi^+ & \frac{1}{\sqrt{2}}(\psi^1 + i \psi^2 ) & (12) \\ \overline{\Xi^-} & p & K^+ & \frac{1}{\sqrt{2}}(\psi^4 + i \psi^5 ) & (13) \\ \overline{\Si^+} & \Si^- & \pi^- & \frac{1}{\sqrt{2}} (\psi^1 - i \psi^2 ) & (21) \\ \overline{\Xi^0} & n & K^0 & \frac{1}{\sqrt{2}} (\psi^6 + i \psi^7 ) & (23) \\ \bar{p} & \Xi^- & K^- & \frac{1}{\sqrt{2}} (\psi^4 - i \psi^5 ) & (31) \\ \bar{n} & \Xi^0 & \overline{K}^0 & \frac{1}{\sqrt{2}} (\psi^6 - i \psi^7 ) & (32) \\ \overline{\Si^0} & \Si^0 & \pi^0 & \psi^3 & \frac{1}{\sqrt{2}}(11) -\frac{1}{\sqrt{2}}(22) \\ \overline{\La} & \La & \eta & \psi^8 & \frac{1}{\sqrt{6}}(11) + \frac{1}{\sqrt{6}}(22) - \frac{2}{\sqrt{6}}(33) \\ \hline \end{array}
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