2次元共形場理論で出てくるカッツ行列式の計算。2次元までは自明でどの教科書にも載っているのですが、3次元(正確にはレベル3)の場合は急に計算量が増えてややこしくなってしまいます。調べたけど出てこないので自分で計算することにしました。一般の場合の公式は既に証明されているのでレベル3の場合だけやって自分を納得させたいだけの話です。
まず、レベル3カッツ行列式は
\[ |M^{(3)} | = \left| \begin{array}{ccc} \bra h| L^{3}_{1} L^{3}_{-1} | h \ket & \bra h| L^{3}_{1} L_{-1} L_{-2}| h \ket & \bra h| L^{3}_{1} L_{-3}| h \ket \\ \bra h| L_{2} L_{1} L^{3}_{-1} | h \ket & \bra h| L_{2}L_{1} L_{-1}L_{-2} | h \ket & \bra h| L_{2}L_{1} L_{-3} | h \ket \\ \bra h| L_{3} L^{3}_{-1} | h \ket & \bra h| L_{3} L_{-1}L_{-2} | h \ket & \bra h| L_{3} L_{-3} | h \ket \\ \end{array} \right| \tag{1} \]
で与えられる。ここで、演算子 $L_{n}$ $(n \in \mathbb{Z} )$ はビラソロ代数
\[ \left[ L_m , L_n \right] \, = \, ( m - n ) L_{m+n} + \frac{c}{12} ( m^3 - m ) \del_{m+n, 0} \tag{2} \]
に従う。$c$ は中心電荷と呼ばれる定数である。状態 $| h \ket$ は最高ウェイト状態を表し条件式
\[ L_0 | h \ket = h | h \ket \, , ~~~~ L_n | h \ket = 0 ~~ ( n \ge 1 ) \tag{3} \]
を満たす。以上から行列の各成分を計算すると以下の結果を得る。