先日の南アフリカ戦で日本代表チームの敗退が決まってしまいましたが、これまで素晴らしい戦いぶりで感動をありがとうございました。選手の皆様、おつかれさまでした!ゆっくり休んでまた4年後に向けて頑張ってください。
先日の試合は前半を観た感じでは充分に勝機があると思いました。むしろ、日本のペースではないかと思ったほどです。というのも、これまでの戦いぶりからフィットネス・持久力では日本に分がありそうだったので後半になって日本が先にトライを取ればそのままボールをキープして勝ちきれるのではと期待しました。後半の強さは4年前の南ア戦も記憶に新しく悪いイメージはありませんでした。しかし、ベスト4の壁は厚かったです。4年前はグループリーグの初戦だったので日本は万全の態勢で臨めましたし、南アには油断もあったでしょうが、今回は全く状況が違いました。まず、日本はグループリーグでの連戦で主力選手が万全の状態ではなかった点、特にこれまでフル出場していた田村選手、姫野選手が途中交代を余儀なくされたのが痛かったです。一方、日本より長い準備期間のあった南アチームの気力の充実ぶりには目を見張るものがありました。前回の反省を生かして充分に日本チームの分析・対策を練っていたことが分かりました。プレーが止まるごとに日本選手に突っかかってきたり、反則ギリギリのプレーをしている様子から今回は絶対に負けないという気持ちが前面に出ていました。特にMVPを取ったスクラムハーフ・デクラーク選手の動きが良かったです。前半は日本もそんな相手に真っ向勝負で充分に対応しており、得点ではリードされていたものの試合内容では互角以上でした。前半の日本のペースの時間帯にトライを奪えていれば全く違う試合になったと考えると悔しいですね。南アの日本対策の一例として今泉清さんが専門家らしい素晴らしい解説をされています。
審判さえ欺いた南アの出足、経験差に泣いた/今泉清
後半の試合は悪夢を見ているようでした。前半キープできたボールを尽く奪われて観ていて歯がゆかったです。南アはフレッシュな強力フォワードを投入して力勝負に持ち込み、密集でのボール奪取力が向上しました。フィジカル勝負のモールで長距離を押し込まれトライを取られた辺りから日本としては成す術がなくなってしまった感があります。観戦していてやはりラグビーはフィジカル勝負のスポーツなのかと何故かモヤモヤしたまま試合終了となりました。そのモヤモヤの原因は
1.なぜ後半になってラインアウトを立て続けに奪われたのか
2.なぜ相手を走らせてフィットネス勝負に行けなかったのか
3.なぜ試合の流れを途中で変えることができなかったのか
という疑問が全てフィジカル勝負で負けたからというので片付けられるのだろうかと感じたからです。もちろん世界のベスト4に入るようなチームは圧倒的なフィジカルが必要であることは承知していますが、今回の敗因はそれだけではないと個人的には感じました。単なる1ファンにすぎませんが素人考えで分析してみます。
まず、1.のラインアウトについて確かに南アは高くて強いですが、南アが今大会で一度も失敗していないのはフィジカルだけが理由だとは思えません。ラインアウトを専門に分析するコーチがいるのではないでしょうか。日本が後半から立て続けに失敗したことについては、確率的に南アにサインがバレていた可能性があるのでその辺りも含めて対策する必要があると思いました。特に、相手ゴール前でのマイボール・ラインアウトの失敗は避けなければならないプレーでした。大事な場面ではとっておきのサインなど引き出しを一つか二つ持っておく必要があります。おそらく南アは何個も秘密の引き出しがあるのでしょう。
2.についてはバックス陣のパスワークが封じられたことが原因です。南アが日本のパス回しを徹底的に研究していたように感じました。とくに中央突破を試みたトリッキーなサインプレーが幾度となく止められたのには驚きました。南アのディフェンスラインが集中していたと言えばそれまでですが、相手の裏をかくオプションが他にもあればと思いました。南アのディフェンスについては試合後のインタビューで松島選手が冷静に語っています。(追記2021/6/21: 動画は非公開になったようです。)
松島選手が言うように南アディフェンスのプレッシャーが強かったため日本の攻撃のテンポが作れなかったのが後半の印象です。松島選手はまた今後日本がベスト4以上を目指すに当たり重要なことは今大会のスタンダードをマインドセットも含めて下げないことと即答しています。つまり、これまでの日本チームの強化方針を継続していれば今回以上の結果が得られると実感しているのだと思います。
3.についてはやはり相手の勢いに圧倒されたという部分が大きいですが、例えば大きくボールをけり出してプレーを止めてリズムを変えるという試みがもっとあっても良かったかもしれません。後半は自陣からでもパスを回してボールキープを狙いましたが、なかなか陣地を押し上げられませんでした。相手のプレッシャーが強くてプレーが単調になり、そのため相手にプレーを読まれてボールを奪われるという悪循環にはまった時間帯がありました。ファウル1つが得点につながる自陣でプレーが続くとやはりリズムが悪くなります。キッカーの田村選手が交代したことも一因でしょうが、有効的なキックが少なかった印象です。相手が前がかかりに突っ込んできているのなら裏のスペースをバックス・ハーフ陣が突くなどもう少し臨機応変に対応できていればと感じました。前からプレッシャーを受けていると難しいでしょうが、そんな時こそ単調なプレーにならずにプレーのオプションを広げる意識を持つことが大切なのだと思います。(言うは易しです。)
長々と好き勝手言ってしまいましたが、とにかく選手・スタッフのみなさんおつかれさまでした&感動をありがとう!また4年後を楽しみにしています。
先日の試合は前半を観た感じでは充分に勝機があると思いました。むしろ、日本のペースではないかと思ったほどです。というのも、これまでの戦いぶりからフィットネス・持久力では日本に分がありそうだったので後半になって日本が先にトライを取ればそのままボールをキープして勝ちきれるのではと期待しました。後半の強さは4年前の南ア戦も記憶に新しく悪いイメージはありませんでした。しかし、ベスト4の壁は厚かったです。4年前はグループリーグの初戦だったので日本は万全の態勢で臨めましたし、南アには油断もあったでしょうが、今回は全く状況が違いました。まず、日本はグループリーグでの連戦で主力選手が万全の状態ではなかった点、特にこれまでフル出場していた田村選手、姫野選手が途中交代を余儀なくされたのが痛かったです。一方、日本より長い準備期間のあった南アチームの気力の充実ぶりには目を見張るものがありました。前回の反省を生かして充分に日本チームの分析・対策を練っていたことが分かりました。プレーが止まるごとに日本選手に突っかかってきたり、反則ギリギリのプレーをしている様子から今回は絶対に負けないという気持ちが前面に出ていました。特にMVPを取ったスクラムハーフ・デクラーク選手の動きが良かったです。前半は日本もそんな相手に真っ向勝負で充分に対応しており、得点ではリードされていたものの試合内容では互角以上でした。前半の日本のペースの時間帯にトライを奪えていれば全く違う試合になったと考えると悔しいですね。南アの日本対策の一例として今泉清さんが専門家らしい素晴らしい解説をされています。
審判さえ欺いた南アの出足、経験差に泣いた/今泉清
後半の試合は悪夢を見ているようでした。前半キープできたボールを尽く奪われて観ていて歯がゆかったです。南アはフレッシュな強力フォワードを投入して力勝負に持ち込み、密集でのボール奪取力が向上しました。フィジカル勝負のモールで長距離を押し込まれトライを取られた辺りから日本としては成す術がなくなってしまった感があります。観戦していてやはりラグビーはフィジカル勝負のスポーツなのかと何故かモヤモヤしたまま試合終了となりました。そのモヤモヤの原因は
1.なぜ後半になってラインアウトを立て続けに奪われたのか
2.なぜ相手を走らせてフィットネス勝負に行けなかったのか
3.なぜ試合の流れを途中で変えることができなかったのか
という疑問が全てフィジカル勝負で負けたからというので片付けられるのだろうかと感じたからです。もちろん世界のベスト4に入るようなチームは圧倒的なフィジカルが必要であることは承知していますが、今回の敗因はそれだけではないと個人的には感じました。単なる1ファンにすぎませんが素人考えで分析してみます。
まず、1.のラインアウトについて確かに南アは高くて強いですが、南アが今大会で一度も失敗していないのはフィジカルだけが理由だとは思えません。ラインアウトを専門に分析するコーチがいるのではないでしょうか。日本が後半から立て続けに失敗したことについては、確率的に南アにサインがバレていた可能性があるのでその辺りも含めて対策する必要があると思いました。特に、相手ゴール前でのマイボール・ラインアウトの失敗は避けなければならないプレーでした。大事な場面ではとっておきのサインなど引き出しを一つか二つ持っておく必要があります。おそらく南アは何個も秘密の引き出しがあるのでしょう。
2.についてはバックス陣のパスワークが封じられたことが原因です。南アが日本のパス回しを徹底的に研究していたように感じました。とくに中央突破を試みたトリッキーなサインプレーが幾度となく止められたのには驚きました。南アのディフェンスラインが集中していたと言えばそれまでですが、相手の裏をかくオプションが他にもあればと思いました。南アのディフェンスについては試合後のインタビューで松島選手が冷静に語っています。(追記2021/6/21: 動画は非公開になったようです。)
松島選手が言うように南アディフェンスのプレッシャーが強かったため日本の攻撃のテンポが作れなかったのが後半の印象です。松島選手はまた今後日本がベスト4以上を目指すに当たり重要なことは今大会のスタンダードをマインドセットも含めて下げないことと即答しています。つまり、これまでの日本チームの強化方針を継続していれば今回以上の結果が得られると実感しているのだと思います。
長々と好き勝手言ってしまいましたが、とにかく選手・スタッフのみなさんおつかれさまでした&感動をありがとう!また4年後を楽しみにしています。
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