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2024-08-21

2024年8月 苗場山


小赤沢の登山口は都内からだとアクセスが大変!前日の昼に出発、暗くなってから知らない山道行くのが怖かったので夕暮れ前に登山口の駐車場到着して車中泊。といっても、座席を寝かして横になるだけですが。夜間ずっと雨だったので不安でしたが、明け方には止んでくれました。4時前に目が覚めたのでヘッドライトを点けて荷物確認してから4時半に出発。以前、武尊山地蔵岳に登ったときのことを思い出しました。

2024-08-06

11. 共形対称性 vol.5

前回に引き続いてビラソロ代数
[Lm,Ln]=(mn)Lm+n+c12(m3m)δm+n,0
について議論する。

ビラソロ代数のユニタリー既約表現

 11.3節で言及したように、2次元の臨界指数 α
ϕ(z)ϕ(w)=1(zw)α
と表せる。ただし、z,wC である。これは演算子 L0=zz の固有値が臨界指数 α を与えることを意味する。実際、
L01zα=αz1zα+1=α1zα
と計算できる。L0 の固有値は共形ウェイト(あるいは共形次元)と呼ばれる。前節で紹介したように2次元の臨界現象はビラソロ代数の表現で分類できる。よって、2次元上で可能な全ての臨界指数は共形ウェイトで与えられることが分かる。以下では、ビラソロ代数のユニタリー既約表現を考えることでそのような共形ウェイトが決定されることを見ていく。

 まず、SL(2,C)部分代数あるいは2次元の広域共形代数を考える。ビラソロ代数(11.76)において、m=0,±1 とすると
[L1,L1]=2L0,   [L0,L1]=L1,   [L0,L1]=L1
を得る。これは閉じた代数であるが、|m| が大きい場合、代数は閉じない。例えば、m=0,±1,±2 のとき、次のような交換関係が現れる。
[L2,L2]=4L0+c2,  [L0,L2]=2L2,  [L1,L2]=L3, 
よって、|m| が大きい場合、閉じた部分代数は存在せず、ビラソロ代数(11.76)全体を含める必要がある。(11.76)に m=0 を代入すると
[L0,Ln]=nLn
を得る。ここで、ある状態 |ψ が共形ウェイト h0 を持つとすると、上の交換関係から関係式 L0(Ln|ψ)=(h0n)Ln|ψ が求まる。これは、演算子 Ln  (n0) の作用によって L0 の固有値が n だけ減少することを意味する。言い換えると、Ln は下降演算子として振る舞う。よって、角運動量代数との類推から、ビラソロ代数の表現を最高ウェイト状態 |h によって構成することができる。ただし、|h は条件式
L0|h=h|h,    Ln|h=0  (n1)
をみたす。規格化条件は h|h=1 とする。|h 以外の全ての状態は Lm (m1)|h に施すことによって求まる。具体的に書き出すと次のようになる。
Np(N)共形ウェイト(h+N)のディセンダント状態11L1|h,22L2|h, L21|h33L3|h, L1L2|h, L31|h45L4|h, L1L3|h, L22|h, L21L2|h, L41|h57L5|h, L1L4|h, L2L3|h, L21L3|h,L1L22|h, L31L2|h, L51|h611L6|h, L1L5|h, L2L4|h, L21L4|h,L23|h, L2L1L3|h, L31L3|h,L32|h L21L22|h, L41L2|h, L61|h715
これらの状態はディセンダント状態と呼ばれる。一般にディセンダント状態は
Ln1Ln2Lnr|h,   (1n1n2nr)
と表せる。ただし、
ri=1ni=N
である。最高ウェイト状態 |h を含むディセンダント状態(11.83)で張られる無限次元のベクトル空間はビラソロ代数の無限次元の表現を与える。表現論の用語でより正確に表すとこれらの状態はバーマ加群と呼ばれる加群(モジュール)を成す。自然数 N はバーマ加群をなすディセンダント状態のレベル数と呼ばれる。

 構成によりレベル N ディセンダント状態の縮退度は分割数 p(N) で与えられる。これは N を自然数の和として表せる場合の数である。ただし、N=0 の場合は p(0)=1 と定義される。分割数 p(N) の母関数は
N=0p(N)xN=r=111xr
で与えられる。


ユニタリー性、既約性、特異ベクトル

ビラソロ代数のユニタリー性は任意の物理状態の内積が正であることで保証される。状態 Lm|hLn|h (m,n>0) の内積は
h|LmLn|h=h|([Lm,Ln]+LnLm)|h=h|((m+n)Lmn+c12m(m21)δm,n)|h=((m+n)h+c12m(m21))δm,n
と計算できる。ただし、随伴関係 Ln=Ln と規格化 h|h=1 を用いた。非自明となる最もシンプルな場合は m=n=1 で与えられ、このとき上式は
h|L1L1|h=2h
となる。よって、ユニタリー条件から h>0 が分かる。また、(11.87)からレベル n ディセンダント状態 Ln|h (n>1) の内積は
h|LnLn|h=2nh+c12n(n21)
で与えられる。レベル数 n が充分に大きいとき、この内積が正となるには c0 が必要である。これらの簡単な場合から、ビラソロ代数のユニタリー性を課すと hc が非負となることが分かる。つまり、
h>0,  c0
であることが要請される。

 関係式(11.87)はレベル m 状態 Lm|h とレベル n 状態 Ln|hm=n でない限り互いに直交することを意味する。この関係はレベル m,n の他のディセンダント状態にも当てはまる。よって、ビラソロ代数のユニタリー性はレベル N の部分ベクトル空間を用いて考えることができる。ただし、この部分ベクトル空間の次元は p(N) となる。(11.83)のリストよりレベル N 部分空間の基底は
LN1|h, LN21L2|h,, L1LN+1|h, LN|h
で与えられることが分かる。レベル N 部分空間において内積が正であるかどうかは以下のグラム行列 M(N) を用いて判定できる。
(h|LN1LN1|hh|LN1LN21L2|hh|LN1LN|hh|L2LN21LN1|hh|L2LN21LN21L2|hh|L2LN21LN|hh|LNLN1|hh|LNLN21L2|hh|LNLN|h)
グラム行列 M(N) はエルミート行列なのでユニタリー行列を用いて実数の固有値をもつ成分で対角化できる。よって、バーマ加群のユニタリー性を得るには任意の N>0 について全ての固有値が正であることを要請すればよい。言い換えると、グラム行列が正定値であればビラソロ代数の表現はユニタリーである

 グラム行列 M(N) の固有値の1つがゼロのとき、detM(N)=0 となる。これは、レベル N の部分ベクトル空間が線形従属であることを意味し、レベル N ディセンダント状態の線形結合として次の関係式を満たすある特定のベクトル |χ を構成できることを示す。
L0|χ=(h+N)|χ,    Ln|χ=0   (n>0)
このベクトルはレベル N特異ベクトルあるいはヌル・ベクトルと呼ばれる。このとき、つまり特異ベクトルが含まれる場合、ビラソロ代数の表現は可約となる。特異ベクトルと任意のディセンダント状態(11.84)の内積はゼロとなる。
χ|Ln1Ln2Lnr|h=h|LnrLnr1Ln1|χ=0
また、その構成から特異ベクトルのノルムはゼロとなる。
χ|χ=0
よって、元々のバーマ加群で
|χ=0
とおくことにより、特異ベクトルと特異ベクトルから生成されるディセンダント状態を取り除くことができる。これにより、可約なバーマ加群は既約表現を持つことになる。このような既約表現はビラソロ代数の縮退表現と呼ばれる。

2024-08-05

11. 共形対称性 vol.4

11.4 2次元共形変換とビラソロ代数


2次元平面では計量テンソルを gμν=δμν (μ,ν=1,2) とおける。この時、共形キリング方程式
μξν+νξμ=λgμν
は次式で与えられる。
μξν+νξμ=λδμν
計量 gμν=δμν で縮約を取ると 2μξν=2λ を得る。よって、共形キリング方程式は
μξν+νξμ(ξ)δμν=0
と書ける。添え字を明示するとこれは3つの式で表せる。
21ξ1(1ξ1+2ξ2)=022ξ2(1ξ1+2ξ2)=01ξ2+2ξ1=0
つまり、
1ξ12ξ2=01ξ2+2ξ1=0
と求まる。これらは正則関数のコーシー・リーマン方程式に他ならない。そこで、4.2節にならって、次のような複素変数表示を導入する。
ξ1+iξ2=f,   ξ1iξ2=ˉf,x1+ix2=z,   x1ix2=ˉzˉz=1+i22,   z=1i22 
計量は ds2=δμνdxμdxν=dzdˉz とおけるので、複素座標においてゼロにならない計量テンソルとその逆テンソルは
gzˉz=gˉzz=12,   gzˉz=gˉzz=2
で与えられる。よって、(11.57)は
ˉzf=12(1+i2)(ξ1+iξ2)=0
と表せる。この一般解は f=f(z) となることが確かに分かる。つまり、fz の解析関数である。従って、2次元共形変換は、3次元以上の共形キリング方程式の一般解(11.6)が拡張され、任意の正則関数で定義される。演算子代数の視点から見ると2次元の共形代数 SO(1,3)無限次元のリー代数に拡張される。この代数はビラソロ代数と呼ばれる。以下では、ビラソロ代数を導入しそのユニタリー表現を考えるので議論は専ら代数的になる。なお、次章では一般のリー代数について幾何学的な考察を行う。

 特異点を z=0, にとり、f(z) のローラン展開を書き出すと
f(z)=n=ϵnzn+1
となる。ただし、ϵn は展開係数である。もし f(z) が特異点を持たなければ解は f=(定数) で与えられることに注意しよう。複素パラメータ表示(11.58)から共形変換 xixi+ξi
zz+f(z)
で実現されることが分かる。パラメータ ϵn に対応する共形変換の生成子は
ln=zn+1z
で与えられる。この生成子は交換関係
[lm,ln]=(mn)lm+n
を満たす。これはヴィット代数と呼ばれる。部分代数 ln (n=1,0,1) とその反正則部分 ˉlnSL(2,C) 代数を成す。これは2次元の広域共形代数に対応している。定義(11.62)より2次元共形変換は次の演算子で生成されることが分かる。
O=ϵ1(z)+ϵ0z(z)+ϵ1z2(z)=ˉϵ1(ˉz)+ˉϵ0ˉz(ˉz)+ˉϵ1ˉz2(ˉz)=aPz+ˉaPˉz+cM+dD+bKz+ˉbKˉz
ただし、共形変換の生成子は
Pz=z=l1, Pˉz=ˉz=ˉl1: 並進変換M=zz+ˉzˉz=(l0ˉl0): 回転変換D=zzˉzˉz=(l0+ˉl0): スケール変換Kz=z2z=l1, Kˉz=ˉz2ˉz=ˉl1: 特殊共形変換 
と定義される。(11.65)のパラメータは ϵn (n=1,0,1) を用いて
a=ϵ1,  ˉa=ˉϵ1,  b=ϵ1,  ˉb=ˉϵ1,  c=12(ϵ0ˉϵ0),  d=12(ϵ0+ˉϵ0)
と同定される。(11.65),(11.66)は前節で求めた一般次元の結果
O=aμ(ixμ)+ωμνxν(ixμ)+ϵxμ(ixμ)+bα(x2ημα2xμxα)(ixμ)aμPμωμν2Mμν+ϵDbμKμ
Pμ=iμ: 並進変換Mμν=xμPνxνPμ: 回転変換D=ixμμ: スケール変換Kμ=i(2xμxννx2μ): 特殊共形変換
の2次元版である。