今年は久しぶりにプロ野球の日本シリーズを楽しく観ました。ここ数年ソフトバンクが投打とも圧倒していたので観る前から結果が予想できたのですが、今年は6ゲームとも流れが行ったり来たりして試合展開が読めず目の離せない好ゲームでした。レギュラーシーズンを全くフォローしていなかったので日本シリーズになって初めて観る選手ばかりでした。侍ジャパンに選ばれていた山田、村上、吉田正尚、山本由伸選手やベテランの青木、T岡田、能見選手、また甲子園で活躍した奥川、宮城投手ぐらいしか知りませんでした。日本シリーズに出るくらいなのだから皆一流なのでしょうが、オリックスの宗選手のバッティングが良かったのが印象的でした。NHKのBSで最後まで放送してくれる安心感も手伝って、解説者の詳しい状況説明に納得しながら楽しく観戦できました。特に、藤川、宮本、小早川さんの解説が良かったです。あと、実はこれが一番の要因ですが、期末試験直前の長女が試合の終盤になると付き合って観てくれたのが素直に嬉しかったです。
今回私が一番唸ったのは高津監督が抑えのマクガフを信頼して使い続けた点でした。初戦のサヨナラ負けが痛すぎたので普通なら、短期決戦では調子のいい選手を使うべしのセオリーから、2戦目以降マクガフは使いづらいだろうな思っていましたが、高津監督は「そういうこともある」と不問に付しその後も抑えとして大事な場面で使い続けたのには驚きました。それを意気に感じて監督の起用に全力で応えようとするマクガフの気持ちは画面から良く伝わりました。第5戦でアダム・ジョーンズにストレートを投げて勝ち越しHRを打たれたときは、だからやめとけばよかったのになんてと外野の私は思ってしまいましたが、高津監督の信念は全くぶれませんでした。ちなみにあの時、それまでのアダム・ジョーンズのスイングから低めの変化球を投げておけば打ち取れるはずだから直球だけはHRになるからやめとけよとTVに叫んでいたのになんで投げるかな~マクガフ、なんて思っていましたがジョーンズのコメントによるとお互い助っ人外人だからストレートで勝負してくると予想していたそうです。そういうもんなのでしょうか?まあ、一発で仕留めたジョーンズがすごかったのですが。とにかく、高津監督は第6戦目も抑えは君しかいないという形でマクガフに試合を託したのが最終的には優勝できた要因のように感じました。多少ミスしても選手を信頼して使い続け、そのことを選手に伝えるというというリーダーの姿から周りの選手もやってやろうという気持ちになったのではないでしょうか。高津監督は現役時代に抑えだったので抑え投手がどのように感じているかについては充分すぎるほど分かっていたのでしょう。また、メジャーだけでなく韓国・台湾、独立リーグでの豊富な経験から外国人選手の性格をよく理解していたことも大きいと思います。一方、捕手出身の中嶋監督は、セオリー通り調子の悪かったヒギンズ、バルガス両投手をもう使わないとばかりに第6戦でベンチ外ににしました。その判断自体は妥当なのでしょうが、勝ちへの意識が強すぎて他の選手にミスしたら外されるかもという気持ちを暗黙のうちに与えてしまったかもしれません。実際、第6戦はオリックスの選手の方にプレーの硬さが出ていたように感じました。山本投手の踏ん張りが無ければ(内野)守備のミスから早めに勝ちこされていた気がします。藤川さんが触れていたように無駄な四球2つからあっけなく山田にスリーランを打たれたヒギンズは普通だったらさすがに起用できないでしょう。とはいえ、ベンチ外にするのには驚きました。もしかしたらオリックスの選手もそう感じていたかもしれません。