今では何故八ヶ岳(赤岳、横岳、硫黄岳)に登ろうと思ったのか忘れてしまいましたが、山行自体は忘れられないものになりました。日帰りなので深夜2時過ぎに出発、日の出前になんとか赤岳山荘の駐車場に停められました。美濃戸口あたりに野生のシカがいました。南沢コースをとって行者小屋までは比較的楽でしたが文三郎道がきつかった。
登山口からほぼ同じペースだった中年の方がゆっくりだか確実に足を進められているのをみて、ああやって登るのだなと納得しました。山頂でその方に写真を撮ってもらい色々とお話しさせてもらいました。学生のころから登られているそうで、今回は昔亡くなったご友人の弔問もかねての登山だそうです。夏はいいけど冬の登山は想像を絶するものになるのでしょう。
尾根沿いに横岳、硫黄岳と素晴らしい景色を満喫しました。普段目にすることのない高山植物も群生していて楽しかったです。
忘れられないのが硫黄岳からの長い下山中、2時間ぐらい山口県周南市からいらしてた中村さんとお話しできたことです。中村さんはいわゆる高山植物ハンター(ハンターと言っても写真で撮るだけ)で珍しい高山植物を探して全国の山々を巡っているそうです。もう70歳をゆうにすぎていらっしゃるのに声も大きく、姿勢もよく、記憶力も抜群でいろいろと高山植物のことを教えてくれました。山頂で見かけた紫の花はオヤマノリンドウという花だとか、八ヶ岳には珍しいオサバグサがあるだとかその他いろいろ目にする花の名前はすべて教えてくれました。(当然、覚えきれず今ではすっかり忘れてしまいましたが、オサバグサだけは覚えておきなさいとおっしゃっていたのでたぶん一生忘れないでしょう。)姿勢がいいのは、社交ダンスをやっているからで女性からモテモテなので困るとおっしゃっていました。(奥様には先立たれたそうです。)事実、山口から数人の女性陣を引き連れてマイカー&テント泊で山々を巡っているようでした。昔から山めぐりをしているので道もだいたい頭に入っているそうです。明らかに只者ではないので出身を聞いたら満州生まれだとおっしゃっていました。大学まで出たけど自営をして自営をしながら週末に北アルプスに行ったりしていたそうです。東北の山や四国・中国の山のことなど高低問わず色々教えてくれました。娘さんはアメリカのアレクサンドリア在住のCAさんだそうでそのつてで海外いろいろ回った話、ペルーのクスコでは周りは高山病になっていたけど自分は山登りしているから全く大丈夫だったとか、フランスのシャモニーは素晴らしかったとか楽しい話をしてくれました。またどこかの山でご一緒したいです。もしかして既に有名人かもしれませんが、独特の山口弁で大きな声で高山植物の話をしている矍鑠(かくしゃく)としたご老人を見かけたら中村さんかもしれませんよ!
オサバグサ |
ルート、日程など詳しくはこちらを参照ください。
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