2024-07-24
2024年夏 金時山
母をゴルフ場に送迎する間を利用して金時山へ。御殿場からアクセスも良くトンネルで乙女峠を越えるとすぐに金時神社の登山口に。8時過ぎでしたが神社の無料パーキングは既に満車。近くの有料駐車場を利用しました。
2024-07-03
都知事選 2024
わけわからん立候補者が乱立している都知事選、都民として看過できない事態です。とはいえ、一都民としてできるのはまともな候補者に投票することだけなので、今回もフラットな視点で候補者を選ぶことにしました。4年前の前回、こちらで報告したように小野さん、山本さん、小池さんで迷った挙句、結局、無電柱化を唯一公約に掲げていた小池さんに入れました。しかし、未だ公約は実現されず地元の道路もずっと工事中のままです。公約を守らず、守る気もなく、守れなかった理由の説明もない人を再選するのはさすがにバカなので今回はほかの人に入れる予定です。前回出てた小野さんはどうなったのかと調べてみるとなんと日本維新の会から比例で衆議院議員になっていました。山本さんは2022年に参院選で再選されたみたいです。
今回の候補者でまず目を引いたのがドクター中松候補。以前から挑戦されていて私も毎回投票していましたが、今回はさすがにご高齢なので難しいのではないかと。ただ、そのご健在ぶりには感服するばかりです。つぎに気になったのがエンジニアの安野さん。起業家、AIエンジニア、SF作家という経歴の人が政治にチャレンジしてくれるというのはありがたい。ぜひ応援したいのですが、いきなり東京のトップになって大丈夫なのか少し不安があります。むしろ、トップのブレインとして才能を活かせるのではないか?その点、安芸高田市長だった石丸さんは首長の経験もあり、政策も明確なので安心です。バンカーとして約束された地位を投げ打って政治の世界に挑戦された意志の強さに世襲議員に代表される旧来の政治家にはない可能性を感じます。石丸さんと安野さんが組んで都政を改革してくれれば若い世代もより政治に関心を持ちわけわからん立候補者の数も減るのではと期待します。
2024-07-02
新訳で読む「赤毛のアン」
次女(10歳)がネットで「赤毛のアン」のアニメを見始めたので、一緒に見ることにしました。構成、キャラクターデザイン、背景、音楽、演出など全ての要素が素晴らしく、引き込まれて原作を読むことにしました。
「赤毛のアン」のアニメと言えば、小学5年生頃、登校すると友達の何人かが「マシューが死んだ~」と大騒ぎになっていたので「なにそれ~」と聞いたのが印象に残っていますが、子供が同じ歳になってようやくその感慨が分かりました。以前、NHKの「100分de名著」で茂木健一郎さんが取り上げていたのを興味深く観ましたが、その時は、女の子の作品だからなぁと、原作を手にすることはありませんでした。
その印象は今でも変わりませんが、二人の娘を持つ父親として読んでみるとその内容の深さに新鮮な驚きがあり、楽しく読めました。アニメとの相乗効果で理解が深まりました。折角なので、英語の勉強もしてみようということでこちら
2024-07-01
11. 共形対称性 vol.3
11.3 共形代数と臨界現象の普遍性
この節ではまず共形アイソメトリーの代数、つまり共形代数を導出する。この代数は10.2節で導いたアイソメトリーに対するポアンカレ代数の自然な拡張と見做せる。ポアンカレ代数
\[\begin{eqnarray} \left[ P_\mu , P_\nu \right] &=& 0 \nonumber \\ \left[ M_{\mu \nu} , P_{\al} \right] &=& i \left( \eta_{\mu\al} P_{\nu} - \eta_{\nu\al} P_{\mu} \right) \tag{10.29}\\ \left[ M_{\mu \nu} , M_{\al\bt} \right] &=& i ( \eta_{\mu\al} M_{\nu\bt} - \eta_{\nu\al} M_{\mu\bt} - \eta_{\mu\bt} M_{\nu\al} + \eta_{\nu\bt} M_{\mu\al} ) \nonumber \end{eqnarray}\]
との類推から、共形対称性の代数は11.1節で導いた共形変換
\[ \xi_\mu \, = \, \left\{ \begin{array}{ll} a_\mu + \om_{\mu \al} \, x^\al & \mbox{: ポアンカレ変換} \\ \ep \, x_\mu & \mbox{: スケール変換} \\ b^\al ( x^2 \eta_{\mu \al} - 2 x_\mu x_\al ) & \mbox{: 特殊共形変換} \end{array} \right. \tag{11.6} \]
の生成子を用いて構成できる。一般に、場の演算子の変換の生成子 ${\cal O}$ は
\[\begin{eqnarray} \phi (x) ~ \longrightarrow ~ \phi (x + \xi ) & = & \phi (x) + \xi^\mu \frac{\d \phi}{\d x^\mu} \nonumber \\ & \equiv & \phi (x) + i \O \cdot \phi \tag{10.27} \end{eqnarray}\]
で定義された。よって、共形変換の生成子は演算子
\[\begin{eqnarray} \O &=& a^\mu \left( - i \frac{\d}{\d x^\mu} \right) + \om^{\mu\nu} x_\nu \left( - i \frac{\d}{\d x^\mu} \right) \nonumber \\ && + \,\ep \, x^\mu \left( - i \frac{\d}{\d x^\mu} \right) + \, b_\al \left( x^2 \eta^{\mu \al} - 2 x^\mu x^\al \right) \left( - i \frac{\d}{\d x^\mu} \right) \nonumber \\ & \equiv & a^\mu P_\mu - \frac{\om^{\mu\nu}}{2} M_{\mu\nu} + \ep \, D - b^\mu K_\mu \tag{11.42} \end{eqnarray}\]
から読み取れる。これより、共形変換の生成子は
\[ \begin{array}{ll} P_\mu = - i \d_\mu & \mbox{: 並進変換} \\ M_{\mu \nu} = x_\mu P_\nu - x_\nu P_\mu & \mbox{: 回転変換} \\ D = - i x^\mu \d_\mu & \mbox{: スケール変換} \\ K_\mu = - i ( 2 x_\mu x^\nu \d_\nu - x^2 \d_\mu ) & \mbox{: 特殊共形変換} \end{array} \tag{11.43} \]
で与えられることが分かる。したがって、共形代数はポアンカレ代数(10.29)と以下の交換関係の組み合わせで構成される。
\[\begin{eqnarray} \left[ D , P_\mu \right] &=& i P_\mu \, , ~~~~ \left[ D , M_{\mu\nu} \right] \, = \, 0 \nonumber \\ \left[ D , K_\mu \right] &=& - i K_\mu \, , ~~~~ \left[ K_{\mu} , K_{\nu} \right] \, = \, 0 \nonumber \\ \left[ K_\mu , P_\nu \right] &=& i2 ( \eta_{\mu\nu} D + M_{\mu\nu} ) \nonumber \\ \left[ M_{\mu\nu} , K_\al \right] &=& i ( \eta_{\mu \al} K_\nu - \eta_{\nu \al} K_\mu ) \tag{11.44} \end{eqnarray}\]
共形代数は任意の次元 $d$ で成り立つ。$d$ 次元の共形代数は $(d+2)$ 次元ローレンツ代数、あるいは $SO(1, d+1)$ 代数と見做せる。これは次のように理解できる。
まず、$A, B$ を複合添え字として $A, B = 0, 1,2, \cdots, d-1 , d ,d+1$ とおく。一方、$d$ 次元の添え字はこれまで同様、$\mu ,\nu = 0, 1, 2 ,\cdots d-1$ とする。生成子の集合 $( P_\mu , M_{\mu \nu} , D , K_\mu )$ を表す複合生成子 $J_{AB}$ を
\[\begin{eqnarray} J_{AB} &=& - J_{BA} \tag{11.45} \\ J_{\mu \nu} &=& M_{\mu \nu} \tag{11.46} \\ J_{\mu d} &=& \frac{ P_\mu + K_\mu}{2} \tag{11.47} \\ J_{\mu \, d+1} &=& \frac{P_\mu - K_\mu }{2} \tag{11.48} \\ J_{d \, d+1} &=& D \tag{11.49} \end{eqnarray}\]
と定義する。このとき、共形代数(10.29), (11.44)を用いると複合生成子は交換関係
\[ [ J_{AB} , J_{CD} ] = i \left( \eta_{AC} J_{BD} - \eta_{BC} J_{AD} - \eta_{AD} J_{BC} + \eta_{BD} J_{AC} \right) \tag{11.50} \]
を満たすことが確認できる。ただし、ミンコフスキー符号は $\eta_{AB} = (+ -- \cdots - )$ とした。これらの交換関係は $SO(1, d+ 1) $ 代数を成す。言い換えると、$J_{AB}$ は $SO(1, d+1)$ 対称性変換の生成子である。よって、d 次元共形代数は SO(1, d+1) 代数で与えられることが分かる。
$SO(1, d+ 1) $ 代数の生成子の数は $\frac{1}{2} (d+2)(d+1)$ である。一方、$d$ 次元の共形代数には並進変換が $d$ 個、回転変換が $\frac{1}{2} d(d-1)$ 個、スケール変換が1つ、特殊共形変換が $d$ 個ある。よって、生成子の数の合計は確かに
\[ d + \frac{d(d-1)}{2} + 1 + d = \frac{(d+2)(d+1)}{2} \tag{11.51} \]
となる。
臨界点と共形対称性
統計力学において臨界点での2次相転移は長距離の相関関係で特徴付けられる。質量ゼロ・スカラー粒子の $d$ 次元自由理論を考える。この理論の2点相関関数は長距離極限 $| x - y | \rightarrow \infty$ で
\[ \bra \phi (x) \phi (y) \ket \, \sim \, \frac{1}{|x-y|^{d-2+\eta} } \tag{11.52} \]
と表せる。ここで、$\eta$ は臨界指数と呼ばれる。この長距離相関は物質の局所的な構造とは無関係であり、大域的な幾何学に関係する。平坦なミンコフスキー空間において質量ゼロの点粒子の(大域的な)対称性は共形アイソメトリーで与えられる。よって、2次転移(あるいは臨界点)の物理は共形不変な理論で記述されると考えられる。
臨界指数 $\eta$ は普遍的な量である。すなわち、その値は物質の詳細に依らない。これは臨界現象の普遍性(ユニバーサリティ)として知られている。別の臨界指数として $\nu$ があり、これは関係式
\[\begin{eqnarray} \bra \phi (x) \phi (y) \ket & \sim & e^{ - \frac{|x-y|}{\xi} } \tag{11.53} \\ \xi & \sim & ( T - T_c )^{-\nu} \tag{11.54} \end{eqnarray}\]
で定義される。ただし、$T_c$ は臨界温度であり、$\xi$ は相関長 (correlation length) と呼ばれる。臨界現象はこれらの臨界指数で特徴付けられる。上の考察から、これらの指数の理論的な基礎づけは共形アイソメトリーよって与えられると推測できる。言い換えると、臨界点のタイプは共形変換(と何かしら追加の演算)の表現によって分類されると考えられる。
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